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2016年9月15日 放送
「伊右衛門」の"1兆円ヒット"を生んだ
京都の老舗茶舗の革新力
- 福寿園 会長 福井 正憲(ふくい まさのり)
緑茶のペットボトル市場で"老舗ブーム"を起こしたのが、サントリーが2004年に発売した「伊右衛門」だ。京都の老舗茶舗・福寿園の茶葉の加工技術とその創業者の名を付ける大胆なネーミングは、累計の売上高が1兆円を超える驚異的なヒットにつながった。その成功の裏にあったのが、古い茶業界で伝統と革新の"二兎"を追い続けてきた福寿園の経営だ。80歳の今なお茶文化を訪ねて世界を巡る福井会長の"二兎を追う"経営に迫る。
社長の金言
- 明日のため 伝統と革新の二兎を追うTweet
-
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
「伊右衛門」ヒットの裏に緑茶業界の異端児
緑茶飲料で後発のサントリーを、業界を牽引する存在に導いた「伊右衛門」。CMのイメージから福寿園を“京都の小さな老舗茶屋”と思っている人も少なくないが、実際には大規模な茶工場を構える年商121億円の企業。200年前の創業者が、福井伊右衛門だ。その名前をサントリーのペットボトルに冠する判断をしたのが、8代目で現会長の福井正憲。福井は、老舗として磨いてきた技術力とブランドを守りながら、大量生産品にも挑戦する“二兎を追う経営”で生き残ってきた。大胆な挑戦の象徴が、京都にそびえる福寿園の本店。客の好みにあわせるオーダーメード茶の販売から、茶葉を料理に取り入れたフランス料理まで…6つのフロアで様々なお茶の楽しみ方を満喫できる本店は、まるでお茶のテーマパークだ。「伊右衛門」誕生の舞台裏を始め福井流“老舗の革新”経営の真髄に迫る。
世界から日本茶を見つめる8代目
会長の福井が27歳の時、6代目の父親が若くして死去。その後、福井は兄と2人で福寿園を切り盛りしてきた。創業以来、福寿園は茶の卸だったが、福井の父は京都駅に直営店を構え、初めて「宇治茶」を売り出す独創的な発想の人物だった。父の思いを継ぎ、福井は百貨店に直営店を次々に出す。さらに職人技だったお茶の加工技術を機械化するなど、革新的な経営で事業を拡大してきた。大胆な発想を支えてきたのは、40年前から続けてきた“世界旅行”。世界中の“茶ビジネス”の現場を見たり、辺境の地で飲まれる茶文化に触れたり…そんな体験が他にない発想を生み、日本の茶業界を変えてきたのだ。
革新と伝統を両立…日本の茶文化の良さを伝える
福井が最近、宇治に作ったのが「福寿園 宇治工房」。ここでは、石臼で抹茶を挽くことや茶畑で摘んだ葉を自分で加工してお茶を煎れることなど様々な茶体験ができることが売りだ。福井は、この他にも一般企業向けに、おいしい茶の煎れ方を教える講習を開くなど日本の茶文化の良さを伝える取り組みを続けている。ペットボトル茶で成功する一方、宇治茶の伝統を守る福井の思いとは?
ゲストプロフィール
福井 正憲
- 1936年京都生まれ 同志社大卒業後、福寿園入社。
- 1990年社長就任(2013年 会長就任)
- 2004年「伊右衛門」発売。
企業プロフィール
- 福寿園
- 本社:京都府木津川市山城町上狛東作り道11
- 創業:1790年(寛政二年)
- 年商:121億 従業員:340人
「伊右衛門」は、「福寿園」の創業者名だ。ペットボトル製造販売自体「冒険」だったが、商品名に創業者の名前を使うという提案にはさすがに衝撃を受け、困惑もあったらしい。しかしサントリーの誠意ある対応もあって、福寿園は決断した。断崖から飛び降りるような決断だったはずで、しかもその瞬間、身を切るような重圧が生まれた。創業者名は絶対に汚してはならない、圧倒的においしいお茶を生み出す必要がある。その重圧こそが、伝統を守る変革の本質である。変革は、身を切るような決断によってのみ、実現される。

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