バックナンバー
2020年6月4日 放送
従業員600人の解雇は「英断」だったのか?
新型コロナに翻弄されたタクシー会社を独占密着!

- ロイヤルリムジン 社長 金子 健作(かねこ けんさく)
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本のみならず世界中の企業が倒産の危機に瀕している。日本のアパレル大手「レナウン」、米国のレンタカー大手「ハーツ」、豪州の航空大手「ヴァージン・オーストラリア」が次々と経営破綻し、今後もコロナ倒産の連鎖が危惧されている。そんな中、"従業員600人の一斉解雇"という決断で注目を集めたのが、東京に本社を構えるタクシー会社の「ロイヤルリムジン」だ。世論を二分し、賛否両論が巻き起こった大量解雇問題。カンブリア宮殿は、コロナ禍に翻弄された渦中の男を、2ヵ月に及び密着!騒動の真相を徹底取材した!
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
「従業員の命のために・・・」渦中の男が本音を激白
世界を襲ったコロナショックが、日本経済にも大きな影を落としている。そんな中、ある男の決断が世間の注目を集めた。それこそ…4月上旬に各メディアで報道された「従業員600人の一斉解雇」騒動だ。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で、タクシー事業を展開するロイヤルリムジンの業績が急速に悪化。業務の継続は難しいと判断し、従業員600人を一斉解雇すると発表した。社長の金子がこう決断した背景には、タクシー業界独自の給与体系が影響しているという。実は、タクシー業界の給与は“歩合制”が一般的で、毎月の給与は変動が大きくなる。仮に、新型コロナに感染するリスクを負いながら営業を続けても、外出自粛の影響で売り上げは期待できず、乗務員がもらえる給与は雀の涙ほどになるという。一方、解雇された場合に受け取れる“失業手当”の場合、売り上げの良かった昨年末の給与を含めた、直近半年間の給与を元に支給額が算出されるため、結果的に、乗務員が受け取る金額は多くなるのだ。金子は、それを計算し、あえて解雇を決断したという。こうした金子の決断は一時ネットを中心に「英断だ」と評価されたが、その後、異論が続出。「高齢者は失業手当を十分に受け取れない」「制度を悪用した不正受給だ」などの批判的が相次いだ。カンブリア宮殿は、従業員へ解雇を伝えた日から、2ヵ月に及ぶ独占取材を敢行。金子が下した「解雇」という決断が正しかったのか?その真相に迫った。
営業再開に向けてアクセル全開!ロイヤルリムジンは復活できるか?
ロイヤルリムジンの「全員解雇」に反発する従業員たちの声は日増しに大きくなり、組合との団体交渉に発展していった。混迷を極める交渉が続く中、ロイヤルリムジンにタクシー大手4社のひとつ大和自動車交通から「大和のフランチャイズとして営業を続けないか」という提案が舞い込んだ。従業員の中にも「営業を続けたい」と賛同する社員も現れ、営業再開に向けた動きが、にわかに動き出す。しかし、一度解雇したドライバーの確保や資金調達など、再開には高いハードルも…営業再開に向けてハンドルを切ったロイヤルリムジン。復活に向けた取り組みを独占密着する!
ゲストプロフィール
金子 健作
- 1975年神戸市生まれ
- 2001年アイビーアイ(不動産業)を創業
- 2008年ロイヤルリムジンを創業
企業プロフィール
- 本 社:東京都江東区亀戸7-24-1
- 創 業:2008年
- 保有台数:347台(グループ全体)
- 元従業員:約700人(グループ全体)

600人の解雇は、最初は好意的に迎えられた。英断だと。だが、やがて解雇されたくない人が現れて、バッシングに変わった。急いでいたのだろうが、600人を一律に扱ったことが最大の問題ではないか。人は、ひとりひとり違う。そのことをわかっていなかったと言われてもしょうがない。だが、論議を生んだのは金子氏の「功績」である。全体の物語として悲しいのは、コンビニの夜食が似合うオフィスのせいではない。いつものカンブリア宮殿が特別で、今の日本の現実はこちらだとわたしたちは知っているからだ。