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2017年6月29日 放送
"ふるさと納税"ブームの仕掛人が登場!
地方創生を図るITベンチャーの戦略と展望

- トラストバンク 社長 須永 珠代(すなが たまよ)
2008年にスタートし、10年目を迎える「ふるさと納税」。好きな地域に寄付すると、税金を控除されたり、寄付をした地域からお礼の品が届くお得な制度として注目を浴びている。実質2000円の負担で、肉や米などの食料品をはじめ、旅館の宿泊券や家電製品をもらえるとあって、利用者は急増中。このブームの仕掛人が「ふるさと納税」の寄付を簡単にできるサイト「ふるさとチョイス」を運営する須永珠代社長だ。 一方、「ふるさと納税」は、寄付金集めの"返礼品競争"の過熱ぶりに総務省の見直し通達がでるなど問題も表面化している。今回は、何かと話題の「ふるさと納税」の展望と課題に迫る。
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
利用者も、地域も潤う「ふるさと納税」とは・・・
利用者が急増し、ブームに沸く「ふるさと納税」。寄付した地域の返礼品をもらえる利用者だけではなく、地方の生産者や自治体もともに潤っている。ふるさと納税のお礼の品は、全国各地から選りすぐりの特産品が並ぶ。返礼品の魅力や制度の見直しもあって、寄付金は急激に増加。その火付け役は、須永が率いるトラストバンク。実に全国の寄付額の6~7割が、トラストバンクのウェブサイトを経由している。長崎県平戸市は、ブランド牛や豊富な魚介類、さらに新種の柑橘類をふるさと納税の返礼品に据え、2014年度には「ふるさと納税」寄付額が日本一になった。その最前線を追った。
派遣社員から、ITの社長へ。地方創生のキーパーソン
トラストバンクの社長、須永は、群馬県伊勢崎市生まれ。東京の大学を卒業後、地元群馬の自動車ディーラーに勤務するも1年で退職。その後、派遣社員やアルバイトで職を転々としてきた。起業のきっかけは、群馬に帰省した際、通販で家電を購入した時の父親の一言だった。「それで地元群馬にお金が落ちない」。須永は安さや効率ではなく、地元にお金を回す必要性を感じた。そして、50万円の資金を元にトラストバンクを創業。波乱万丈の須永の半生と、トラストバンクが地方の課題にどう向き合っているかを取材した。
「ふるさと納税」ブームの行方は・・・
過熱化する「ふるさと納税」。自治体では、「ふるさと納税」が終了したらどうなるか・・・不安の声も上がり始めていた。さらに、“富裕層に有利だ”という批判もある。そこで年間3000万円も寄付する高額納税者に直撃取材を敢行した!
ゲストプロフィール
須永 珠代
- 1973年群馬県伊勢崎市生まれ
- 東京の大学を卒業後、群馬の自動車ディーラーに就職
以後、派遣社員やITベンチャー企業に勤務 - 2012年トラストバンクを起業、社長就任
企業プロフィール
- 本 社 東京都目黒区
- 流通寄付総額 1900億円(推定)
- 従業員数 70人

「ふるさと納税」というシステムが、今後も長期的に続くのか、わたしにはわからない。だが、「ふるさとチョイス」は、圧倒的な情報量、ページデザイン、親切なアップデートなど、サイトとして、驚くほどよくできている。たとえ「ふるさと納税」に何らかの変化が訪れても、「ふるさとチョイス」の貴重なネットワークは機能し続ける気がする。ネットワークは、交通網と同じで、時代状況の変化にも対応できる。「ふるさとチョイス」というウェブサイトが生まれたこと、それは「ふるさと納税」が果たした大きな貢献の一つかもしれない。