サガン鳥栖 感染クラスターで自己判断の難しさ、Jリーグ日程へ影響も

サガン鳥栖 写真:アフロ
Jリーグのサガン鳥栖で8月12日に選手やコーチングスタッフら10人に新型コロナウィルス感染が認められるクラスター(集団感染)が発生。同日予定されていたルヴァンカップの広島―鳥栖戦がキックオフ数時間前に中止され、鳥栖は当面のチーム活動を自粛すると発表したが、感染を疑う自主判断の難しさとクラブの取り組みの緩さが浮かび上がった。
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鳥栖では10日に金明輝(キム・ミンヒ)監督が新型コロナウィルスに感染し、それを受ける形で選手やスタッフら計89人に独自でPCR検査を実施。そして、12日昼の時点で9人に陽性の疑いがあることが判明した。
9人のうち、発熱のあった選手1人とスタッフ2人に抗原検査を行ったところ、選手とスタッフ1人が陽性と判定され、残る7人にも陽性の可能性が高いことから試合中止が決定した。この7人は、同夜になって陽性が確定し、鳥栖での感染者は金監督と併せて合計10人となり、佐賀県がクラスターに認定した。
1つのクラブでこれほど大人数の感染が確認されたことはなく、Jリーグで初のクラスターの事例となった。当面の間、鳥栖はトップチームの対外活動を自粛することを決めた。
鳥栖の竹原稔社長は12日夜、オンラインで行った会見で、保健所からは「14日間の自粛のお願いがあった」ことを明かし、チームには不要不急の外出禁止を通達。グラウンドも閉鎖して、「これ以上感染しないと担保されない限りは(練習は)開始できない」と話した。
鳥栖は直近の8月15日にはホームでのガンバ大阪戦、19日にはアウェイで仙台戦、23日にホームでの札幌戦が控えているが、竹原社長は試合開催に関してはJリーグから発表されるとして明言を避けたが、開催が難しいのは明らかだ。
Jリーグでは感染拡大のために2月末から4カ月の公式戦を中断。再開後の日程はすでに過密状態のため、今回の件でリーグは難しい調整を迫られることになる。
Jリーグ村井満チェアマンは12日の会見で、「(感染者の)2桁は今までにない状況。日程は過密ではあるが、試合ありきではなく、保健所の指導助言をもとに今後の対応を考えたい。今後の日程の再考の可能性があると認識している」と語った。
感染者判明で試合当日に中止となったのは、7月26日のJ1広島―名古屋戦、8月2日のJ2大宮―福岡のリーグ戦に続いて3例目だ。広島にとってはリーグ戦に続いて2度目の当日中止で、今回はルヴァンカップのグループステージ突破の可能性が残っている試合だった(その後、他チームの結果により敗退が決定した)。
クラブのチェック機能
また、鹿島も濃厚接触者の特定やスタジアム消毒などの対応に追われた。というのも、先に感染が判明した金監督は、今月8日のアウェイでの鹿島とのリーグ戦で、発熱などの症状はないものの、体調に「違和感」を覚えた状態で指揮を執っていたからだ。
幸い、鹿島には濃厚接触者はいないと確認されたが、鳥栖の監督の行為にはJリーグも「体調が悪いのに指揮していたのであればよろしくない」という見方を示している。
取材・文:木ノ原句望