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2022年9月1日 放送
スーパーでは買えない!
激レア&美味なお菓子ベンチャー

- スナックミー 社長 服部 慎太郎(はっとり しんたろう)
ここ数年、成長し続けるサブスク(サブスクリプションサービス)市場。サブスクとは利用期間に対価を払う定額制のサービスだが、今や雑誌、音楽・動画配信だけでなく、ファッションや食品、自動車、住居などサブスクに参入する業界も多岐にわたる。その国内市場は今年度1兆円を超えるという試算もある。そんな中、おやつ"サブスクを展開する「スナックミー」が好調だ。2016年のサービス開始以来、登録者数は月平均で5%増と安定して伸び、利用者は15万人ほど。その強さは小さな菓子メーカーと強力なタッグを組み、客を飽きさせない商品開発力にある。スナックミーのおかげで、廃業の危機から復活を果たした地方メーカーもある。自らも成長し、地方のメーカーも潤う、スナックミーのウィンウィン経営術に迫る。
放送内容詳細
“お菓子”のサブスク、支持を得るその理由は…
定期ユーザーには2週間あるいは4週間に1度、1箱2210円(送料込み)で、A4サイズの箱に自分好みのおやつが届く。人気の理由の一つが白砂糖や乳化剤など人工添加物を使わない健康志向の商品作り。素材本来の自然な甘みを活かした商品は、ユーザーから大きな支持を得ている。さらにユーザーが飽きないような仕組みがある。それが「おやつ診断」だ。独自開発したアルゴリズム(AI)が各ユーザーに届けるお菓子を選定、食べた後に評価をフィードバックすれば、さらに自分好みのものが送られて来る仕組み。つまり、使えば使うほどユーザー好みになり、アップデートされていくのだ。
IT企業の強さの秘密は、アナログな仕事の仕方にあった
今春、東京・清澄白河にスナックミーの実店舗をオープンした。コンビニやスーパーで手に入らないレアなお菓子を直接買うことができ、客にとってはサブスクの商品を試し買いできる貴重な場にもなっている。この実店舗、ユーザーへの電話インタビューがきっかけに始まった。スナックミーはAIを駆使した時代の先端を行くIT企業であるが、意外にも、仕事の進め方はアナログな部分が多い。スタッフが足を使ってパートナーを探したりと、地道な作業の連続だという。社長の服部も創業以来、自らユーザー(客)に電話をかけ、様々な要望やクレームを直接聞いて、商品開発やサービスに生かしている。スナックミーを支えるのは客の声だけでなく、タッグを組んだ菓子メーカーの存在も大きい。スナックミーと協力関係を築くことで、売り上げをV字回復させたメーカーもある。スナックミーは地方メーカーとウィンウィンの関係を築く、懸け橋的な役割も担っているのだ。
ゲストプロフィール
服部 慎太郎
- 1981年生まれ(慶応義塾大学大学院卒業)
- 日本総合研究所、ディー・エヌ・エーを経て2015年9月に独立し、株式会社スナックミーを設立
企業プロフィール
- 本 社:東京都中央区
- 菓子類の企画・製造・販売
- 売上高:非公開(年5~10%成長)
- 従業員数:90人(アルバイト含む)

服部さんは、ハードワークで有名なコンサル会社に入り、まともな食事ができなかった。せんべいなどで我慢しているうちに、子どものころ楽しみだったおやつを思い出し、会社を作った。だから徹底している。客への電話インタビュー、アナログの極致、創業時から続けている。わたしははじめてD2C、つまり「直接消費者へ」というビジネスを知った。間にあるものは全部中抜き。革命的だ。ただスナックミーは単なるD2Cではない。サービスを作り込まない。徹底的に、改善していく。