U-24日本代表MF田中碧 五輪本番を意識してアルゼンチンとの第2戦へ

サッカー

2021.3.29

aflo_157020559.jpg
田中碧 写真:JFA/アフロ

 今夏の東京オリンピックへ向けて強化を図っているU-24日本代表のMF田中碧選手(川崎フロンターレ)がアルゼンチンとの第2戦(3月29日、北九州)へ向けて「五輪本番なら負ければ予選敗退。勝点3を獲りたい」と話し、今年7月の本大会を想定した姿勢で臨むことを示した。

 日本は3月26日に東京の味の素スタジアムで行われた第1戦では、日本は0-1で敗れたが、田中選手は昨年1月のU-23 AFC選手権で受けた退場処分による出場停止で外から試合を見守った。

先発にはJリーグでも好調のMF三笘薫選手(川崎フロンターレを4-2-3-1の2列目左に配してトップ下にMF久保建英選手(ヘタフェ)と並べて初めて一緒に起用し、右にはMF三好康児選手(アントワープ)を配置。

三笘選手の後ろには川崎でも今季左サイドバックを務めている旗手玲央選手を置くなど、初めての組み合わせも試した。

しかし、日本は長旅にもかかわらずチームとして連動した動きで勢いもあるアルゼンチンに押されて、前半は特に思うような攻撃を仕掛けることはできなかった。

失点は前半21分。右サイドのMFフェルナンド・バエンスエラ選手から前線でパスを受けたMFマティ・バルガス選手がペナルティボックス深くまで切り込み、深い位置からの折り返したボールに、長身のFWアドルフォ・ガイチ選手が頭で合わせた。

この攻撃のスタートは日本のゴールキックを相手が右サイドで拾ったところからで、最終ラインからテンポよく縦に運んで組み立てたもので、試合序盤にも右サイドの崩しを見せて、クロスバーを2度叩く場面も作られていた。そのままの流れで押し切られた格好で、シュート場面では守備陣の相手FWへのマークも遅れて甘くなった。

 1点を追う日本は、前半半ばに選手が左サイドからペナルティエリアに切り込んで中に入れる場面を作ったが、アルゼンチンは守備も固く、危険なエリアには必ずと言っていいいほど足が伸びてクリアされた。

日本は後半半ばにMF相馬勇紀選手(名古屋グランパス)とDF古賀太陽選手を投入して左サイドの2枚を入れ替え、70分には相馬選手の左サイドからの仕掛けで久保選手がゴールを狙う場面を作ったが、オーバーエイジとして参加しているGKヘレミアス・レデスマ選手に阻止されるなど、最後までゴールを割ることはできなかった。

 この試合を田中選手は、「自分だったら」という目線で試合を見ていたそうで、「ビルドアップでもう少し安定性が必要。2列目に素晴らしい選手がたくさんいる。ボールに高い位置で触れればチャンスになる。そういう選手たちにどうやってボールを渡すかが自分の役割になる。ビルドアップ、ゲームコントロールを含めて、自分が率先してやれればいい」と話して、第2戦への意気込みを示した。

ボランチも攻撃的役目も自在にこなせる22歳の川崎MFは、選手同士の距離をあまり開けずに攻撃の選手を孤立させないことやサイド攻撃の駆使などいくつかのアイデアも示し、アルゼンチンの固い守備を破るためのイメージを膨らませていた。

 今回の第2戦は、移動を伴っての中2日で2試合という五輪グループステージでもありそうな設定だが、田中選手は結果の面でも1敗後の戦いで、「オリンピックなら次に負けると予選敗退になる」と指摘。「必ず勝点3を取れるように全員でやりたい」と語る。

 本大会は新型コロナウィルス感染の世界的流行を受けて昨年7月開幕から1年延期されたが、田中選手は「1年延びたことで力を付ける時間になった」とポジティブに受け止めている。

 実際、この1年の間、田中選手は所属の川崎で以前にも増して存在感がアップ。昨シーズンのJ1リーグではコロナ禍で生じた過密日程の中、31試合に出場して5得点。チームの主力として2年ぶり3度目のリーグ制覇に大きく貢献した。

 五輪を目指す代表チームでも2019年9~10月の中南米遠征でのブラジル戦にフル出場して2得点をマークし、若い日本代表チームはアウェイで南米の雄に3-2で勝利した。

田中選手も「昨年、一昨年よりもできることは増えている。こういう相手にどこまでできるか」と、東京五輪の南米予選を1位で突破したアルゼンチンとの対戦を心待ちにしている。

「こういう舞台で活躍する選手が本当に素晴らしい選手だと思う。オリンピックも近いし、A代表の選手たちも素晴らしいパフォーマンスをしている。そういう選手に追いつくためにも、ここでレベルの高いパフォーマンスを示していかないといけない」と言い添えて、五輪やその先を見据えていた。


取材・文:木ノ原句望