11年ぶりFC東京復帰の長友佑都、クラブの優勝実現に「力になりたい」

サッカー

2021.9.13

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長友佑都 Photo by Etsuo Hara/Getty Images

J1のFC東京に11年ぶりの復帰を決めた日本代表DF・長友佑都選手が自身35歳の誕生日を迎えた9月12日にオンラインで会見に臨み、欧州でのプレー経験で培ったものを古巣のチームに還元して、Jリーグでの優勝と常勝軍団となるために貢献したいと熱く語った。

2010年の夏、FC東京からイタリアへ渡り、1部のチェゼーナを足掛かりにインテル・ミラノやトルコのガラタサライ、フランスのオリンピック・マルセイユでプレーを続けてきた長友選手が、11年ぶりに古巣に戻ってきた。

「熱意やクラブのビジョンに心を動かされた。このクラブに戻って力になりたい。Jリーグで優勝するチームを本気で作るところに熱量を感じ、惹かれた」

復帰を決めた理由をそう語った長友選手は、赤と青のストライプのユニフォームに久しぶりに袖を通して晴れやかな表情を見せた。

欧州での11年間を振り返って、「厳しい経験がたくさんあったが、それを乗り越えて自分も少しは成長できたかと思う。その経験や自分が培ってきたものを還元したい。世界で僕が感じてきた世界基準でのフットボールやメンタリティ、試合に向けて準備する力を伝えたい」と話し、ベテランの域に入った選手として、ピッチ内外で若手の成長に手を貸したいという思いも示した。

長友選手は2008年にFC東京でプロ選手としてキャリアをスタートさせた。当時の背番号は「5」。今回は「50」。以前の「5」に、原点回帰の意味を込めた「0」をつけて「50」にしたと明かした。

ポジション争いにも初心に戻って挑むとして、「帰ってきたからといって、自分のポジションがあるとは思っていない。当時のように、ギラギラしながら、レギュラー争いで互いに成長しながら戦っていきたい」と話している。

年齢を疑問視する声にも、「批判のようなエネルギーは僕には仙豆のようなもの。もっとくださいという感じ」と意に介する様子はなく、「これから皆さんが想像できないような長友を見せられるように頑張りたい」と意気込んでいる。

日本代表でも2008年5月のデビュー以降実績を積み、現在までに歴代2位の127試合出場を誇る。その間、2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会と3度のW杯を経験。先日も2022年カタール大会のアジア最終予選に臨んだが、その代表活動にも今回の移籍はプラスに働くとみている。

「最終予選は10月、11月、1月、3月と続く。移動の負担や時差の調整とかコンディションの面では欧州にいるより圧倒的に有利。最高の状態で最終予選を迎えてW杯を迎える。非常に大きなメリットがある」

11年前に東京を離れてチェゼーナへ移る際に「世界一のサイドバックになって戻ってくる」と話していたが、その目標についても「まだ目標は追っている。ここでしっかりパフォーマンスを出して、来年のW杯で最高の活躍をしてその目標を達成したい」と話した。

FC東京は今季J1リーグ27試合を終えて現在9位。12勝6分9敗の勝点42で首位を行く川崎フロンターレとは24差あるが、3位以内に入れば来季のACL(AFCチャンピオンズリーグ)出場権を獲得できる。ルヴァンカップでは準決勝進出を決めている。

「このチームで優勝したい」という長友選手は、「今季の優勝は難しいかもしれないが、ACLは狙える。ルヴァンカップもある。まず、モチベーターとしてチームを刺させるメンター的な存在になりたい。『長友がいたら大丈夫だよね』という安心感を仲間に持ってもらえる選手になりたい」と語る。

強いリーダーシップを持つ長友選手の復帰に、FC東京の大金直樹社長は「やっと」という言葉を繰り返して歓迎。「やっと帰って来てくれた。タイトルを獲るためにやっと役者が揃った」と期待を口にした。

長友選手はリーグ優勝達成だけでなく、常に上位で優勝に絡むチームに変えたいという思いも示している。

「首都クラブ、花の都のクラブは常勝でないと盛り上がらない。東京都、花の都、佑都に都があって縁を感じる。佑都の佑には助けるという意味もある。都、東京を助けると自分はすごく燃えているし、助けられると思っている」

心強い選手が戻ってきた。


取材・文:木ノ原句望