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2017年10月26日 放送
酪農家と共に成長を目指す!
業界の異端児が仕掛けるサバイバル術

- よつ葉乳業 社長 有田 真(ありた まこと)
老舗洋菓子メーカーや有名ホテルが愛用する絶品バターがある。それを作っているのが、こだわり主婦などから絶大な信頼を集める『よつ葉乳業』。乳業メーカーとしては、後発ながら北海道バターの国内トップシェアを誇り、売上高1000億円を超える企業だ。そんな「よつ葉乳業」は「生産者と共に成長を目指す」という理念を持ち、それを愚直に実践してきた。大手メーカーでありながら、酪農家のための商品を作り続け、酪農家と共に成長することを選んできた業界の異端児が、長い闘いの歴史の中で生み出した、独自すぎるサバイバル術に迫る!
社長の金言
- 利益追求だけじゃない 生き方を貫くTweet
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
生産者と二人三脚!原料の生乳にこだわる「よつ葉乳業」の秘密!
東京・広尾に去年オープンした軽井沢発の大人気のベーカリー「沢村」。この店で熱狂的ファンを生んでいる商品がある。「バターがジュワッと中からシミ出てくる感じ」「やみつきになる」と客が絶賛する、自慢のクロワッサンだ。この大人気クロワッサンに使われているのが、北海道のよつ葉乳業が作ったバター。「よつ葉」は酪農王国、北海道の十勝地方で、こだわりの牛乳・チーズ・バターなどの乳製品を作ってきた乳業メーカーだ。だが、乳製品の「おいしさ」に対しては、大手メーカーとは思えないほど、こだわり抜いている。例えば、牛乳では、「特選」と表記するために必要な国の基準を上回る厳しい社内基準を設定し、その基準値を下回る生乳は牛乳として使わないという、こだわりぶり。こうした厳しい基準を設けている理由…それこそ「生産者が作った生乳を無駄にせず、付加価値をつけて適正な価格で売り、そこで得た利益を酪農家に還元する」という「よつ葉」のポリシーにある。他の大手メーカーとは一線を画す戦略で、酪農家と消費者から信頼を勝ち取ってきた「よつ葉乳業」。激しい競争が繰り広げられている業界の中で存在感を示してきた、独自すぎるサバイバル術の全貌に迫る!
北海道に農村ユートピアを作れ!大手と闘い、生き残ったサバイバル術!
50年前、北海道の酪農家は、大手の乳業メーカーに価格決定権を握られる厳しい環境にさらされていた。一生懸命、牛を育てて生乳を作っても、大手メーカーに買い叩かれ貧しい生活を送る。そんな状況を何とか変えようと立ち上がったのが、よつ葉乳業の創業者・太田寛一だ。太田はヨーロッパの酪農家を視察。酪農家が自ら加工品を製造し、それを販売することで誇りを持って働く実態を見て、北海道に「農村ユートピア」を作ろうと決意。十勝地方の8つの農協が出資する加工会社の設立に動き出す。しかし、その計画が表沙汰になると、大手乳業メーカーから執拗な嫌がらせを受けるようになったという。北海道に酪農家の理想郷を作るために格闘した、よつ葉乳業の創業者・太田寛一の波乱万丈な人生を徹底取材した!
若手酪農家の夢を応援する独自戦略!
後継者不足が深刻な日本の農業。北海道の酪農も例外ではなく、年間200軒の農家が離農しているという。この問題解決の為「よつ葉乳業」が打ち出した新たな戦略こそ「酪農家と共に成長する」というポリシーに基づく若手酪農家の支援だ。有田は、海外視察を用意し、先進的な酪農を学んでもらうことで、新規参入や事業拡大を目論む若手の意識改革を進めている。北海道に芽吹き始めた新しい酪農の姿を追った!
ゲストプロフィール
有田 真
- 1955年後志管内余市町出身、岩手大学卒業
- 1981年北海道農協乳業(現・よつ葉乳業)に入社
- 2006年営業本部乳製品統括部長
- 2010年取締役営業本部長
- 2015年代表取締役社長に就任
企業プロフィール
- 創 業:1967年
- 住 所:北海道札幌市中央区北4条西1丁目1番地
- 従業員:793名(平成29年3月31日現在)
- 売上高:1,027億円(平成28年度)

日本の乳業は、北海道の開発と、ほぼ同時期に興った。わたしは「よつ葉」のバターが好きだ。こくがあるのに、どこか味が優しく、脂肪分をあまり感じさせない。「よつ葉」は歴史的に、「酪農家に寄り添ってきた」と言われる。だが、その表現は充分ではない。当時の大手乳業との、壮絶な確執を経て誕生したときから、「よつ葉」と「酪農家」は単なるメーカーと取引先ではなかった。「運命共同体」だった。だから両者は、お互いのため、消費者のためを思い全力を尽くし、それが「どこか優しい味」を生んでいるのだと思う。