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2016年6月9日 放送
1万校分を入学式に一斉納品!驚きの学生服生産の世界
- トンボ 代表取締役社長 近藤 知之(こんどう ともゆき)
青春の思い出といえば、学生服だ。その学生服は、必ず4月の入学式に間に合うように納品しなければならない。しかも、どんな体型の生徒にも対応し、3年間着る耐久性も求められるという特殊な性格を持つ服なのだ。今年で創業140年を迎える学生服大手のトンボは、1万校分・年150万着の学生服を製造しているが、全て国内で生産し、学校別のボタンや生地の在庫も全部持っている。「あなたが知らない学生服の世界」に迫る。
社長の金言
- “日本の制服文化”を未来へつなぐTweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
“究極の多品種・少量生産”で利益を出す!
学生服作りは、究極の“多品種少量生産”。トンボが取り引きする学校数は、現在1万校にも上る。夏服なども含めれば、アイテム数は約2万5000種類で、学校ごとに「形」も「ボタン」も「糸の色」も違う。そして、納期は4月の入学式に集中するという“非効率な商売”だ。だが、“非効率”でも採算がとれる仕組みを、トンボは確立している。例えば、縫製場にあるのは、立ちミシン。生地をもった作業員が、縫製過程ごとにミシンを移動し制服を縫い上げていくのだ。また、工場には効率アップ専門の社員がいて、作業時間をストップウオッチで計測。どこにムダな動きがあるかをチェックし、1秒単位で効率を改善しようと取り組んでいる。
ツッパリ、スケ番が制服の転機に
日本で初めての詰襟学生服は、1879年の学習院。学生服の歴史で、大きな転機になったのが、ツッパリやスケ番が流行り、刺繍入りやロングスカートなどの「変形学生服」が社会問題になった1980年前後だ。この時「変形学生服」の氾濫を防ぐため、学生服メーカーは「標準学生服」の規格を決める。しかし、トンボは「学校ごとに個性ある学生服を作る」ことを提唱、学校ごとに違う制服を作り始める。どの学校も同じだった詰襟・セーラー服姿を変えたのは、トンボなのだ。一体どうやって新規の制服をデザインし作るのか、その舞台裏に密着する。
「制服空白県」を攻略せよ!
昨年トンボは「&be(アンビー)」というオリジナルブランドを立ち上げた。制服のように見えるが、制服のない学校の生徒向けに開発した服だ。実は制服がない学校は多く、制服を着たいという女生徒たちのニーズも根強いのだ。特に長野県は「日本一制服の無い学校」が多いところ。公立高校の半分が私服だ。その「学生服の空白地区」に、トンボは制服の代わりに「&be(アンビー)」を売り込む戦略だ。
ゲストプロフィール
近藤 知之
- 1955年岡山県生まれ
- 1980年中央大学卒業後 テイコク(現トンボ)入社
- 2012年社長就任
企業プロフィール
- 創業 :1876年
- 本社 :岡山県岡山市北区厚生町2-2-9
- 売上高:256億(連結 2015年6月期)
- 社員数:1400人(グループ全体)
実は昔、制服は苦手だった。画一的だと思ったからだ。だがいまだに、就活学生のリクルートスーツに見られるように、「個性」という概念が社会に定着していない気がする。トンボは、学生服メーカでありながら、「スクールアイデンティティ」に象徴されるように「個性」の定義を探っているように思える。個性は、「正統性」が啓蒙されなければ確立されようがない。1876年に創業し、信頼を軸に誠実なビジネスを続けてきたトンボは、逆説的だが、ファッションにおける個性というものをもっともよく理解しているアパレル企業かもしれない。

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