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「何でも取れる感じがした」豹変した伊藤美誠 リザーブ宇田幸矢とチキータ対策【五輪卓球】

2021.07.26
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2021.07.26

混合ダブルス準決勝 絶好調に豹変した伊藤美誠 Photo by Steph Chambers/Getty Images

卓球競技2日目の7月25日。日中は混合ダブルス準々決勝のドイツ戦で苦しんだ伊藤美誠(スターツ)が夜には豹変した。同種目世界ランク1位の林イン儒/鄭怡静(台湾)との準決勝で両ハンドが大当たり。

準々決勝でミスが目立ったバックハンドは試合が進むに連れて面白いように決まり出し、フォアハンドでも球威のある台湾ペアのボールを男子顔負けのカウンターやドライブで打ち抜くシーンが相次いだ。

前半は競り合うも尻上がりにリードを広げた水谷隼(木下グループ)/伊藤ペアが、終わってみればゲームカウント4-1で勝利。2人は決勝進出を決めるとともに銀メダル以上を確定させている。

 準決勝の鍵は、怖いもの知らずで攻めてくる林イン儒にあったと言えるだろう。「台湾版・張本智和」ととも称される林イン儒は前陣速攻の高速卓球が持ち味で、特に台上で強い横回転や前進回転をかけるバックハンド打法のチキータを武器にしている。

ベテランパートナーの鄭怡静はパワーと安定感に優れているが、19歳と若く天才肌の林イン儒には当たり出したら止まらない爆発力がある。

 そんな台湾の若き主砲に伊藤もゲーム序盤は食い込まれ、チキータにも対応できない場面があった。しかし、ゲームカウント1-1(水谷/伊藤が第1ゲームを先取)で第3ゲームに入ると、伊藤が徐々にチキータを攻略し始め、さらには以前よりも威力を増した逆チキータや回り込みのフォアレシーブなどを林イン儒にお見舞いした。

そして、試合後には「(相手ペアのボールは)何でも取れる感じがした」と伊藤。聞けばその陰には、男子のリザーブ選手である宇田幸矢(明治大学)と取り組んだチキータ対策があったそうだ。

「試合前、宇田選手にチキータをしてもらいました。パワーもあって、林イン儒選手とちょっと似ているので、似たようなチキータを出してもらったんです。すごくいい状態で試合に臨めましたし、どんなボールでも取れる感じがして。相手を見ることもできたし、すごくいい反応ができました」

 東京オリンピックの卓球日本代表チームには張本、丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)、水谷、伊藤、石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)ら男女6人の代表選手に加え、2人のリザーブ選手が帯同している。男子は宇田、女子は早田ひな(日本生命)だ。

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Photo::ITTF

リザーブ選手は代表選手に体調不良や怪我などがあった場合の控えとしてスタンバイするほか、練習相手や球拾い、飲み物の用意などのサポートをする縁の下の力持ちだ。

とりわけ東京大会では混合ダブルスがオリンピックで初採用され、男子が女子のボールを、女子も男子のボールを受けるため、伊藤の発言にもあるように宇田の貢献度は高かった。

オリンピックの檜舞台に立つ代表選手たちの活躍の裏にはリザーブの存在あり、なのだ。


(文=高樹ミナ)


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