U-24日本代表 メキシコに完敗 1968年メキシコ大会以来の銅メダルならず

サッカー

2021.8.8

GettyImages-1332675246.jpg
メキシコに敗れて号泣する久保建英 Photo by Leon Neal/Getty Images

 U-24日本代表の東京オリンピックでの戦いが終わった。8月6日に埼玉スタジアムで行われた男子サッカー3位決定戦でメキシコに1-3で敗れ、2012年大会に続いて4位で大会を終了した。日本は勝てば、1968年メキシコ大会以来の銅メダル獲得だったが、その1勝は遠かった。

「完敗です」

 悔し涙で目を赤くしたDF吉田麻也選手(サンプドリア)は、試合後に言葉を絞り出すように言った。自身がOA(オーバーエイジ)として出場した2012年大会の3位決定戦で逃したメダル獲得へ「ここまで来たら最後は気持ち」と話し、意欲を示していた。

だが、気持ちや思いはあっても、日本の選手たちの動きがそれについて行っているようには見えなかった。相手への対応が遅れがちで、攻守の動きに鋭さを欠いた。

そして、日本は前半早々に2失点を喫した。力を発揮する前に、いきなりの2点ビハインドを負う展開になってしまった。

 PKを与えた場面は、メキシコが左サイドから攻め、ペナルティボックスに切り込むFWアレクシス・ベガ選手に対応したMF遠藤航選手(シュツットガルト)が相手を倒したとしてPKの判定をとられた。

これをMFセバスチャン・コルドバ選手が、日本GK谷晃生選手(湘南)の逆をついて成功させた。前半13分だった。

 痛かったのは、その9分後の2失点目。やはり、左サイドから攻撃を仕掛けられて相手を止めたが、ファウルを獲られてFKを与えた。このセットプレーでコルドバ選手がゴール前へ精度の高いボールを入れると、DFヨハン・バスケス選手がマークについていた遠藤選手の前に体を入れて、頭で合わせた。

 セットプレーで相手を捕まえられずに得点を許したのは、3失点目も同様だった。メキシコは後半13分の左CKからコルドバ選手がゴール前へ蹴り込んだボールに、少し離れた位置から中央に飛び込んできたベガ選手を捕まえきれず、得点を決められた。

 頭では分かっていても体の反応が少しずつずれる。いつもできていたことができないのは、連戦の疲労が影響したと思われる。

7月22日の開幕戦から酷暑の中での連戦を経て、この試合が6戦目。日本は決勝トーナメントに入って以降は7月31日のニュージーランドとの準々決勝が延長PK戦にもつれ込み、8月3日のスペインとの準決勝も延長戦だった。

メキシコは、準決勝のブラジル戦は延長PK戦で敗れたものの、準々決勝の韓国戦を90分以内で決着をつけていた。若干ながら体力的には有利だったかもしれない。


三笘選手が1得点も、チャンスに精度を欠く

GettyImages-1234531374.jpg
三笘薫 Photo by Kaz Photography/Getty Images


 前半を2点ビハインドで終えた日本は後半開始からMF相馬勇紀選手(名古屋)に代えてMF旗手怜央選手(川崎)を投入。

さらに、0-3とされた後の後半18分にDF中山雄太選手(ズヴォレ)に代えてMF三笘薫選手(川崎)、FW林大地選手(鳥栖)に代えてFW上田綺世選手(鹿島)をベンチから送り出すと、左アウトサイドに入った三苫選手が仕掛けた。

 三笘選手の独特なリズムのドリブルにメキシコは対応しきれず、投入から5分後には三苫選手と上田選手のコンビネーションから上田選手がシュートを放つ決定機を作るなど、そこから相手ゴールを脅かす場面を作った。

日本がゴールを割ったのは、後半33分の三苫選手の1本。ドリブルで攻め込み、一度シュートを打つと見せかけて再びペナルティエリアに切り込んで近い距離から左足で決めた。

これには再三、セーブを続けていたメキシコ代表GKギジェルモ・オチョア選手も反応しきれなかった。

 日本は試合終了間際にも右サイドのFKから決定機を作り、久保選手のFKに相手の注意がゴール前に引き付けられる中、少し離れてボールを受けた旗手選手が右足を振ったが、シュートは左ポストの外へ流れた。

この試合で日本が放ったシュートはメキシコの8本に対して19本。そのうち、枠内シュートはメキシコの4本に対して日本は5本だった。チャンスに決めるだけの精度が足りなかった。


文:木ノ原句望