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2020年10月22日 放送
新型コロナでフル稼働 "消毒"で世界を救え!
ヤシノミ洗剤の会社が大活躍の秘密

- サラヤ 社長 更家 悠介(さらや ゆうすけ)
日本初の薬用石鹸液や植物由来の「ヤシノミ洗剤」など、創業以来"環境衛生"にこだわった商品作りで成長してきたサラヤが、コロナ禍で大躍進を遂げている。高品質の手指アルコール消毒液は、病院や学校、飲食店など多くの施設で使われ、供給が追いつかないほど。その裏には、本物の新型コロナウイルスを使った研究開発や、衛生インストラクターによるサポートなど他にない取り組みがあった。世界の危機に"消毒"で立ち向かう、サラヤの挑戦に迫る!
社長の金言
- 社会問題を解決する ビジネスは伸びるTweet
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
需要7倍!逼迫する現場に消毒液を届けろ!サラヤの奮闘
新型コロナの感染拡大で生産量が去年の7倍にまで激増したアルコール消毒液。都内の保育園では園児の外遊びには必ず消毒液を携帯し、高齢者施設では手をかざすと自動で消毒液を噴霧するマシンを導入するなど、日本中で引っ張りだことなっている。そんな手指用消毒液で高いシェアを誇るのが、「ヤシノミ洗剤」で知られるサラヤ。2月から工場を24時間フル稼働し、生産量を2.5倍に引き上げることで、逼迫する医療現場を中心にアルコール消毒液を供給し続けている。特にプロの現場でサラヤの消毒液が選ばれる理由が、他にない商品作りにある。大学とタッグを組み、本物の新型コロナウイルスの病原体を使って消毒効果を検証する一方、高い殺菌力でも手荒れしにくい独自の消毒液を作り出すなど、同じように見える消毒液の性能にこだわり抜いているのだ。さらに約100人の消毒のエキスパート「衛生インストラクター」が使用現場を訪問し、感染対策の徹底指導まで行っている。今やサラヤの消毒液は世界中に広がり、アフリカ・ウガンダの病院でも、欠かせない存在になっている。そのコロナとの戦いに密着する。
ビジネスは環境問題の解決にあり!創業以来の商品作り
サラヤは1952年、更家社長の父・章太が創業した。最初のヒットは、緑の液体石鹸をボトルに入れて水道脇に取り付けた、今や誰もが知る商品。赤痢が流行した時、手洗いと同時に殺菌・消毒ができようにと開発した。その後、大気汚染が問題になると世界初の「自動うがい器」を開発してヒットさせるなど、衛生分野を中心にユニークなアイデアで拡大してきた。他にない良質な商品作りは、今も受け継がれている。
マスクを洗っても匂わない無香料の洗たく洗剤や、口に入れても害のない酵母から作られる食器用洗剤など、ウィズコロナで活躍する新商品も次々と開発。ここ6年で売上を1.5倍に伸ばし年商500億円を突破した。さらにインドネシアでは自然環境を守る活動を行い、商品の売上の一部を寄付するなど、今話題の「SDGs」にも積極的に取り組む。「ビジネスと社会貢献は表裏一体」という信念のもと、創業以来走り続けてきた。
"在宅太り"に大人気!砂糖を使わない斬新レストラン
在宅時間が長くなり"在宅太り"に悩む女性たちに人気を呼ぶのが、2年前にサラヤがオープンした糖類ゼロの甘味料「ラカント」を使ったレストラン。提供する全てのメニューで砂糖を使用せず、糖尿病患者向けに販売してきた「ラカント」で味付け。人気の「ロカボコース」では、5品のコース料理にもかかわらず糖質がコンビニのおにぎり1個分という驚きの低糖質を実現している。コロナを期に、サラヤは健康ビジネスの分野でも快進撃を続けている。
ゲストプロフィール
更家 悠介
- 1951年三重県熊野市生まれ
- 1974年大阪大学工学部卒業
- 1976年サラヤ入社、取締役工場長就任
- 1998年社長就任
企業プロフィール
- 本 社:大阪市東住吉区湯里2-2-8
- 設 立:1952年
- 年 商:501億円(2019年10月期)
- 従業員:1049人(2020年8月末)

「もっと儲けてください、更家さんにそう言った。サラヤが利益を上げれば、多くの企業や個人への何よりの啓蒙となる」。前回の編集後記だ。サラヤは、売り上げを1.5倍に増やした。私のリクエストも多少影響したのかも知れないが、ビジネスが時代状況を見事に捉え続けたのだと思う。国連の「持続可能な開発目標」を重視した経営の先駆者であり、新型コロナにおいては、マスクやハンドソープやアルコール除菌スプレーの製造販売など、渦中にいた。熊野川の清流がビジネスのベースにある。清流は途絶えず、とうとうと流れ続ける。