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2010年8月23日 放送
流通スペシャル「地方スーパーの逆襲」

- ヤオコー 会長 川野 幸夫(かわの ゆきお)
- スーパーまるまつ 社長 松岡 義一(まつおか ぎいち)
- スーパーまるまつ 専務 松岡 尚志(まつおか ひさし)
消費不況・・・全国でスーパーの苦戦が続いている。
全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会発表)は、実に19カ月連続で前年同月比割れ。消費者の財布の紐は固いままだ。
しかし、いつの時代にも、独自の戦略で勝ち続ける勇者はいる。地方には、地元客を熱狂させるスーパーがまだまだあった!
村上龍が「地方の雄」たちの強さの秘密を探り、流通の今に迫る。
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
埼玉の雄「ヤオコー」 ~「個店経営」で驚異の21期連続増収増益~
埼玉県を中心に関東地方に106店舗展開する中堅スーパー「ヤオコー」。この消費不況の時代にあって、21期連続の増収増益と驚異の業績を誇る。 その秘密は、チェーンでありながら、店長を中心としたそれぞれの店舗のスタッフに、商品構成や店のコーナー作りなどの決定権を大幅に委譲した「個店経営」にある。 ヤオコーの創業は1890年(明治23年)、埼玉県小川町に創業した小さな青果店だった。その後、後を継いだ現在の会長川野幸夫が、チェーンストア化し、店舗拡大を進めてきた。 その手法は、他の大手チェーンストアと同様、効率を重視し、本部の主導で店舗を画一化するものだった。 しかし、川野は、いち早く多様化する消費者の価値観に対応すべく、消費者に近い現場スタッフ主導の個店経営に舵を切り、独自のチェーンシステムを築いてきた。 「個店経営」の強さの秘密とはいったい何か?
福岡の雄「スーパーまるまつ」~「IT経営」で地域シェアNO.1~
福岡県柳川市にある「スーパーまるまつ」は、たった1店舗の地場スーパーだ。しかし、チェーンストアを含め、小売各社がしのぎを削る激戦区にあって、地域シェアNO.1を保ち続ける人気店。この店を作り上げたのが社長の松岡義一だ。 松岡が作り上げたのが、「IT経営」。過去30年に渡って蓄積した販売データを徹底的に分析し、売り上げ予測をシミュレーション。この日に、この価格で売れば、何個売れるのかを完全に予測することができるという。この方法によって、「値引きなし」「売れ残りなし」を実現し、ロス率はわずか2%だ。さらに他にも”目から鱗“のシステムがあるという。 たった1店舗のスーパーが、大手を食う!その秘密に迫る。
ゲストプロフィール
川野 幸夫
- 1942年1957年8月11日
- 1966年東京大学法学部卒業
- 1968年マルエツに入社
- 1969年八百幸商店(現ヤオコー)に入社
- 1985年ヤオコー社長に就任
- 1997年ヤオコー東証一部に上場
- 2007年代表取締役会長に就任
企業プロフィール
- 所在地:埼玉県川越市脇田本町1-5
- 設立:1957年
- 売上高:2064億円(2010年3月期連結)
松岡 義一
- 1932年福岡県柳川生まれ(義一氏)
- 1948年駄菓子屋開店
- 1966年福岡県柳川生まれ(尚志氏)
- 1968年松岡食品センター開店
- 1976年有限会社松岡食品センター開店
- 1987年尚志氏 入社
- 2010年株式会社スーパーまるまつ社名変更
企業プロフィール
- 所在地:福岡県柳川市宮永町394-5
- 設立:1976年
- 売上高:14億6000万円(2010年1月期)
松岡 尚志
- 1932年福岡県柳川生まれ(義一氏)
- 1948年駄菓子屋開店
- 1966年福岡県柳川生まれ(尚志氏)
- 1968年松岡食品センター開店
- 1976年有限会社松岡食品センター開店
- 1987年尚志氏 入社
- 2010年株式会社スーパーまるまつ社名変更
企業プロフィール
- 所在地:福岡県柳川市宮永町394-5
- 設立:1976年
- 売上高:14億6000万円(2010年1月期)

消費は、世相を映す。希望、憧れ、不安、あきらめなど、消費者の心理が反映される。地方スーパーの逆襲を可能にしているのは、客との距離の近さだ。顧客を、層としてではなく、個人としてイメージし、売り上げより客の喜びを優先させる。わたしは、子どものころ町内にあった魚屋や八百屋さんの温かさを思い出した。貧しかったが、孤独死という言葉がなかった時代の温かさだ。