【ヴィッセル神戸】三浦淳寛監督「楽しさよりも、とにかく毎日必死です」

サッカー

2021.2.16

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先日沖縄でのトレーニングキャンプを打ち上げたヴィッセル神戸。感染症対策もあり、今年は報道陣にも非公開でキャンプを実施したが、番組アナリストの福田正博がリモートでのインタビュー取材を行った。

昨年シーズン途中で急きょ監督就任となった三浦淳寛監督は、初めてキャンプからの指揮となる。「昨年経験のない中で(監督を)スタートした。今年も楽しさはない。必死です」と心境を告白した三浦監督。

キャプテンでありチームの要・イニエスタの戦列復帰のめどはまだ立たず、期待の新外国人FWリンコンは合流すらできていないが・・・「二人が合流した時にプラスアルファとなるくらいの気持ちでチームを作っている」と現有戦力でのレベルアップを模索中。

「期待したい選手はいっぱいいる。若手が本当にチームの戦力となってほしい」と語った三浦監督の今季の目標は?「失点を減らすこと。これは絶対改善する。目標はアジアナンバーワンクラブ。ACL出場が目標です」リーグ戦ならば、最低でも4位以内がその指標となる。

良くも悪くも注目されるヴィッセル神戸から、今年も目が離せない。

ーここまでチームの調子はどうですか?

今までにないくらいにやっています。そこは理由があって、昨シーズンもラスト15分とかで体力がなくなってきたら脳が停止するというか、集中力がなくなって予測も遅れて準備や反応も全部遅れてしまっていた。

昨シーズンの59失点、これは絶対に改善しないといけないということで、福田さんは分かると思うんですが僕日本一キツい練習をしていた高校に行っていたじゃないですか。(※長崎県・国見高校出身)だから、今までよりはもちろんやっているんですけど、僕の中では当たり前だよなっていう感じなんですよね。

山口蛍や酒井高徳はチーム全体の練習が終わった後に別でも走っていますから、彼らからしたらもっと欲しいという感じじゃないですかね。

ーさっき蛍にインタビューで聞いたら、神戸に来てからは一番走っているって言ってたけど、彼は他チームではもう少し走っていたからちょうどいいくらいかなと言っていたよ。今までが走らな過ぎたのかな?

昨年はコロナの影響もあって、試合がずっといていたじゃないですか。だから体を鍛えるよりもコンディション調整の方にどうしても時間を割くことが多かったんですけど、今しかできないですからね。選手にとっては厳しい練習かもしれないけど。

先ほどもチームミーティングで、チームには意識の高い選手もたくさんいるし、上のレベルに追いつくためには同じ練習をやっていたら追いつかないから、個のレベルをしっかり上げることを意識してやってほしいと結構はっきりと言いました。

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ー今シーズンはどんなチームを作っていきたい?

チームコンセプトがすごく大事だと思っていて、失点を減らす作業をずっとやっているんです。

攻撃の方はボールを保持してゲームをコントロールしましょう、と。アタッキングサードまでは行けていたんですが、そこからしっかりとしたブロックを作られた時にどうしてもそのブロックの中に侵入していけなかった。そこを何とかみんなで得点を取っていこうということで、無駄になるかもと思ってみんな無駄走りをしないんですが、僕はそれは無駄走りじゃなくて、背後にランニングすることで相手の守備陣形が崩れますし、センターバックが真ん中にいるよりも外に引っ張られた方がいいだろうと思います。そういうところも含めて、今年は効果的なランニングを選手に要求していきたいなと思っています。

ー全体的に「量」かな?「質」は高いものを持っている選手が多いけど、運動量も含めて「量」が足りなかったってところなのかな?

それもありますし、Jリーグのレベルは高いので相手もこちらもストロングポイントを抑えにくると思います。ボールを持てば勝てる、ではないと思うんです。自分自身が考えているのは、勝つためにしっかりとボールを持ちましょうということ、その中でいかに相手の守備陣形を崩すための効果的な動きができるかで、昨シーズンは全然足りていないと思っています。そこに手をつけていきたいですね。

ー昨シーズンはイレギュラーがたくさんあって、コンディション調整で一杯一杯で思うような戦いができなかったと思うけど、今シーズンはスケジュール的にも時間はあるし、ピッチの中でしっかり表現できると思うんだけどどうかな?

福田さんの仰る通り、昨シーズンは本当にイレギュラーな年で、自分が監督を引き受けた9月はACLがあったので何とかそこに向けてということですごく難しかったですね。僕自身が初めての監督経験で全く経験がない状況でスタートしているので、余裕がなくて必死にやっていましたね。

昨シーズンは週2回の試合がずっと続いて20何連戦とかがあったので、それに比べたら今シーズンはスタートからしっかりとした準備ができるしトレーニングもしながら試合をして、とローテーションでできるんじゃないかなと思っています。

ーネガティブな話になっちゃうけど、新外国人選手のリンコンが入国できないこと、イニエスタの怪我がいつ治って戻って来られるのかが分からないことがあるよね。イニエスタがいる時といない時の戦い方はどう変えようと思っている?

開幕してある程度の時間はおそらくいない中でやらないといけない。なので今いる選手の特徴を踏まえて、選手選考と組み合わせを考えています。戦い方は変わってくるんですが、ベースの部分を上げましょうということを今トライしているので、リンコンやイニエスタが戻ってきた時にさらにチームにとってプラスアルファになるようなチーム作りはしたいなと思っています。

ー特に期待している選手はいる?

福田さん、個人的には挙げられないですよ。本当に期待したい選手って僕の中でいっぱいいるんです。当然今まで試合に出てきている中心選手である程度の計算はできるじゃないですか。でも、若い選手とかが少し経験を積んでいて、うちのトップでプレーしている蛍や高徳のような選手に引っ張られる形で急成長しているんです。彼らが本当にチームの戦力として、計算できるような選手に育ってほしいとは思っていますね。

うちの選手たちはメンタリティーが素晴らしくて、すごく謙虚ですね。まずキャプテンのイニエスタが、あれだけの実績を残してきたのにそのキャラクターというか、練習に取り組む姿勢や人に対する対応、発言力含めてお手本になってくれているので、まぁほぼみんな性格も気持ちの爽やかな選手が多いと思いますね。

ー三浦監督はそういう選手じゃないと嫌いだもんね?

はい、嫌いです。感謝の気持ちとか謙虚さとか、そういうものがなければ僕はストレートに伝えていますね。

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ー今年の目標は?

昨年はACLに出場して、アジアナンバー1のクラブになるという我々の目標にもう少しのところまで行ったと思うんです。あの大会に出場して、普段経験のできないものをクラブ全体としてできましたから、もう一度あの場所に立ちたいということでACLの出場権を獲得することが今シーズンの目標です。

福田さん、もう毎日が必死ですよ!

別の取材で、「今シーズンは初めから指揮をとってチーム作りができて、楽しみですか?」って聞かれたんですけど、僕もう笑いながら「いや、楽しさよりもとにかく必死です」って。

ーでもね、俺が三浦監督を見ると、必死にやってる感じが出ないのよ。余裕があるように見えるっていうのは、周りに対して非常に良い影響を及ぼすから監督にすごく向いていると思うんだ。勝負所でのポーカーフェイス、感情があまり外に出ないっていうのはやっぱり相手は嫌だからね。

でも実はね、福田さん、夜一人で部屋でずっと「この選手にどうやってアプローチしたらいいかな」とか、「明日の試合はこういう展開になりそうだから、ここのプレーヤーがキーになるな」とか、考え出したら寝られないくらいに考えちゃうんですよ。

ー監督みんな通る道みたいよ。苦しいと思うけど、もうそれが楽しくなってきてるんじゃないの?

必死にやっているこの時間っていうのも楽しいかなって思います。でもね、やっぱり勝たないと楽しくないよね。

勝負事って僕結構好きなんですよ。福田さんはプライベートも一緒に遊んでもらってますからよくご存知かもしれないけど、引退してからはなんか勝負するものないかなっていつも自分で探すんですよ。例えば、エレベーターを待っている時にみんながあっちを待っているけど、絶対こっちの方が早いよとかね。くだらない勝負事をいつも探してる。

ー勝ち負けが好きなんだね。でもそれが表に出る感じじゃないのが、またいいのよ。

そうですか。ありがとうございます!