中村憲剛×セルジオ越後 「セルジオさん、僕にはあんまり辛口じゃなかった」ベストゴール&ベストゲームを語る
2021.1.20
【未公開編】元川崎フロンターレ 中村憲剛×セルジオ越後 新春スペシャル対談
放送では入り切らなかった、昨季限りで現役を引退した川崎フロンターレの"レジェンド"中村憲剛とセルジオ越後の新春スペシャル対談 【未公開編】を特別に公開!
中村憲剛はセルジオ越後の辛口批評をどう感じているのか?
プロ18年間のベストゴールとベストゲームとは?
終盤にはJリーグと日本代表の未来についての熱いトークも!
ここでしか見られない夢の対談をお楽しみください。
<スタジオに飾ってあるユニフォーム>
セルジオ越後:スタジオに飾ってあるこのユニフォームはいつの?
中村憲剛:元日の天皇杯決勝戦で着たユニフォームを持ってきました。ちゃんと洗濯してきましたから大丈夫ですよ!(笑)
セルジオ:大事なユニフォーム、素晴らしいね。リーグ戦で優勝した時に着ていたユニフォームとは違うの?
中村:これと同じかもしれないです。洗濯して次の試合に使うんで。このユニフォームに関してはたくさん勝ったので、縁起が良いかもしれないですね。
【未公開編・動画】元川崎フロンターレ 中村憲剛×セルジオ越後 新春スペシャル対談
<セルジオ越後の辛口批評について>
セルジオ:みんな僕のことを辛口辛口って言うんだけれども、世界のメディアから見たら僕は甘口。何で日本ではみんな僕のことを辛口って言うんだろう?
中村:セルジオさんはブラジルでサッカー選手をされてメディアというものを経験されたので。日本ではあまり言わないじゃないですか。
だから、よりセルジオさんのコメントはそう思われるのかな。僕にとってはすごく新鮮でしたけどね。
セルジオ:けれど熱血指導者っていうのは裏を返すと辛口でしょ?
中村:つまり、セルジオさんは熱血だということですね?
セルジオ:言葉だけね(笑)。手も足も出さないよ。
中村:だけど本当にすごく核心をついているというか、みんなが触れないようなところを時にセルジオさんが斬ってくれていたので。
セルジオ:Jリーグが発足するまでは僕もとても甘口だったの。なぜならアマチュアだから。アマチュアはやることに意味があるから、高校サッカーでの解説も褒めまくってね。
でもやっぱりプロっていうのは普通の会社と一緒、営業マンのように、数字という目に見える結果が求められる世界。
それなのに、何で日本はプロであるJリーグに対して、もっと厳しく批評しないんだろう?
中村:その辺が日本のサッカーの良いところでもあり、悪いところでもあるのかなって思います。
セルジオ:文化かな?サッカーだけじゃないよね?
中村:そうですね。その通りだと思います。
セルジオ:愛情を持って、良いなら良い、ダメならダメって幅をもたせて言うことが教育じゃないかなと思うんだけど。
中村:だけど僕が思うに、セルジオさん、僕にはあんまり辛口じゃなかったなって思います。
セルジオ:良い結果出したら言いにくいんだよね。
中村:なるほど(笑)。VTRも拝見して、特に最後の引退のところでも、とにかくあの辛口のセルジオさんが褒めまくってくれるので。
セルジオ:今年は特に川崎フロンターレは結果を出している選手が多かったし、結果を出したら褒めるというのが解説者・評論家の仕事。
逆にチームがうまくいっていない時には、良くなるために発破をかけて厳しく言う、というのも仕事だからね。
良くないのにずっと褒めるだけでは(解説者・評論家として)貢献していないなという気がするからね。
中村:セルジオさんにはぜひ!そのまま言ってもらいたいなと僕は思います。
セルジオ:でももう引退したから(中村に対しては)ずっと甘口だからね。
中村:僕個人としては、それはちょっと物足りないですね!
<39歳で全治7ヶ月の大怪我、引退ではなく復帰を目指した理由>
セルジオ:引退1年前に大きな怪我(左膝靱帯と半月板の損傷)をしてたよね。一般的には年齢を考えるとそこで引退するのかなと思うけど、何で厳しいリハビリを乗り越えて復帰を目指せたの?
中村:周りにも言われました。「引退を決断してもいいんじゃないか?」って。40歳手前で7、8ヶ月の大怪我なので。
ただ、自分がそれを許さなかったですね。そこで引退をしたら、怪我した試合が引退試合になってしまう。それは自分も嫌だったし、応援してくれているサポーターや家族も望んでいなかったと思うんです。
だから、長いリハビリを乗り越えて再びチームに貢献する姿をたくさんの人に見てもらってから引退するという覚悟が、逆にあそこでより強くなりましたね。
セルジオ:家では相談しなかったの?
中村:妻だけには相談しました。
元々30歳の時に35歳までという話を妻とはしていて、やっぱり30歳を超えてくると選手というのは色々考えることが多くなってくるので。
セルジオ:じゃあ、約束を破ったんだな。5年もズレたじゃない。奥さんにウソをついちゃいけないよ。
中村:約束破ったっていうか...奥さんにウソついてないです!(笑)
妻は現役を望んでくれていたので。40歳までやれたらいいよねと話をした時に、「40歳までプレーが見たい」と言ってくれました。
裏切ってはいないですよ!(笑)
<プロ18年間のベストゴール・ベストゲーム>
セルジオ:プロになってからのベストゴールとベストゲームは覚えている?
中村:ベストゴールは、去年のFC東京戦(10月31日)40歳での初めてのバースデーゴールですね。
セルジオ:誕生日のゴールが一番思い出に残っているなら、もう1、2年やったら記録が延びたんじゃない?
中村:そういう返しが来るとは、さすがです。
セルジオ:だけども、引退を決断しての誕生日の試合でやっぱり神様がご褒美をくれたんだろうね。確かに僕が見た中で一番喜んでいた得点だったと思いますね。
中村:色々な感情がこもっていたのでね。試合の前のインタビューで「誕生日の試合ですが」と聞かれても、「欲を出すと良いことがないので」とかわしていたんです。
当日、いざ試合が始まってボールが来たら「やっぱこれ点取りたいな」ってなって、前半から積極的にいってたんです。
セルジオ:ベストゲームは?
中村:ベストゲームは、やっぱり初優勝した2017年の最終節、ホーム大宮アルディージャ戦ですね。
セルジオ:覚えてる覚えてる。パレードの時の嬉しそうな顔!
中村:長いこと僕自身15年間タイトルが取れなくて、このまま優勝できずに引退するんじゃないかというのが頭の中にあったんです。
だからあの初優勝の時、自分たちが勝って他の会場の結果が出た瞬間のみんなが喜ぶ姿が今でも脳裏に焼き付いているんです。それまで優勝できなかった色々な人の想いを自分が背負っていたところがあったので、その気持ちが涙になったのかなと思います。
セルジオ:ずっとキャプテンとしてチームを引っ張って、キャプテンの仕事の一つとして2017年にJ1初優勝を果たした後、キャプテンを他の選手に譲ったじゃない?それは優勝したことで自分の気持ちが一区切りついたということなのかな?
中村:僕自身はキャプテンマークを譲って自分に集中できるというか、それまではチームのことばかり考えていましたけど、それを小林悠に渡して、2017年は37歳になる歳だったので自分にプレッシャーをかけながら成長したいという気持ちもありました。
<キャプテンを譲ってからもシャーレ・トロフィーを掲げる役割>
セルジオ:すごいなと思ったのが、キャプテンを譲った後も優勝したら選手みんなが(中村に)トロフィーを掲げるようお願いに来るのね。あのあたり、相当みんな怖がってるんだなと思って...
中村:ちゃうちゃうちゃう!(笑)そういう感想になるんですか。怖くないと思いますよ、僕はね。
本当にありがたいです。小林悠もそうですし、去年で言うと谷口彰悟や大島僚太もそうですけど、本当だったらキャプテンマークを巻いている彼らが掲げるべきなんですけど、「憲剛さん、ここはやって下さい」って言ってくれたのはすごく嬉しかったし、ありがたかったですね。