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2017年1月19日 放送
「築地市場をすっ飛ばす!」
超速で三方よし!鮮魚流通革命

- 羽田市場 代表 野本 良平(のもと りょうへい)
東京近郊の行列のできる回転寿司店。ある日の目玉は、「産地直送」獲れたばかり宮崎県産のマダイ。客がこぞって手に取った。「新鮮で身が締まっていておいしい!」。銀座の鮮魚居酒屋ではその日の朝、北海道・紋別で獲れたばかりのカレイが刺身に...。客は「とろける~」。カレイは、いわゆる「足の速い魚」で、刺身で食べるなど今までは地元以外ではなかなか実現不可能だった。それを可能にしたのが、羽田市場。大田区にあるスーパーマーケットの魚売り場でも羽田市場の鮮魚は人気の的。あの巨大な築地市場を通さない、新たな鮮魚流通革命の全貌に迫る。
社長の金言
- 最大ニーズに応えるのが商売のあるべき姿Tweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
羽田空港にサカナ市場?
羽田市場は、あの羽田空港の中に文字通り“市場”を作ってしまったもの。通常、東京で出回る魚は築地市場経由で入って来る。この巨大な築地市場を、羽田市場は、なんとすっ飛ばしているのだ。鮮魚の流通はコストを勘案して全国どこもほぼトラックの陸送と決まっているのだが、羽田市場は、その常識を打ち破り“空輸”。このことにより水揚げから輸送にかかる所要時間は最短で6時間に短縮。まさに前代未聞のスピードだ。そして流通の過程で介在していた中間業者を排することにより、漁師の取り分が増え、さらに通常、消費者のもとに届くまで3日から4日要していた時間を、その日のうちに消費者に届ける画期的なシステムを構築した。これにより、漁師・店舗・消費者にメリットのある“三方よし”を実現するのだという。代表の野本の、業界の常識を打ち破る、彼にしかできない“超速”鮮魚流通の実現までのドラマと、行政をも動かした秘密に迫る。
銀座にもオープン!“築地”の脅威となるか?
創業からわずか3年。300軒以上の漁師と直接契約し、200種類の魚を4000店舗の小売・飲食店に日々鮮魚を送り届けている。2017年1月、野本の仕掛ける新しい魚屋とは、築地が閉まる午前11時頃から、全国各地の漁港からその日にあがった“朝どれ鮮魚”を店に並べ、開店から午後3時まではイワシ一尾からでも買える料飲食店専門の魚屋。それ以降は一般の客にも販売するという直営店舗。場所は、築地市場の目と鼻の先の銀座。やってきた客は、銀座の名だたる寿司店の主人たち。その日、北海道産のボタンエビを買い付けた創業90年の玉寿司の社長に密着。早速その日のうちに店で供し、果たして常連客の反応はいかに。日本の食の中心地、銀座のプロの目から見た“超速鮮魚”の評価はいかに?
ゲストプロフィール
野本 良平
- 1965年11月23日生まれ千葉県出身 51歳
高校卒業後、実家の業務用食材卸会社に入社 - 2006年回転ずしチェーン銚子丸入社、居酒屋チェーン、飲食
小売企業にて役員を経験 - 2008年APカンパニー入社、四八漁場を立ち上げ副社長就任
- 2013年柿安本店に入社後、1年で退社
- 2014年10月CSN地方創生ネットワークを設立
企業プロフィール
- 2014年10月野本氏がCSN地方創生ネットワークを立ち上げ
- 2015年
9月羽田空港内に鮮魚センターを開設、本格稼働 紋別鮮魚センター開設、稼働 - 2016年12月銀座に直営市場開設予定

羽田市場の流通システム、野本さんの、シンプルかつ正統な考え方と行動が不可能を可能にした。1年の3分の1、漁師さんの船に乗る。現場から学び、同時に知識を現場に伝える、そのやりとりが、流通システムに反映されている。だから他社がシステムだけを真似しようとしても、できない。高卒後、お金も目標もモチベーションもなかったフリーターの青年が、明確なターゲットを得て、強さを発揮し続けている。燃料満タンで、ほとんど走っていない車のようなものだ。野本さんは、いつか必ず百機の飛行機の便を確保するだろう。