男子90キロ級 “我慢と意外性”の向翔一郎「自分の感覚を研ぎ澄ませて。結果で恩返しを」【五輪柔道】

柔道

2021.7.28

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向翔一郎 Photo:Itaru Chiba

男子90キロ級代表の向井翔一郎(ALSOK)は意外性の男だ。

日本大学に入学した際にはアメフト部への入部を真剣に考え、日本代表になってからはキックボクシングの練習を取り入れた。柔道でオリンピックを意識し始めたのは2018年1月のグランドスラム・パリで優勝してからというのだからつい3年前の話。

「子供の頃はお姉ちゃんの方が柔道は強かったので、『オリンピックはお姉ちゃんの柔道を見に行く』と言っていましたから」

大学4年の2017年に選抜体重別で日本一になると、2019年の世界選手権では個人初出場で銀メダルを獲得。着実に力をつけ、オリンピック代表の座を勝ち取った。

しかし自由奔放な私生活で遅刻や寝坊を繰り返し、大学時代には退寮、さらに道場を「出入り禁止」になったこともある。新型コロナの影響で五輪が1年延期になった昨年夏には、SNSによる騒動で周囲に迷惑をかけた。

「結果でいろんな人に恩返しするしかない。結果でいろんな人に反省していることを伝えるしかない」

そう振り返る向は、心技体でどれが一番大事か?という問いに、迷わず「心」と答えた。

「気持ちのムラっていうのをなくすのが課題だったので、それをしっかりやれればいいのかなと思います」

90キロ級は世界を見渡しても技術は横一線だという。

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向翔一郎 Photo:Sachiko Hotaka

今年4月からは自分を突き詰める強化に重点を置いた。

「自分には背負投しかないと実感したので、入り方や身体の動きをもう一度見つめ直したりしてきました」

常々自分の感覚を大切にしてきた。

「ようやく自分の本来の強さを頭の中でイメージできたので、自分の感覚をもっと研ぎ澄まして優勝したいです」

持ち前の思い切りのいい、自由な柔道で金メダル獲得なるか。

向は世界王者のシェラザダシヴィリ(スペイン)とは逆の山に入った。