J1開幕で好スタートの川崎、変化を感じさせた清水

サッカー

2021.3.2

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    2021 J1リーグ 開幕戦 川崎フロンターレ・家長の先制ゴール 写真:YUTAKA/アフロスポーツ

     J1リーグの2021シーズンが2月26日に開幕し、昨シーズン優勝の川崎フロンターレが快勝で連覇へ向けて好スタートを切ったが、今季初戦で小さくない変化を感じさせるチームも現れて、開幕節は今後の展開が気になる展開となった。

     ホームに2019年シーズン覇者の横浜F・マリノスを迎えてリーグ開幕戦を戦った川崎は、一週間前にゼロックススーパーカップで公式戦を経験済みということもあってか、テンポの良いパスワークで連携の良さを攻守に発揮してビジターを圧倒。滑らかな連携は得点場面に集約された。

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    前半21分の先制点はMF脇崎泰斗選手の右サイドから上げたクロスに、後ろから走り込んだDF山根視来選手がヒールで合わせて折り返し、これをFW家長昭博選手が左足で捉えた、技ありのコンビネーションが光った。

     43分の2点目は、右サイドでFWレアンドロ・ダミアン選手とパス交換をしたMF田中碧選手がゴール前へクロスを入れると、相手DFの背後を取った家長選手がヘディングで合わせて再びゴールネットを揺らした。

    どちらも精度の高さと冷静さが感じられる得点で、「でき過ぎ」と振り返った家長選手は「(開幕戦は)緊張感のある試合なので、(ゼロックス杯で)1試合やっていてよかった」と言った。

    前線からプレッシャーをかけて相手ボールを絡め獲る川崎の守備も健在で、今季は特にダミアン選手の積極的で果敢なプレッシャーが目立つ。相手にとっては面倒だろう。

    一方、タイトル奪還を目指すマリノスは、後半半ばにFWオナイウ阿道選手がポストを叩く場面も作ったものの、前半は動きも少なく、積極性を欠いてリズムをつかめなかった。高卒ルーキーのFW樺山諒乃介選手と新加入のDF岩田智輝選手を先発に起用したが、チームとして機能する前に川崎に主導権を与えた形となった。相手とのゲームフィットネスの違いは小さくなかったようだ。

    マリノスMF天野純選手は、「ボールを受けることをみんな怖がっていた。今日はそこに尽きる」と指摘。「川崎をリスペクトしすぎた」と振り返ったが、個人の意識次第で改善可能だとして前を向いた。


    新指揮官の下で変化

     今季初戦で昨季からの変化を感じさせるチームもあり、その一つが鹿島アントラーズとアウェイで対戦した清水エスパルスだ。

     前半は鹿島が優位に立ち、30分頃には決定機で清水ゴールを脅かしたが、今季加入した日本代表GK権田修一選手が好セーブを見せてFWエヴェラウド選手の強烈なヘディングを阻止。そのリバウンドに反応したMF土居聖真選手のシュートもポストを叩いた。

    その後、75分のCKに途中出場のMF荒木遼太郎選手がエヴェラウド選手のシュートの跳ね返りに反応して得点し、鹿島が先制したが、そこから清水が反撃に出た。

    鹿島の先制から3分にFWチアゴ・サンタナ選手がCKの流れから同点ゴールを決め、その5分後には大分から加入のFW後藤優介選手が途中出場で追加点をマーク。88分には左CKに合わせたDF原輝綺選手のシュートが相手に当たってゴールに吸い込まれた。10分で3得点を奪った清水は3-1の逆転勝利をつかみ、6シーズンぶりの開幕白星でのスタートを切った。

     昨季はリーグ最多70失点で18チーム中16位と低迷した清水だったが、今季から指揮を執るミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の下、1失点に抑える守備を見せて反撃につなげた。先発11人中7人が今季新加入というフレッシュな顔ぶれでの編成も、新たなスタートを切る上で効果的だった。

     ロティーナ監督が「失点後にすぐに追いつけたのが大きかった。相手にはショックだったはず」と言えば、サンタナ選手は「失点しても、自信を失わずに守備でやるべきことをやり続けたことで同点にできた」と胸を張った。

     鹿島のザーゴ監督は、昨季からの積み上げをプラス材料に挙げて好スタートを期していただけに、「集中力の低下で自分たちの試合を失った。1-0までは自分たちのゲームをやっていたがサッカーは90分のゲーム。ホームでこういうパフォーマンスは、優勝するためにもいただけない。集中力は改善しないとならない」と、おかんむりだった。


    取材・文:木ノ原句望