クラスター発生のサガン鳥栖 ミーティングでマスクせず 監督発熱も報告遅れ

サッカー

2020.8.13

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    写真:森田直樹/アフロスポーツ


     Jリーグのサガン鳥栖で8月12日に選手やコーチングスタッフら10人に新型コロナウィルス感染が認められるクラスター(集団感染)が発生。同日予定されていたルヴァンカップの広島―鳥栖戦がキックオフ数時間前に中止され、鳥栖は当面のチーム活動を自粛すると発表したが、感染を疑う自主判断の難しさとクラブの取り組みの緩さが浮かび上がった。

    サガン鳥栖 感染クラスターで自己判断の難しさ、Jリーグ日程へ影響も

     鳥栖では10日に金明輝(キム・ミンヒ)監督が新型コロナウィルスに感染し、それを受ける形で選手やスタッフら計89人に独自でPCR検査を実施。そして、12日昼の時点で9人に陽性の疑いがあることが判明した。

    新型コロナウィルス感染防止対策には、「3つの密」の回避と体調の自己管理が求められている。Jリーグは感染症対策のガイドラインの基本として、体調不良の状態で行動することで感染が拡大する危険性を早い段階から指摘し、「発熱、咳、倦怠感などの症状を認めたら休む勇気を持つこと、そのことをクラブに報告する勇気を持つこと」を明記した。これは各クラブにも共有されているものだ。

     だが、金監督をはじめ、鳥栖のクラブとしての対応はどうだったか。

    金監督は9日佐賀に戻るとスタッフとミーティングを行ったが、倦怠感を覚え、夜になって38度の発熱を出した。だが、翌10日朝になって熱が下がっていたことから、練習に参加。しかし、倦怠感があったことから病院を受診し、そこでPCR検査を受けて感染陽性が判明したという。

    鳥栖の竹原社長は、今回陽性反応を示した選手の中には「クラブハウスと家以外は一切どこにも行っていない選手もいる」と指摘し、「ロッカールームも3か所に分けて、ロッカールームで選手はマスクを100%着けていた。監督も厳格な行動をとっていた」と説明。その上で、昨今の猛暑で体温が上がりやすいなど「微妙な体調変化の把握が難しい状況だった」と話した。

    だが、感染症の兆候と風邪や熱中症との見分けが難しいことは広く指摘されていることであり、最近は特に市中感染も増えている。用心を重ねる必要があったはずだ。

    チームとしての取り組みの姿勢にも疑問が残る。9日のスタッフミーティングでは、互いにマスクをしていなかったといい、監督は発熱を即座にチームに報告しておらず、チームが把握したのも10日になってからだったという。定められた検温はしていたが、熱があった事実への対応ができていなければ意味がない。

    Jリーグでは、新型コロナウィルス感染症対策の一環として、各クラブに健康管理担当者を設置してチームの体調管理を敏感に把握するように促している。鳥栖の場合、それが機能していたかを見直す必要があるのではないか。


    取材・文:木ノ原句望