ダイワスカーレット「走れば風が駆け抜ける!快速の天才お嬢様」【もうひとつの最強馬伝説】
2024.11.9
ダイワスカーレット(c)SANKEI
走る気マンマンで気持ちが前向き過ぎる
GI4勝にして生涯連対率100%の名牝ダイワスカーレット。
同期のライバル・ウオッカとの激闘の記憶はいまだ鮮やかにファンの脳裏に焼きついているが、ライバル不在のエリザベス女王杯や2度目の有馬記念で見せたケレン味のない逃げによる勝利は、まさしく「世代最強女王」「快速ヒロイン」の名に恥じない堂々たるものだった。
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今回は同馬の不動の主戦・安藤勝己元騎手から聞いたお話を、選りすぐりの名馬36頭の素顔と強さの根源に迫った『もうひとつの最強馬伝説~関係者だけが知る名馬の素顔』(マイクロマガジン社)から一部抜粋してお届けする。
桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、有馬記念とGIを4勝した名牝ダイワスカーレット。牝馬ながら逃げ脚は強烈で、ウオッカとの名勝負となった天皇賞・秋を筆頭に、数多くの名勝負を繰り広げてきた。
通算12戦して8勝2着4回。全レースで連対を果たした名牝中の名牝について、全レースに騎乗した安藤勝己は、「勝ち気が強く、走る気が満々だった。レースも調教も抑えるのに苦労した。デビュー前から気が前向き過ぎて、短い距離の方が確実に乗りやすいと。強いのはわかっていたので距離と折り合いを重視、位置はどこでもいいのでとにかく我慢させたかった。残り1000メートルくらいになると馬が行く気になる。下げられる馬に育てたかったけど...」と振り返る。
2000メートルの新馬戦と1800メートルの中京2歳Sとも2番手からの競馬で連勝。安藤は、「レース途中で我慢できず上がっていった。調教に騎乗したユタカちゃんも短い方がいい、と言っていた」
3戦目は1600メートルのシンザン記念に出走し、アドマイヤオーラの2着。クラシックを目指す牝馬にしては珍しい距離短縮。
続くチューリップ賞でもハナを切り、後方から差してきたウオッカの2着に敗れた。だが、次走の桜花賞は安藤の手綱さばきが実に見事だった。
大外を引いた同馬は3番手につけて4コーナーを回ると、直線でウオッカとのマッチレース。長くいい脚を使い、ウオッカに抜かせなかった。
「瞬発力勝負では劣ると感じていたので、早めに動く競馬をしようと。ウオッカが後ろに来ているのも見えていた。勝った、と感じた直後にまたウオッカの頭が見えて。(ダイワは)いい脚を使ってくれた」
並ばれる前に早めに動いての持続力勝負。2頭の上がり3ハロンは33秒6と同タイム。1馬身半の差を保ったまま、安藤はダイワスカーレットを勝利に導いた。
その後、ダイワスカーレットは感冒でオークスを回避。対するウオッカは日本ダービーに出走して優勝。
秋華賞での直接対決はダイワスカーレットが勝利したが、続くエリザベス女王杯はウオッカが出走を取り消し。
ダイワスカーレットは前年の同レースで上位に入った5頭の古馬牝馬を一蹴したものの、「ウオッカがいたらわからなかったね」と、安藤はレース後に述べている。
■ダイワスカーレット プロフィール
生年月日:2004年5月13日生まれ
性別:牝馬
毛色:栗毛
父:アグネスタキオン
母:スカーレットブーケ(母父:ノーザンテースト)
調教師:松田国英
馬主:大城敬三
戦績:12戦8勝
主な勝ち鞍:桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、有馬記念
生産牧場:社台ファーム(千歳)
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