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2017年3月9日 放送
家族3世代が熱狂する
「超・非効率ファミレス」の全貌!

- 三宝 会長 金子 行宏(かねこ ゆきひろ)
- 三宝 社長 金子 博信(かねこ ひろのぶ)
消費低迷に悩まされる外食産業。1980年代に急増したファミリーレストランも苦戦を強いられている。そんなファミレス業界で、地元客から絶大な信頼を集め、売り上げを伸ばし続けている店が新潟にあった。それが、新潟に本社を置く「レストラン三宝」。業界内で大手チェーンでも苦戦すると言われる「新潟」にあるにも関わらず、「三宝」には、長蛇の列が...しかも、客の多くが家族連れのリピーターだという。なぜ「三宝」に客が集まるのか?効率主義を捨て、地域に愛されてきた異色のファミリーレストランの人気の秘密に迫る!
社長の金言
- 自宅で味わえない料理が地元客を呼ぶTweet
RYU’S EYE
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座右の銘
座右の銘
放送内容詳細
大手には真似できない!三宝流“非効率”経営
新潟駅から車で15分の幹線道路沿いの「レストラン三宝」。周辺に、大手ファミレスやハンバーガーチェーン店が軒を連ねる激戦区にあって、いつも地元客であふれかえる大人気店だ。業態は、いわゆる地方のファミリーレストランなのだが、大手のファミレスとは、全く別物のような店だという。大人数で食事を楽しんでいる客席を覗いてみると…。そこに並ぶのは、“天ぷら”“握り鮨”などの和食はもちろん、“ステーキ”や“オムライス”などの洋食、さらには“エビチリ”や“麻婆豆腐”などの中華まで・・・様々なジャンルの料理が並んでいる。しかも、その料理は手間暇を惜しまず、1つ1つ注文を受けてから手作り。しかも、なんと常時80種類以上のメニューを提供しているのだ。そして、料理だけではなく、客席も大手とは違い、座敷や小上がりが用意されているという。徹底して効率を追求する大手ファミレスとは一線を画する、異色のファミリーレストラン、その人気の秘密を探る。
親子二人三脚で作り上げた“お客が得をする”ファミリーレストラン
1967年に「街の中華屋さん」として創業し、その後、和食・洋食を問わず“おいしいものが何でも食べられるファミレス”に成長した「レストラン三宝」。いまでこそ大手に負けないファミレスチェーンとして地元客から熱狂的な支持を受けているが、過去には厳しい経験もあった。それは大手資本のファミレスに負けない店を目指していた創業者の行宏が3号店の出店を計画していた時のこと…これまで独学で経営を学んできた行宏は、東京のコンサルティング会社に出店のアドバイスを求めることを決断する。そして、そのコンサルティング会社に言われるがまま、東京で流行っている店を模した店を新潟市にオープンさせたのだ。店名から「三宝」の文字を消し「サンフランシスカン ナンバースリー」に。洋風な建物と瀟洒な内装のカフェのような店を作ったのだ。しかし、実際にオープンさせたものの、売り上げは、これまでの「三宝」には遠く及ばない店になり、長年「三宝」を支えてきてくれた料理長まで、その変化に対応できず、店を辞めてしまったという。そんな危機的状況の中で、創業者の行宏は、息子の博信を東京から呼び戻し、店の再建を託す。そんな博信が決断したことこそ、原点回帰。コンサルタントのアドバイスで作ったオシャレで効率的な店を「レストラン三宝」のような非効率ながら、家族連れがくつろげる店に改装。そして、店の儲けより、客が得する店へと変えていったという。親子二人三脚で生み出した異色のファミレス誕生秘話を徹底取材した。
永続企業になるために!従業員を幸せにする仕組みづくり
不振が続くファミレス業界で快進撃を続ける「三宝」が、去年、驚きの決断をした。それが黒字だった2店舗の閉店。なぜ、利益を上げている店を2店舗も閉鎖したのか?この決断の背景にあるものこそ、実は、いま「三宝」が目指している会社のあり方だという。「三宝」という会社をより良い会社にするために下した「閉鎖」という決断の本当の狙いに追った!
ゲストプロフィール
金子 行宏
- 1938年栃木県生まれ
- 1956年東京日比谷日活国際ホテル 就職
- 1967年レストラン三宝の前身となる中華料理屋を創業
- 2002年会長就任
企業プロフィール
- ■本社:新潟県新潟市西区鳥原1830-1
- ■創業:1967年
- ■売上高:42億6千万円(2016年4月期)
- ■従業員数:1014名(アルバイト・パート含む)
- ■店舗数:レストラン三宝6店舗
- 三宝亭34店舗 など計45店舗
金子 博信
- 1968年新潟県生まれ
- 1987年東京レストラン経営専門学院を中退し三宝に入社
- 2002年社長就任
企業プロフィール

最近、ファミリーレストランの本質を追究する店が増えていると感じる。しかも、それらの多くは「地方」に根を下ろしている。「三宝」は、その典型で、「真のファミリーレストランを目指す」と明言する。フレンチシェフだった父・行宏氏は、技術を封印し、中華を選んだ。結果、「本当に人を喜ばすことができる料理を作るのは簡単ではない」という哲学が生まれたのではないか。アイデア満載の豊富なメニュー、家族がくつろげる空間、そして高度な調理技術と接客、すべて完璧だ。激安競争から無縁であり、かつ無敵である。