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2008年10月20日 放送
「日本のコメは大丈夫か!?~あの"ヤミ米商人"が農業を斬る~」

- 川崎商店 社長 川崎 磯信(かわさき・いそのぶ)
1991年、東京・霞が関の食糧庁に押しかけ、自らを告発するよう直訴した男がいた。「ヤミ米屋」として世間の話題をさらった富山のコメ農家、川崎磯信だ。
目的は、農業に関する法律や行政の矛盾を公の場で明らかにするためだった。
研究熱心な農家だった川崎だが、米の生産を減らす「減反」政策に反対したことで農協から買い入れを拒否されるようになった。
「なぜ良いコメを作ろうとしているのに、売ることが許されないのか?」
「消費者は私のコメを求めている!」
川崎は、米の価格や供給を国が管理する法律=食料管理法に違反していると知りながら自分で米穀店を開き、「ヤミ米」としてコメの販売を開始。
すると、「安くて安全、しかもおいしい」と評判が広がり、川崎の店の前に行列ができるようになった。さらに、「うちのコメを売ってほしい」という農家も殺到。ついには、正規ルートのコメも入ってくるようになった。
95年3月、食管法と酒税法違反で有罪判決を受けるが、「食管制度に矛盾がある」と判決で認めさせた。
95年に食管法は廃止され、農家が自由にコメを販売できるようになる。川崎の行動が時代の先を行っていたのはなぜか?
なぜ自らを犠牲にしてまで、法律の不備を世に問いただそうとしたのか?
いま、農薬やカビ毒で汚染された輸入米が全国で流通し、問題化している。
米を巡る不祥事は、なぜ起きるのか?
安全・安心な米をどうしたら手に入れることが出来るのか?
かつて行政や法律の壁と闘ってきた川崎に、現在の農業が抱える課題や、
ニッポン農政の未来像を、聞く。
RYU’S EYE
座右の銘