バックナンバー
2019年6月13日 放送
2人合わせて164歳!洋食にかける男達の飽くなき挑戦

- グリル満天星 社長 三宅 尚典(みやけ よしのり)
- グリル満天星 総料理長 窪田 好直(くぼた よしなお)
東京・麻布の裏通りに、常連客に愛される洋食屋「グリル満天星」がある。オムレツライスやハンバーグ、ロールキャベツ等、どのメニューも客から絶賛の声が上がる。人気の理由は、「ここまでやるか!?」とばかりに、手間暇かけて調理する日本人向けの洋食の数々。自慢のデミグラスソースは1週間もかけて仕込む。「日本人の舌に合う洋食を作ろう」と41年前に誓い合ったのが、元ホテルマンで現社長の三宅と、フレンチ出身で総料理長の窪田。
2人の合計年齢は164歳。洋食にかける男たちの、飽くなき挑戦の歴史を取材した。
-
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
手間暇かけて、極上の洋食を!
都内に8店舗を展開する「グリル満天星」。丸ビル内にある店では、客の約半数がオムレツライスを注文するという。人気の理由は、手間を惜しまない調理にある。8種類もの具材を混ぜ、2日間掛けて仕込む西洋風炊き込みご飯をフワフワの卵で包み、そこに1週間かけて作る自家製デミグラソースを合わせる、といった具合。他にも食材選びや、日本人の舌に合う、きめ細やかな調理も行う。さらに羽田空港の国際線ターミナルにある店では、外国人も好むメニュー開発にも取り組むなど、常に新たな試みを展開し続けている。78歳の社長・三宅と、86歳の総料理長窪田の、老いてもなお果敢に攻め続ける気概に迫る。
フレンチの達人と元ホテルマン三宅の最強タッグ
社長の三宅尚典は幼少の頃、母親が作る料理が大好きだったという。家業はそんな母が料理を作る給食ビジネス。三宅は慶応大学卒業後、家業を継がずパレスホテルに就職。そこで、本格フレンチに出会い、「いつか自分の洋食店を持ちたい」と思うように。一方、総料理長の窪田は中学卒業後、毎日新聞社に入社。食堂で給食作りに励む。その後、宮内庁御用達の丸の内会館に移り、料理人として頭角を現す。そんな二人が出会い、本格的な洋食屋さんを始めることに。日本で唯一無二の洋食店を作ろうと誓った三宅と窪田のヒストリー。
カラダに優しい洋食を目指す!
窪田が腕をふるう独自のヘルシー料理は、フランス料理の伝統的な手法をベースにしながら、野菜をふんだんに用いたり、ソースにもコンソメを使うことで濃厚な風味を落とすことなく、新たな客の取り込みに成功。2年前からは、糖質制限食(ロカボ)への取り組みも行なっている。美味しくてヘルシーという、新たな洋食の提案にも取り組む。
ゲストプロフィール
三宅 尚典
- 1941年東京都大田区出身
- 1963年慶応義塾大学卒業後、パレスホテルに入社
- 1978年ファイン フード システムズに専務取締役として入社
- 1980年社長に就任
窪田 好直
- 1932年東京都麹町出身
- 1948年毎日新聞社 写真部入社
- 1951年毎日新聞社 厚生部食堂
- 1954年丸の内会館入社
- 1978年ファイン フード システムズの総料理長に
企業プロフィール
- 本 社:東京都港区赤坂3-21-6
- 創 業:1954年
- 資本金:1000万円
- 売上高:約14億5000万円
- 従業員数:250名(社員51人/パート・アルバイト199人)
- 店舗数:国内レストラン8店舗
給食事業3箇所、海外2店舗

「村上龍がハヤシライスを食べ続けるのを止めさせろ」副調整室から指示が出たらしい。本来スタジオでの試食が苦手なのだが、かなり食べ続け、「龍さん、そろそろ収録しないと」と小池さんに言われて止まった。子どものころ、たまに家族で食べた洋食。シェフの主張ではなく、客の笑顔のために丹念に作られた料理。懐かしく優しい味。三宅社長と窪田シェフの出会いは奇跡的で、二人は長い付き合いだが「仲良し」ではない。だが、現代では消えつつある「信頼」で結ばれている。「言いたいことは全部言う」が基本となる信頼である。