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2017年5月18日 放送
オシャレなのに格安!大人気イケアの秘密

- イケア・ジャパン 代表取締役社長 ヘレン・フォン・ライス
1943年の創業、現在世界28カ国に展開し、年間4兆円を誇る世界最大の家具チェーン、イケア。国内では8店舗を展開、1店舗あたりの売り上げは他社の10倍と驚異の快進撃を遂げている。その成長の裏には「低価格」と「デザイン性」のある商品作りだけでなく、実際の家庭を訪問し、住宅問題やニーズをリサーチするなど、徹底した日本攻略法があった。その戦略とは。巨大家具チェーンの全貌に迫る!
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
イケア人気の秘密
イケアの1店舗あたりの敷地面積は東京ドームとほぼ同じ。家具だけでなく、ソフトクリームやホットドッグが驚きの安さで売られている。さらに本格的なスウェーデン料理を堪能することができるレストランも人気を博している。家具はアイテムごとに並べて展示するのが一般的だが、イケアではリビングやダイニングなど実際の生活空間を再現したルームセットが展示されている。そこには、低価格で高いデザイン性と機能性のある商品が並ぶ。低価格を実現しているセルフサービスエリアは、客が自分で商品をピックアップし、レジまで運ぶ。人件費をカットし、商品価格に反映しているのだ。そんなイケア・ジャパンの社長、ヘレン・フォン・ライスは、新たなビジネスにも取り組んでいる。京都のお寺では、境内の一室をイケアの家具でカフェに変身させる。日本人の生活に溶け込むイケアの地域戦略に迫る。
40年続くロングセラー商品
イケアのルーツはスウェーデン南部のエルムフルト。1943年、イングヴァル・カンプラードにより創業。イケアの歴史の中で、40年以上販売を続けているロングセラーの商品のアームチェア「ポエング」は、耐久テストを630万回もクリアするほどの強い構造を持ち、10年間の品質保証もついていながら低価格を実現。これをデザインをしたのは、日本人デザイナーの中村昇さん。創業者にコスト意識を叩き込まれ、「優れたデザイン」「低価格」を備えたものだけが商品化することができると語る。
北欧流!人を大切にする経営
イケアは、2014年にすべての従業員を正社員化し、短時間正社員制度という新たな制度を設けた。船橋にある店舗には、託児所があり、さらに、充実した社員食堂など、社会保険や福利厚生に特に注力している。大切な戦力である子育てママを支援し、仕事と家庭を両立できる環境づくりを整えている。
ゲストプロフィール
ヘレン・フォン・ライス
- 1969年スウェーデン南部の都市マルメ出身
ルンド大学入学後、イケアの販売スタッフとしてアルバイトを経験 - 1998年イケアのカタログを発行するイケア・コミュニケーションに入社
- 2011年中国の深圳の店長に就任
- 2013年アメリカ法人の副社長を務める
- 2016年8月より現職
企業プロフィール
- 本社:千葉県船橋市浜町2-3-30
- 設立:2002年7月
- 従業員数:約2700人
- 店舗数:8店舗

イケアは、グローバルな巨大企業であり、全世界ほぼ共通の広大な店舗を持つ。市場に合わせるのではなく、市場をイケアカラーに染めてしまう。従業員は、個性と自立を要求されるが、理念と価値観を共有する。ファクターが多く全貌が見えにくい。だが、原風景がある。創業者は、スウェーデンの荒涼とした土地で、「より快適な毎日を、より多くの方々に」という理念とともに、ビジネスをはじめた。その理念を守るために、イケアはあらゆる資源を投入し、結果として利益を確保し、真の経済合理性とは何かを、世界に向かって問い続ける。