自然遺産や文化遺産などを合わせて現在登録されている世界遺産は1273件(2026年7月現在)。7月に登録された「飛鳥・藤原の宮都」は石舞台古墳や飛鳥宮跡、藤原宮跡など、古代日本で中央集権国家が誕生し、成立していく過程を伝える遺跡群だ。2006年に奈良県と橿原市、桜井市、明日香村が共同で名乗りを上げ、ユネスコの調査などを経て、悲願の登録となった。特に、明日香村は人口5000人足らずの過疎化が進む小さな村。登録をきっかけに村が目指す姿とは!?
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2026年10月23日(金)放送 第1239回
世界遺産、その先に...~人と技術で未来へつなぐ~
今年7月、「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産に登録された。およそ20年にわたる悲願が実り、地元は歓喜に沸いた。日本では27番目の登録となったが、自治体や住民はなぜ世界遺産にこだわり、何に期待してきたのか。世界遺産は登録されれば終わりではない。建物や景観を守り、その価値を伝え続けるには、人も技術も資金も必要となる。2015年に登録された長崎県の「軍艦島」では、風雨による劣化が進み、鉄筋コンクリートの建造物が崩落の危機を迎えている。その景観を守ろうと、新たな試みが始まった。世界遺産の登録に向け、国の推薦が内定した「彦根城」では、城郭都市を未来へ残すため伝統木造建築の棟梁が立ち上がった。技術を若い世代に残すことができるのか。世界遺産という「称号」の先に、何を残すのか。それを誰が守り、誰に手渡すのか。文化財を守る現場から、「世界遺産」のあり方を問う。
内容詳細
村の悲願!飛鳥・藤原の宮都が登録…その先に
崩れゆく建造物…‟軍艦島の景観”をどう守る!?
長崎港の沖合に浮かぶ端島、通称・軍艦島。2015年、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界文化遺産に登録された。しかし登録から11年、島の建物は潮風や雨にさらされ、鉄筋コンクリートの劣化が進む。このままでは、誰もが思い描く島の景観が守れない……。20年以上にわたり産業遺産の価値を伝える取り組みに関わってきたJ-heritageの前畑洋平さんは、軍艦島で新たな活動を始める。現在、安全面からその1/10ほどしか立ち入りが認められない島内の観光ルートを広げること。新たに人を呼び込み、そこで生まれる収益を補修へと循環させるという。しかし、広範囲で劣化が進む島でその景観を守るのは費用面からも容易ではない。いかにコストを掛けずに、島のシルエットを守るか。新たな技術も駆使して、次の世代へ遺産を残す手段を模索する前畑さんを追った。
世界遺産が「人を育て、技術を残す」…彦根城の挑戦!
琵琶湖を望む国宝・彦根城は、武家屋敷や庭園など江戸時代の「大名の統治システム」を体現する、保存状態の良い希少な城だ。飛鳥の決定を受けて「次は彦根城」という機運が高まっていた。しかし、課題は山積み。資産を構成する建物や堀にかかる橋など、保守や整備が必要な案件が数多くあるからだ。世界遺産の登録には、当時の材料や工法で将来にわたって修復できることが必須の条件となっている。立ち上がったのは、これまで多くの社寺や文化財の修復に関わってきた鈴木古建築の棟梁・鈴木大祐さん。関東出身だが、建築当時の職人の思いが込められた彦根の木造建築物に魅了され、この地で起業した。いまでは城の修復に直接関わるだけでなく、その資金集めにも奔走している。そんな鈴木さんにとって最大の課題は、将来を見据えて技術をどうやって次の世代へ伝承するか。城を残すには、城を直せる人を残していかなければならない。26歳の若き大工と始めた二人三脚の挑戦を追う。
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