



井之頭五郎は愛車でお得意様を空港まで送った帰り、ふと川崎に立ち寄る。
そこ一帯は工場が広がっている。
黙々と煙を出す煙突。なぜか五郎の心は癒されるのだった。
そのうちお腹のすいてきた五郎が八丁畷の町をぶらついていると、ふと一軒の焼肉屋に無性に惹かれた。しかし残念ながら満員。仕方なく、また町を歩いてみるがなかなか心がきまらない。それでUターンし、先ほどの焼肉屋さんの前まで来た時、ちょうどお店から韓流アイドル風の少年が出て来た。
「焼き肉サイコー!」
どうにも引きつけられる笑顔に、美味しさの真実を見出す五郎だった。
店に入ると、手前のカウンター席が空いていた。
よかった。
ほっとするのもつかの間、息もつかずに「カルビ・ハラミ・コプチャン」などを頼む五郎だった。
まず出てきたのが、お通しの「キャベツ」ドレッシングで食べるのだが、なぜかこれがうまい。
そんなことをしているうちに、お肉が出来てきた。
一人に一つの焼網。贅沢だが、実は肉を載せたり食べたりひっくり返したり、ご飯も食べたり大変だ。
うっかり野菜を焦がしてしまい、つかの間傷心を味わうも、
お店の雰囲気にのせられ、ジンギスカンまで頼んでしまう始末。
「ウォ~ン!」雄たけびを上げながら食べ続ける五郎は、すでに川崎の人間火力発電所だった。
ゲスト/アレン・キボム <韓流アイドル風の青年>