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2012年5月31日 放送
安さと高機能を両立させろ

- AOKIホールディングス 会長 青木 擴憲(あおき ひろのり)
ビジネスマンが定年までスーツを着ている時間は、約9万時間。
ある調査では、1着の購入金額は3万円未満が一番多く、6割の人が紳士服量販店で購入している。
「閉店・改装セール」「2着目1000円」など独自の販売方法で1980年代に登場した郊外型紳士服量販店。すでに経営は創業者から2代目、息子たちへと引き継がれている業界にあって、唯一現役で戦い続けているのが紳士服のAOKIの創業者であり、AOKIホールディングス、会長の青木擴憲氏だ。業界2位ながら、質にこだわり、世界初「形状記憶スーツ(現、形態安定スーツ)」や快適性を数値化した立体縫製のスーツなど、安さだけではない機能性を追求してきた。
長引く消費低迷と団塊世代の大量退職で縮小する紳士服市場。ピーク時には8000億円あった市場もいまでは3000億円を下回る。
その厳しい市場でAOKIは前期(2012年度3月期)最高益をたたき出した。
縮小する市場で生き残りをかけたサバイバル合戦と、紳士服業界、驚きのカラクリを紹介する。
社長の金言
- スーツは究極の服だTweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
紳士服量販店「価格のカラクリ」
なぜ「2着目が1000円」で売れるのか “紳士服量販店”だからできる驚きの秘密に迫る!
安くても高品質の秘密
年間190万着を販売するAOKI 糸から開発し、徹底した品質管理をする工場に潜入! そこで作られるのは、“高機能スーツ”だ。 「伸びるスーツ」に「洗濯機で丸洗い出来るスーツ」 開発の裏には、日本で繊維研究を行う、唯一の大学信州大学との産学協同にあった。 繊維の達人の開発シーンに密着!
ロードサイドを捨てろ!
自動車に乗らなくなった若者たち。定年でスーツを脱ぐシニアたち。 新たな顧客を獲得する新店舗戦略とは?
ゲストプロフィール
青木 擴憲
- 1938年長野生まれ
高校卒業後、父親の借金返済のために行商 - 1965年長野県篠ノ井駅前に「洋服の青木」を開店
- 1971年長野駅前に開いた店が大当たり
- 1986年横浜港北総本店開店
- 1991年東証1部上場
- 1998年結婚式場「アニヴェルセル表参道」オープン
遊休スペースを利用してカラオケ店をオープン - 2010年AOKI-HD会長就任
- 2012年営業利益が過去最高に
企業プロフィール

メジャー企業を一から作り上げた創業者は、必ず波瀾万丈の「物語」を持つ。 その物語の序章には、常に「家族」という登場人物がいて、非常に重要なことを、「教える」のではなく、日々の暮らしの中で未来の経営者に刻みこむ。とてもシンプルなことだ。 「世のため人のために尽くせ、儲けはあとで付いてくる」 青木さんは、「着たきり雀」の若者たちに日替わりでスーツを着てもらいたいと、織物屋との交渉からはじめ、あらゆるアイデアを駆使して、それを実現した。スーツは、エリートのものではなく、ごく普通のサラリーマンのものになった。そして「人生を幸福に彩る」というメインテーマを持つ青木さんの「物語」は、今も終わっていない。