卓球日本代表・石川佳純 3度目の五輪へ、揺るぎない決意と覚悟
2021.7.17
そこに秘められたドラマをあなたはまだ知らない
6月23日、石川佳純を待っていのは「ビッグ佳純」。
全長は、なんと4m。オリンピックに挑む石川へエールを込めて、150日かけて製作されたという。その大きさがかけられた期待を物語る。
3度目のオリンピックとなる今回、日本選手団の副主将を任された。
卓球ニッポンの中心
思えば石川は日本の期待にいつも応えてきた。
史上最年少14歳で日本代表に選出され、2008年には北京オリンピックに。この時まだ15歳。オリンピックとは名ばかりの、海外旅行気分。
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北京から4年後、ロンドンオリンピックで日本卓球界初のメダルは19歳の時。活躍は続く。
2年後の世界卓球・東京で31年ぶりの銀メダル。卓球ニッポンの中心には、いつも石川がいた。
石川佳純 PHOTO:aflo
伊藤美誠・平野美宇ら若い世代の活躍
だが、時代が彼女をむしばみ始める。伊藤美誠・平野美宇ら若い世代が、背後まで迫っていた。
伊藤の卓球は、まるで変幻自在。中国のトップ選手すら圧倒する。
さらに平野美宇はハリケーンと恐れられる超高速卓球で、ポテンシャルは底なし。
進化を続ける卓球界の波に、石川は飲み込まれようとしていた。
迎えたリオオリンピック。ところが初戦、21歳の若手選手相手に、焦れば焦るほど気持ちばかりが空回りしていく。どんなに輝かしい実績や栄光も、勝負の前では役に立たない。
まさかの初戦敗退だった。
この日を境に、石川は暗く冷たいトンネルへと入っていった。2017年、平野美宇に日本一の座を奪われると、翌年17歳だった伊藤美誠に破れた。
「初心に帰る」
追われる立場から、追う立場へ。東京オリンピックの代表選考は過酷を極めた。シングルス日本代表は、世界ランク上位2名。伊藤美誠が代表確実となり、平野美宇と石川が、一進一退の攻防を続けていた。
8月、チェコでの直接対決は平野美宇のスピードに手が出せず完敗。
その後も、平野美宇が2番手をキープし、石川は崖っぷちに追い込まれていた。
選考レースも、のこり僅か。だが、代表選考レースのクライマックスで、風向きがが変わった。
目を引いたのは、8年ぶりに染め直した黒髪。
「初心に帰る」
オリンピックの切符は絶対に渡さない。そこには揺るぎない決意と覚悟があった。
だからこそやってきた歓喜の瞬間。石川佳純は東京オリンピック、シングルス代表の座を、掴み取った。命運を分けたのは、ほんのわずかな気持ちの差。石川が平野美宇を一歩だけ上回った。
まだまだ、やれる。まだまだ、やってやる。まだまだ、この席は譲らない。