日本代表vsU-24代表対決が実現 予定していたジャマイカ戦は中止

サッカー

2021.6.1


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日本代表 合宿 写真:JFA/アフロ

 サッカー日本代表が6月3日(木)に札幌ドームで予定していたジャマイカ代表との国際親善試合が中止となり、代わりにU-24日本代表との対戦が医療従事者へのチャリティマッチとして開催されることになった。日本サッカー協会が6月1日、発表した。

 中止に至った原因は、ジャマイカ代表選手の数名が用意していた新型コロナウィルスの陰性証明に不備があり、日本への渡航が認められず、防疫措置として試合出場に義務付けられていた3日前の5月31日(月)までに入国できなかったという。

 ジャマイカ代表チームは選手の所属クラブの地域でアメリカ経由とオランダ経由の二手に分かれて日本へ渡航する予定で、アメリカから移動した10名は無事に入国した。しかし、欧州組の10人のうちの数名がアムステルダム空港での搭乗手続きで航空会社により書類の不備を指摘され、搭乗許可が下りなかった。

このため、すでに入国している10人では国際試合が成立できないとして、日本協会が3日の日本代表との対戦中止を決めた。

なお、ジャマイカ代表は6月12日(土)にU-24代表との対戦(愛知・豊田スタジアム)を予定しており、日本協会では当該選手に再検査を行って適切な陰性証明を用意してもらうことで来日を図り、試合開催を目指すとしている。

 ジャマイカ地元紙では、当該選手らが行ったPCR検査の手法が口腔からの検体採取によるもので、鼻腔からの採取のみを認める日本政府の方針と合致しなかったことによると報じている。

 オンラインで会見に応じた日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、原因については調査中であるとし、「何が問題だったのか、直接(当事者に)話を聞いた上で対処したい。大きな痛手で多くの方々に迷惑をかけた。お詫びを申し上げる。解決策を考えていかなければならない」と話した。

日本協会では3月にもモンゴル代表との2022年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選や、韓国代表、U-24アルゼンチン代表などを招いて国際親善試合を実施した。いずれも、入国後の「バブル方式」の導入で一般との行動を隔離するなど、厳格な防疫措置を講じることで日本政府から開催許可を取り付けた。

同様に、先月28日にも日本代表がミャンマー代表とのW杯2次予選を実施したばかりで、今月7日、15日にはそれぞれタジキスタン代表、キルギス代表との2次予選の残り2試合とセルビア代表との親善試合があり、U-24代表もU-24ガーナ代表との親善試合も予定されている。

U-24日本代表とともにオリンピックへ調整中のなでしこジャパン日本女子代表も、4月のパラグアイ代表、パナマ代表戦に続いて、今月10日にウクライナ代表、13日にメキシコ代表との対戦が控えている。

日本協会の対戦相手が関わった渡航の陰性証明トラブルは今回が初めてだが、一般のケースでも日本への渡航で陰性証明の書式などを巡って空港で搭乗拒否が告げられるトラブルが発生していることは、日本の全国紙でも報じられている。今後、同様のことが起きる可能性は否定できない。

 田嶋会長は、「2度と起きないように専門家の意見を聞いて対処したい。ガーナやなでしこジャパンの対戦相手が来れるように、我々が主導して(手続きを)行う」と話した。

U-24代表選手ら、対戦を歓迎

 これを受けて、急遽アレンジされたのがU-24日本代表との対戦で、ジャマイカ戦が予定されていた3日に同じ会場、同じキックオフ時間で、無観客で開催する。また、新たに、医療従事者などの活動を支援するためのチャリティマッチとして、投げ銭のウェブサービス「KASSAI」を利用した募金活動を実施することになった。

 田嶋会長は、この取り合わせは日本代表とU-24日本代表を兼務する森保一監督ら現場からの声を受けて実現したと明かし、「監督が兼任だったから対応できた」と指摘した。

 U-24代表チームは5月31日から合宿が始まっており、当初の予定では3日まで千葉市内で練習して、5日に福岡で行われるU-24ガーナ代表との親善試合に臨む予定になっていた。今回、日本代表との対戦が決まったことで1日の予定を変更して午前中に日本代表とともにチャーター便で札幌に移動した。

 日本代表との対戦後、中1日で福岡への移動も伴ってガーナ戦を戦うハードな日程になったが、今回の活動には初めてOA(オーバーエイジ)のDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ)、MF遠藤航(シュツットガルト)の3選手が参加。U-24年代の選手と融合を図る狙いがある。

その一方で、24歳以下のメンバーにとっては東京オリンピックに臨むメンバー18人の選考がかかった最後のアピールの機会でもある。招集メンバーも27人と通常よりも多い。

 フル代表の選手には、やりにくさも伴うだろうが、U-24代表の選手たちからは歓迎する声が上がっている。

 U-24代表のMF三好康児選手(アントワープ)は、「試合が多くなればアピールのチャンスが増える」と前向きで、OAで参加の遠藤選手も「代表との対戦にモチベーションの高い選手は多い。中2日でガーナ戦だが、メンバーは十分いる。

最終選考で全員が試合に出られるチャンスが1つ増えたし、オリンピックに向けて準備していける」と話している。

 フル代表のFW古橋亨梧選手(神戸)も、対戦相手の最終ラインにフル代表で主将を務める吉田選手や酒井選手らが入ることを想定して、「すごくいい機会。攻撃でチャレンジしたい」と意気込んでいる。

 田嶋会長は、「なかなかこういう代表同士の試合は見れない。非常に興味が湧く試合になると思っている」と話した。


取材・文:木ノ原句望