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2026年8月14日 放送 第1229回
野菜価格を守る"ゼロ℃保存"~猛暑・災害に挑む最新冷蔵技術~
40℃を超える酷暑が日本各地を襲い、最盛期を迎えたトマトやキュウリなどの夏野菜に影響を及ぼしている。不作となれば農家は収入減を失う一方、野菜価格は高騰。物価高に苦しむ消費者の家計にも追い打ちをかけることに。そんな中、野菜を新鮮なまま長期保存をする新たな冷蔵技術が生まれていた。その名は「ゼロコ」。保管庫内の温度を約0℃、湿度を100%近くに保つことで、野菜や果物が最大1年もの間、取れたてに近いで状態で保存できるというのだ。収穫期に、取れすぎたら廃棄し、価格を調整してきた日本の農業。ゼロコを活用して、最盛期に大量の野菜を保存し、不作時や災害時に販売することで、供給量を調整し、販売価格と農家の収入の安定を実現しようと奮闘する人たちを追った。そんななか7月28日、巨大なゼロコを設置したばかりの熊本県で震度7の地震が発生。ゼロコで農家や消費者を救うことはできるのか、その真価が問われることに。食の未来を変える"農業革命"の全貌に迫る。
内容詳細
連日の40℃超え…“高温障害”で農家の危機
7月中旬に3日連続で40℃を超える酷暑日を記録した岐阜県多治見市。ここで農園を営む農家を訪ねた。この時期はトマトやキュウリといった夏野菜が収穫のピークを迎えるはずなのだが、畑を見ると小ぶりなものや、変形したものが多い。「暑すぎて生育できない」。実は、気温が高くなりすぎると光合成が止まったり、実に蓄えるはずの糖分を消費してしまったりするため、良い野菜が育たないのだという。スーパーを訪ねてみると、一部の野菜はすでに高値に。担当者は「夏野菜の値段が一気に上がった。利益を削っている状況」と嘆く。
1年前のナシが“もぎたての味”!野菜を長期保存する新技術「ゼロコ」とは?
価格変動の激しい野菜の流通に革命をもたらそうとする企業が、渋谷区にある「ZEROCO」だ。社長の楠本修二郎さんは「雪室を使って野菜を熟成保存する技術にヒントを得た」と言う。ゼロコの技術は、倉庫内を約0℃、湿度100%近くに保つというもの。通常、食品を冷凍すると、水分が凍るときに膨張し、細胞膜や繊維を傷つけてしまい、味や風味が失われてしまう。しかし、ゼロコは0度に保つため細胞を壊すことなく、しかも高い湿度により乾燥も防げるため、長期間鮮度を保つことが可能だ。倉庫の中には1年近く前に収穫したナシや、1カ月以上前に取れたレタスなどが並ぶ。どれもシャキシャキとした食感まで保たれている。「異常気象で価格が乱高下する野菜を保存できるようになれば、生産者は安定収入を得られ、消費者も1年を通しておいしくて手頃な野菜を食べられる」と楠本さんはゼロコの普及に力を入れる。
日本の農業を守れ!「ZEROCO」青果を輸出産業に
すでに全国各地の市場や自治体に導入され始めているゼロコの冷蔵倉庫。今年5月に新たに導入しようとしていたのが、熊本県熊本市内にある植木青果市場だ。九州中から野菜や果物が集まり、取扱高は県内でも屈指。そんな市場に導入するのが、過去最大約460坪の大型ゼロコだ。ZEROCOの楠本社長は「九州中のおいしいものをゼロコで保存し世界に届ける新たなビジネスモデルをつくりたい」と息巻く。
“豊作貧乏”“4割廃棄”…生産者を救う農業革命
そんな思いを託されたのが、ZEROCOで九州地区の営業を担当する飯島智嗣さん。県内外の農家を巡り、植木青果市場のゼロコの活用を訴えている。そこで見たのは、苦しい農家の実情。宮崎県のキュウリ農家は「豊作で流通量が増えると値段が下がる“豊作貧乏”」となっていると嘆き、熊本県内のサンチュ農家は「欠品できないから作り続けるが、注文が安定しないから、収穫した4割近くを捨てている」のだという。飯島さんは、こうした声を受け、ゼロコで長期保存しながら必要な時に出荷できる状況をつくろうと奔走を続けた結果、5月中旬の植木青果市場の大型ゼロコの竣工式には県外からも野菜が集まっていた。
熊本で震度7…災害から農家と野菜を守る
しかし7月28日、熊本県を最大震度7の巨大地震が襲った。翌日、ガイアのカメラが現地を訪れると、新設の保管庫は無事だったが、揺れの激しかった地域の農家には大きな被害が。さらに、スーパーや飲食店の営業がストップしたため、大量の返品やキャンセルを受け入れざるを得ない状況に。飯島さんのもとには、ゼロコでの長期保存を求める農家から、ひっきりなしにSOSの電話がかかってきていた。被災地に入ったZEROCOの楠本社長は「災害時こそゼロコの真価が発揮される」と、周辺農家からの野菜を植木青果市場の保管庫で受け入れることを決断する。果たして、震災から農家を救うことはできるのか?
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2025年4月28日










