×

夢に見た金メダルに水谷隼「明日もそばにあれば嬉しい」

2021.07.27
SHARE
記事をシェア
2021.07.27

水谷隼・伊藤美誠 Photo by Steph Chambers/Getty Images

 日本卓球界の悲願がついに成就した。7月24日に行われた「東京オリンピック」卓球競技の混合ダブルス決勝。オリンピックでは今大会から採用されたこの新種目で水谷隼(木下グループ)/伊藤美誠(スターツ)ペアが、世界最強の中国が誇る許キン/劉詩ブンをフルゲームで撃破し金メダルを獲得した。

「打倒中国」を掲げ、その背中を追って追って追い続けて来た日本。追いつきそうになると離されるもどかしい歳月を超えて、ようやく登りつめた頂点だった。

これまで辿ってきた長い道のりを水谷は試合後の記者会見でこう語った。

「今まで世界卓球、そしてオリンピックでメダルをたくさん取ってきたんですけど、どれもが銀メダルや銅メダルで、日の丸をてっぺんに上げることができなくて。今日、日本の国旗が一番上に上がって君が代を聴けてるときは本当にアスリートとして誇りに思いましたし、最高の瞬間です」

 水谷は世界卓球の男子ダブルスで銅メダル2個、団体で銀メダル1個と銅メダル4個を保持する。またオリンピックにおいては、2016年のリオ大会で男子シングルス銅メダルと男子団体銀メダルを手にし日本中を沸かせた。この水谷が持ち帰ったシングルスのメダルは男女を通じ、日本にとって初の快挙だった。
 
それが今回は母国開催のオリンピックで混合ダブルス初代金メダリストになったのだ。大会前、「混合ダブルスでは金メダルの可能性が高いと思っている。自分が到達していない場所でもあるので金メダルを獲得した景色が見たい」と語っていたが、まさに有言実行。オリンピックの大舞台でまたとんでもない偉業をやって退けた。

「昔も今も本当に中国という壁は多分、皆さんが思っているよりも高くて、今まで越えることができなかったし、これから先もずっとずっとものすごく高いと思っています。そんな中で今回は少し活路を見出せた。やはりオリンピックという特別な舞台では中国選手も同じ人間だというのを感じました」

 中国に風穴を開けられたのは、伊藤美誠という最高のパートナーと最高のタイミングでペアを組めた幸運もあった。伊藤は男子でも受けるのが難しい許キンの、ペンホルダー独特の軌道を描くボールに対し一切ひるむことなく、それどころかラリーで打ち負かす場面が多々あった。

「許キン選手のボールを回り込んで打ったりする場面も何度かあって、決まったときにはすごく気持ち良くて。許キン選手のボールに私自身が対応できたことによって、どんどん流れは変わっていきました」

 満ち足りた表情で話す伊藤のことを許キンはこう評す。

「女性選手の中でも世界一流です。試合が進むに連れて私のボールに慣れていきました。相手が男子選手でも全く恐れない彼女はとても勇敢です」

 水谷と伊藤が手にしたオリンピックの金メダルとは、どれほどの重みなのだろう? それは水谷のこの言葉が教えてくれる。

「茫然自失という言葉が似合うかもしれない。本当に夢の世界にいるようです。明日起きたときに、まだそばに金メダルがあれば嬉しい」

 光り輝く金色のメダルは今朝も2人のそばで歴史的快挙を称えてくれたに違いない。


(文=高樹ミナ)


GettyImages-1330750285.jpg

3人で抱き合う 水谷隼・伊藤美誠・田勢邦史コーチ Photo by Ezra Shaw/Getty Images

GettyImages-1330724337.jpg

水谷隼・伊藤美誠 Photo by Steph Chambers/Getty Images

drow_r16_xd_f.jpg

混合ダブルスドロー

東京2020 卓球競技 各種目日程

■東京2020 出場チーム・出場選手・ドロー

SHARE

このページを友達にシェアしよう!