



井之頭五郎は、次々に美味しそうなものを食べるのだが、今日はなぜか全くお腹にたまらない。
なんだか不思議に思っていると、体を大きく揺すられて目覚める。
友人吉原の主催する舞台を見ているうちに眠ってしまったようだ。吉原に責められていると、劇団員が叫んだ。「主演女優篠宮がいません!」
五郎が街を歩いていると、篠宮を見つけた。
後を追うと、なんだか美味しそうな食べ物が売っているお店の前で立ち止まる。
五郎が美味しそうな食べ物に気を取られている隙に篠宮を見失ったかと思ったら、目の前に篠宮が・・・尾行に気づかれていたのだ。
突然泣き出す篠宮を喫茶店に誘う五郎。
慰めの言葉も思いつかず、ラストシーンの笑顔が素敵でした、そう言って、途中で買った食べ物を渡すのだった。
そうしているうちにお腹がすいた五郎は街をうろつき、やっと心を決めたのは、鉄板焼と広島風お好み焼のお店。
海の幸ばかりを続けて頼む五郎は、お好みのものをお好みで食べてこそ、お好みの焼き、などと自分を納得させ、今日もすべて食べつくすのだった。
ゲスト/朝倉あき <篠宮>、佐藤正宏 <吉原>