横浜FMが初のACL決勝T進出 神戸は首位突破が決定
2020.12.3
マリノスACL全北戦・仲川輝人(c)Y.F.M.
カタールで行われているAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で12月1日、横浜F・マリノスがH組で韓国の全北現代モータースに4-1と快勝し、グループステージ1試合を残して初の決勝トーナメント進出を確定。すでに突破を決めているヴィッセル神戸もG組の首位突破を決めた。一方、FC東京は3日のF組最終戦に突破の望みをかける。
「マリノスの歴史を変えることができた」1得点1アシストでマリノスの勝利に貢献したMF仲川輝人選手は試合後、そう言った。
2004年、2005年、2014年とアジアクラブのトップを決める戦いに参戦してきたマリノスだが、いずれもグループステージ敗退。だが、今回こそは違いを見せる。そんな気概が感じられる猛攻を開始早々から展開し、引き分け以上で2位以内が確定して決勝トーナメント進出が決まる一戦で、2度のACL優勝経験がある全北を圧倒した。
鋭いクロスで好機を生み出しているDF高野遼選手が左サイド、切れが戻ってきた仲川選手が右サイドを支配してスピード感のある攻撃を仕掛け、FWエリキ選手やFWマルコス・ジュニオール選手が相手ゴールを脅かす場面を繰り返した。
先制は17分、FKの流れからDFティーラトン選手がミドルレンジからの一撃をゴールに突き刺し、リードを奪うと、その後もマリノス主導で試合を進め、後半開始6分に仲川選手がドリブルで仕掛けて、マルコス・ジュニオール選手のゴールをお膳立てし、リードを広げた。
勝たなければ敗退が決まる全北は、2月のホームでの初戦でも交代出場で得点を決めたFWチョ・ギュソン選手を後半から投入して反撃を試み、後半9分にMFマドウ・バロウ選手のシュートがハンドを誘って得たPKをFWグスタボ選手が決めて、1点差とした。
しかし、マリノスは後半26分に左サイドでのスローインの流れからゴール前に上がった浮き球に、仲川選手が猛ダッシュで相手DF2人の間に割って入り、右足を併せてチーム3点目を押し込んだ。
後半38分には、途中出場の2人が追加点を生み出す。MF天野純選手の左クロスにFWオナイウ阿道選手が右足を合わせると、ポスト内側を叩き、全北GKに当たってゴールに吸い込まれた。
得点後に仲川選手とともにお馴染みの「かめはめ波」ポーズを披露したマルコス・ジュニオール選手は、「最初から最後までマリノスらしいサッカーをできた。守備も攻撃もチーム全体でできたのがよかった」と振り返ったが、「歴史に残るような出来事かもしれないが、これで満足せず、しっかり次の試合に集中して監督のサッカーを体現して、この大会を優勝で終わりたい」と話した。
チームを率いるアンジェ・ポステコグルー監督は、「とてもうれしい。クラブ初のグループステージ突破を達成した選手たちのがんばりだ」と選手のハードワークを評価した。
そして、オーストラリア代表をはじめ、同国Aリーグのメルボルン・ビクトリーやブリスベン・ロアーなどを率いた指揮官は、こう続けた。
「何かを達成した翌年というのは重要だが、我々は今季のJリーグは残念な結果で、カップ戦も準決勝で終わった。だが、この突破で、まだ達成できるものがあり、自分たちができるということをクラブのみんなが信じられるものでもある。チームの進歩を示す、成長という点でも重要なことだ」
この日の試合後、同組で2位につける上海上港(中国)が4位のシドニーFC(オーストラリア)に0-4で大敗。順位に変動はないものの、1試合を残してマリノスと上港との勝点差は3となった。マリノスは得失点差8で同マイナス2の上港を大きくリードしており、1位突破へ優位な状況で12月4日のシドニーとのグループ最終戦に臨む。
「まだ予選リーグを突破しただけ。自分たちが目指しているのは優勝しかない」と話す仲川選手は、「次のシドニー戦へ気持ちを緩めてはいけない。次のノックアウトステージは一発勝負。勝ぐせをつけていきたい」と語った。
神戸は首位突破が決定、FC東京は最終戦に望み
3チーム編成のG組で戦うヴィッセル神戸は、この日は試合がなかったが、勝点2差で2位につけていた広州恒大(中国)と3位の水原三星(韓国)との試合結果を受けて、首位突破が確定した。
ACLで2度の優勝経験のある広州だったが、水原と1-1で引き分けて全試合を終了。勝点は5で、水原は12月4日の神戸との最終戦を残して勝点2となり、2勝1敗の勝ち点6を獲得して決勝トーナメント進出を確定済みの神戸の首位突破が決まった。
ノックアウト方式となる決勝トーナメントでは12月7日の1回戦でH組2位と対戦する。H組は現在マリノスが勝点12で首位、上海上港が3差で2位につけており、4日の最終戦で順位が確定する。
一方、F組のFC東京は12月3日のパース・グローリー(オーストラリア)との最終戦を残して、厳しい状況にある。
カタールでの大会再開初戦で上海申花(中国)に0-1で敗れて3位に後退したが、11月27日の申花とのリターンレッグで、後半早々に相手の悪質なタックルで攻撃の柱のFWディエゴ・オリベイラ選手が負傷退場となりながらも、FWレアンドロ選手とMF安部柊斗選手のゴールで2-1の勝利を挙げて2位に浮上した。
しかし、30日のグループ首位の蔚山現代(韓国)との対戦で、FW永井謙佑選手の開始早々の先制点でリードを奪ったものの、前半終了直前にFKを直接決められて追いつかれ、試合終盤にMFユン・ビッガラム選手にこの日2点目を決められて、1-2で敗れた。
この結果、蔚山は1位突破を確定。同日、申花がパースと3-3で引き分けたことで、東京は申花と勝点7で並びながら得失点差1で2位をキープしている。パースとの最終戦で申花の蔚山戦の結果よりも上回るか、この2試合が同じ結果の場合は得失点差で東京が上回れば、2012年、2016年に続く決勝トーナメント進出が決まる。
東京の長谷川健太監督は突破について、「非常に難しいとは思うが、他力でもチャンスが残っている以上、最後までベストを尽くしていきたい」と語った。
なお、F組2位で通過した場合、決勝トーナメント1回戦では12月6日にE組1位突破を決めている北京国安(中国)との対戦となる。
取材・文:木ノ原句望