アパパネ「強い牝馬の時代を継承した三冠牝馬」【もうひとつの最強馬伝説】

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2025.12.13

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    第61回 阪神ジュベナイルフィリーズ 蛯名正義騎手騎乗のアパパネが優勝(c)SANKEI

    成長して体型も気性もどんどん変わっていった

    2009年7月にデビューし、2戦目の初勝利から3連勝で阪神ジュベナイルフィリーズを制したアパパネ。

    その翌年には牝馬三冠を達成。GⅠ通算5勝を挙げた女傑の素顔はどんなものだったのか?

    現役時代に同馬を管理した国枝栄調教師から聞いたお話を、選りすぐりの名馬36頭の素顔と強さの根源に迫った『もうひとつの最強馬伝説〜関係者だけが知る名馬の素顔』(マイクロマガジン社)から一部抜粋・編集してお届けする【文中敬称略】。

    ウオッカが牝馬として64年ぶりに日本ダービーを制した2007年。牝馬三冠馬となるアパパネは生を受けた。

    ウオッカは古馬になってからも、牡馬相手にGⅠを4勝し、同期のダイワスカーレットと共に、後の〝強い牝馬の時代〟の先鞭をつけた1頭だが、アパパネはその潮流の中で登場した「最初の三冠牝馬」ということになる。

    ただし、メジロラモーヌ、スティルインラブの先輩2頭とも、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、そしてリバティアイランドとも、少しタイプは違う。

    他の三冠牝馬たちは、〝牝馬特有〟とされる切れ味を武器としていたが、アパパネはデビュー当初から持続力のある末脚と勝負根性が武器のため、いまひとつ地味な印象が強い。

    それは単勝人気がハッキリ証明している。他の三冠牝馬たちは初戦から1番人気の支持を受けた馬が5頭。

    デアリングタクトは4戦目のオークス時が初の1番人気で、史上最少キャリアの3戦目で桜花賞を制した馬だから異例中の異例だが、アパパネが初めて1番人気になったのは、何と5戦目である。管理した国枝栄もアパパネの異質ぶりを、気性面も補足しながらこう語る。

    「最初の頃はコロンとした体型で、調教では動きも時計も目立たなかった。気性もうるさいところはなく、オットリしていたし。アーモンドアイも普段は大人しかったけど、ちょっと何かあったときはビックリするような暴れ方をした。でもアパパネはそんなところもなかったもの」

    また、2頭の三冠牝馬を育てた国枝ならではの興味深い話もある。

    「能力の絶対値だけをいうなら、それはアーモンドの方が上なんだよ。だけどアパパネはその時々で良くなっていった。体型だって古馬になってから逞しさを増して、使う脚も変わっていったよね。変わったといえば気性もそうで、次第に〝私が一番〟みたいな態度をとるようになっていったんだ。関西の競馬のときは栗東に入厩して使ってた頃だったけど、どっしりと構えるようになっていった。また面白いと思うのは、アパパネは子どもにもそうした性格の馬が多いこと。ウチに入ったモクレレとか、他厩舎に入った馬も、よく見ていると我が強い感じの馬が少なくないように思う」

    ■アパパネ プロフィール
    生年月日:2007年4月20日生まれ
    性別:牝馬
    毛色:鹿毛
    父:キングカメハメハ
    母:ソルティビッド(母父:ソルトレイク)
    調教師:国枝栄
    馬主:金子真人ホールディングス
    戦績:19戦7勝
    主な勝ち鞍:桜花賞、オークス、秋華賞、ヴィクトリアマイル、阪神ジュベナイルフィリーズ
    生産牧場:ノーザンファーム(安平)

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    もうひとつの最強馬伝説 ~関係者だけが知る名馬の素顔
    第2次競馬ブーム(1990年前後)の立役者・オグリキャップから世界最強馬イクイノックスまで、ターフを彩った名馬36頭をセレクト。強さや速さはもとより、その素顔はどんなものなのか?

    その馬をもっともよく知る関係者(調教師、厩務員、調教助手、騎手、牧場関係者など)への独自取材を敢行。今だから話せる裏話やエピソード、感動ストーリーも盛りだくさんで、名馬の本質を掘り下げていきます。


    編:マイクロマガジン引退馬取材班
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