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2017年5月11日 放送
おいしい!ヘルシー!ユニーク商品を連発する
老舗が生んだチームワーク経営術の全貌!

- タマノイ酢 代表取締役社長 播野 勤(はりの つとむ)
「はちみつ黒酢ダイエット」を業界に先駆けて発売し"お酢ドリンク"のパイオニア企業と言われる110年の歴史を持つ老舗醸造酢メーカー、タマノイ酢。実は、お酢業界では、ミツカン、キユーピー醸造に次ぐ、業界3位のメーカーだ。強さの秘密は、他社がまだ手をつけていない"ユニーク商品"を生み出す企画力。そこには社長の播野が仕掛ける「若手をあえて最前線におき、会社全体で、それを支える」という独自の"チームワーク戦略"があった。なぜタマノイ酢は老舗にも関わらず、大手にはない斬新な商品で新たな市場を開拓し、ブームを起こすことができたのか?独自すぎる開発力の秘密に迫る!
社長の金言
- 会社は社員の生きがいを実現する場Tweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
老舗に若者だらけ!?チームワーク経営で支えられる、ユニーク商品連発の秘密
タマノイ酢が業界に先駆けて、ユニーク商品を生み出してきたのには、秘密がある。それが、社長の播野が始めた「若手社員を最前線に立たせながら、新商品開発を行う」という、常識破りの組織の作り方にある。実は、タマノイ酢では、入社1、2年目の社員に、新商品の開発や大手企業との商談などを積極的に任せている。若手に仕事を任せることで、業界の先例などにとらわれない独自の新商品を生み出せてきたという。ただ、何でも若手に任せっきりという訳ではない。実は、タマノイ酢には、ベテラン社員が若手を細かくフォローできる独自の仕組みがあった!経験のない若手が最前線でユニーク商品を生み出せる、独自すぎるチームワーク経営の全貌を徹底取材した!
数か月ペースで部署異動!独自すぎる人事戦略!?
タマノイ酢では数ヶ月毎に突然、オフィスの掲示板に異動通知が書かれた紙が貼り出される。播野は、社員たちも驚くような人事異動を、社長就任以来続けてきた。文系、理系出身者も分け隔てなく、文系大学出身者が研究部門に配属されることもあれば、理系の大学院を卒業した社員が営業職に就くこともある。頻繁に人事異動を行えば、その部署に常に新しい風、つまり、人材やアイデアが入ってくる。こうして播野は、老舗でも進化し続ける組織、タマノイ酢を作り上げてきた。この仕組みを生んだ知られざる歴史に迫る!
会社を“夢”を叶える舞台に!タマノイ酢が生んだ“超・働き方改革”の秘密
どんなに仕事をしたくても、本社の消灯時間は夜8時。実は、タマノイ酢には夜8時になると強制退社しなければいけないルールがある。しかも、この制度、昨今、叫ばれる“働き方改革”を意識したものではなく、2014年から実践している。さらに「キャリア制社員」という独自の制度も生み出している。これは「アスリートや芸術、芸能などの世界に挑戦したい」と夢を追いかけている若者を期限付きで採用する仕組み。仕事の中身や福利厚生は、正社員と変わらないが、残業は一切なし。5年間という期限付きだが「社会人の勉強しながら、夢を追いかけてほしい」という播野の思いで作ったという。「いつかタマノイ酢で育った人材が、様々な産業分野で活躍する日が来て、タマノイ酢での経験があったからこそ」と言ってもらえる会社になることが、タマノイ酢の進化に繫がると幡野は考えている。
ゲストプロフィール
播野 勤
- 1953年大阪府生まれ
- 1976年成蹊大学卒業 ソントン食品入社
- 1979年タマノ井酢(現 タマノイ酢)入社
- 1980年日本生産性本部(現 社会経済生産性本部)出向
- 1991年代表取締役社長
企業プロフィール
- 会社名:タマノイ酢
- 創業:1907年(明治40年)
- 従業員数:300人
- 主要製品:はちみつ黒酢ダイエット、すしのこ、穀物酢、米酢

給与が上がらない時代、従業員のやる気を引き出し、維持するのはむずかしい。播野さんは、社長になってから1年間、全国の営業所、問屋を回り、数千人と会って営業のトレーニングを積んだあと、社員研修に着手した。「恐竜ではなくゴキブリになれ」と、最優先で変化への対応力を求め、人の生きがいこそが目的で、会社はその手段に過ぎないと明言する。酢は、なくなることはないが、今後大きく消費が増えることもない。そんな状況でどう生き延びるのか、タマノイ酢の成果は多くのことを示唆している。