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2015年8月20日 放送
会社は社員が活躍する舞台!
"社員が変わる"驚きの企業再生術!

- テンポスバスターズ 創業者 森下 篤史(もりした あつし)
競争が激しい飲食業界を支えるビジネスで、業績を拡大する異色の経営者がいる。飲食店向けの厨房機器のリサイクルを手掛ける「テンポスバスターズ」創業者・森下篤史だ。森下経営の特徴は、とにかく、社員のやる気を引き出し、それを直接的な成果につなげるというもの。最近では、リサイクル業だけでなく、そこで得たノウハウを活かし、飲食チェーン店の業績をV字回復させている。なぜ、森下は倒産寸前に陥った企業の社員と業績を再生することができるのか?社員が変わる!独自すぎる企業再生術の神髄に迫る!
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
“ベンチャー魂”で業界トップシェアに!波乱万丈の経営者・森下篤史
飲食店の開業を志す人たちにとって欠かせない店がある。それが厨房機器販売のテンポスバスターズだ。中古はもちろん、新品まで、開業に必要なものなら何でも揃う店なのだが、驚くのは、その価格にある。テンポスを利用すれば、通常400~500万円かかると言われる開業費用が、およそ半額で済むという。しかも、ただ単に厨房機器を買うだけでなく、開業の支援サービスまで受けられるのだ。そんな至れり尽くせりの店だから、業績も右肩上がりに推移してきた。このテンポスバスターズを創業したのが、凄腕経営者・森下篤史だ。静岡大学に通っていた森下は、卒業後、電気機器メーカーに入社する。いわゆる普通のサラリーマン人生を歩んでいた。しかし、36歳の時に一念発起し、食器洗浄機の販売会社を設立する。当初は、順調だったが、すぐに売り上げは頭打ち。そこで森下は、事業の幅を広げようと、回転寿司や英会話学校などの事業に手を出した。しかし、その全てが相次ぎ失敗に終わる。そんな失意の森下に、転機が訪れる。それこそ何気なく見ていたテレビ番組のリサイクル会社の特集だったという。普通のサラリーマンから業界トップ企業へと転身を遂げた森下の決断と隠された驚きのヒストリーを通して、森下流の仕事術に迫る!
森下流 ユニーク人事システム
テンポスの社内を覗いてみると…なぜか高齢の社員があちらこちらに。実は、テンポスには定年が無い。事実、60歳以上の社員が全体の1/3を占めている。実は、森下が立ち上げたテンポスにはユニークな人事制度が目白押しだ。社員が上司を通さずに、自分の行きたい部署・店舗の管理者に電話しOKが出れば、異動できる「フリーエージェント制度」や欲しい他部署の社員をスカウトできる「ドラフト制」などプロ野球のような仕組みまであるという。そんなユニーク制度を導入した背景には、森下の「自分の人生は自分で決めるもの」という信念がある。さらに、森下は、通常の会社では考えられない驚くべき人事制度まで導入していた!それが4年に1度行われる「社長のイス争奪戦」。森下は、テンポスで“社長”を選挙で決める仕組みまで導入していたのだ。常識に捉われない森下の働き方に対する考えを徹底取材した!
倒産寸前の飲食店を再建!社員の“やる気”を引き出す再生術
テンポスバスターズを創業し、拡大してきた森下が今、一番注力しているのが飲食店プロデュース業務にある。名古屋を拠点に拡大してきた「ステーキのあさくま」。一時、180億円の売り上げを誇ったレストランチェーンだが、無理な出店と激しい競争の中で、縮小の一途を辿り、年商は1/6近くにまで落ち込んでいた。そこで森下は、テンポスで培った飲食店経営のノウハウと社員のやる気を引き出す人事制度を導入し「あさくま」の再建に乗り出したのだ。飲食店の再生に乗り出した森下の驚き再生術に迫る!
ゲストプロフィール
森下 篤史
- 1947年静岡県生まれ
- 1971年静岡大学教育学部 卒業
- 1971年東京電機(現・東芝テック)静岡支店 入社
- 1983年KyoDo設立(食器洗浄機の製造・販売)
- 1997年テンポスバスターズ 設立
- 2006年「ステーキのあさくま」再建に乗り出す
- 2008年「あさくま」の社長に就任
企業プロフィール
- 設 立:1997年3月
- 資本金:5億912万5千円
- 住 所:東京都大田区東蒲田2-30-17
- 従業員:連結2247名(パートアルバイト含む)
- 売上高:235億円(2015年4月期・連結)
- 社 長:平野 忍
- (2013年社長のイス争奪戦で3代目社長に就任

森下さんの個人史は、表面的には挫折の連続だ。だが、単なる努力不足の失敗ではなく、無謀な挑戦と、権力への反抗による「意義深い挫折」で、それが現在の成功につながっているのだと思う。テンポスバスターズの人事、研修や人員配置は、非常にユニークに映る。でも、実は、責任とセットになった自由を提供し、自立を促すという、もっとも先進的で、公正なシステムである。「あさくま」のヤマンバ軍団について、「彼女たち、平気でおれに文句言ってくるからね」森下さんはそう言うが、それは強い信頼関係の証しなのだ。