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2020.02.25

伊藤美誠陣営「針の穴に糸を通すくらい」の勝機 張本智和とアベックV【卓球 ハンガリーOP】

伊藤美誠 PHOTO:@ITTFWorld

 先週末のブダペストを日本が席巻した。ITTFワールドツアー「ハンガリーオープン」<2月18~23日>の男子シングルスで張本智和(木下グループ・世界ランク5位)、女子シングルスで伊藤美誠(スターツ・同3位)が今季ツアー初優勝。女子ダブルスでは平野美宇(日本生命・ 同11位)/石川佳純(全農・同9位)ペアがツアー初優勝を挙げるなど、日本勢が3種目を制する活躍を見せた。

 世界最強の中国や韓国のトップ選手が不在の大会ではあったものの、欧州の強豪ドイツや台湾、香港といったライバルたちに勝って、確実に優勝をもぎ取ったことは、東京2020五輪に向けて明るい材料と言えるだろう。

 特に張本は準決勝で、東京2020五輪でも壁となるでだろうドイツのオフチャロフ(同10位)にストレート勝ちし、さらに決勝では宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園・同50位)との日本人10代対決をゲームカウント4-1で制して、先月の全日本選手権男子シングルス決勝で負けた雪辱を果たした。

伊藤美誠 PHOTO:@ITTFWorld

当時、宇田に負けた張本は、「自信が一気になくなった」とかなり気落ちしていただけに、今回のリベンジは嬉しかったようだ。ITTF(国際卓球連盟)の決勝後のインタビューにも、「1月の全日本(選手権)で負けてずっと悔しかったので、そのぶんリベンジしたいと思って、勝てて良かったです」と答えている。

 伊藤は台湾のエース・鄭怡静(同10位)とフルゲームの大接戦を制した。鄭と伊藤といえば、昨年12月のグランドファイナル女子シングルス1回戦でも対戦しており、フルゲーム12-10の大接戦の末、軍配は伊藤に上がっていた。

これまでの対戦成績は5勝2敗で伊藤に分がある。しかし、今大会では鄭の表ソフト対策とフットワークの良さに伊藤は手を焼いた。

「今回の鄭選手は仕上がりも良く、表ソフトラバーに対する対策が完璧に近かった。こちらには5%くらいの勝機しかなく、針に糸を通すくらい小さな穴を探して勝ちにいく感じだった」と言うのは伊藤陣営。伊藤本人も試合後、「すごく難しいところからの勝利」と話していたように、徹底的なロングサーブや深いフォアハンドドライブの強打などに伊藤は苦しめられた。

伊藤美誠 PHOTO:@ITTFWorld

特にゲームカウント2-1の伊藤リードで迎えた第4ゲームは、鄭のタイムアウト後、一方的なペースに持ち込まれ、第4、5ゲームも奪われて後がなくなった。しかし、終盤は持ち前のサーブ・レシーブや、この一年で飛躍的に伸びたブロック技術などで競り合いを乗り切り、相手の攻撃をしのいで勝ち切った。

 優勝インタビューで、「1本取ることで大きな展開が来たり自分の流れになったりして、最後は勝つことができました」と語った伊藤だが、その言葉の背景には"針の穴に糸を通す"ほど難しい戦いがあったのだ。

 日本女子のエース・伊藤が勝てば、ともに東京2020五輪を戦う平野/石川ペアも女子ダブルス優勝と最高の成績をもぎ取った。しかも、香港の強豪ペア・杜凱キン(同15位)/李皓晴(同41位)をストレートで破る圧勝だ。あとは中国人ペアに通じるかどうか。次戦ITTFワールドツアー・カタールオープン<3月3~8日/ドーハ>で真価が試される。

(文=高樹ミナ)



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