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2021年5月13日 放送
「食べチョク」急成長の秘密

- 食べチョク 代表 秋元 里奈(あきもと りな)
1年以上続くコロナ禍で人々の生活が激変している。これまでスーパーマーケットで買うのが一般的だった生鮮食品でさえも、ネット通販で購入する人が増えた。そうした中、急速に会員数を増やしているのが、産地直送のネット通販サイト「食べチョク」だ。「食べチョク」は農家や漁師と一般家庭を直接つなぐ、いわば"オンライン直売所"。消費者だけでなく、飲食店の時短営業やイベントの中止によって卸先を失った生産者からも歓迎されているという。「食べチョク」を運営するのは、ビビッドガーデンというスタートアップ企業。率いるのは、毎日同じデザインのTシャツを着る30歳の社長、秋元里奈だ。果たして、"Tシャツ起業家"は苦しむ生産者を救えるのか!?
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
急成長する“オンライン直売所”!人気の秘密とは?
「食べチョク」がスタートしたのは、2017年。当初は売り上げがたったの2万円という月もあったという。しかし、コツコツとサービスを拡充してきた結果、コロナ禍を機に急成長を果たした。コロナ禍の前に1万人だった会員数は一気に膨れ上がり、今年3月末には48万人。去年1年間で流通総額は数十億円にまで拡大した。人気の秘密は安心感だ。オーガニックなど生産方法の基準を設けて、出店する生産者を厳選。サイトには「生産者の顔が見える」情報を掲載。お客が生産者と直接やりとりして、食べ方などを質問することもできるようにした。近所のスーパーでは手に入らない野菜を買える楽しさを知った消費者が、次々とリピーターになったという。一方で、生産者からの信頼も厚い。秋元は全国各地の農家や漁師を訪ね歩き、直接悩みを聞いて、売り方のアドバイスをしてきた。コロナ禍で飲食店やイベントへの出荷が止まり、困窮する生産者たちへの支援も行った。その結果、新たな販路を求める生産者たちが続々と集まり、いまや出店は4000軒を超える。
“生産者ファースト”を掲げて起業
慶応大学理工学部を卒業し、IT企業のDeNAに入社した秋元だったが、3年後に転機が訪れる。きっかけは、久しぶりに相模原市の実家に帰った時に見た光景だった。実家はかつて農業を営んでいたが、「儲からない」と廃業。荒れ果てた耕作放棄地になっていたのだ。「生産者のこだわりが正当に評価されるよう、農業に貢献したい」。そう考えた秋元は“生産者ファースト”をかかげて、ビビッドガーデンの起業を決意する。しかし、「農業関連はビジネスとして厳しい」と、70社以上に出資を断られた。秋元はこのピンチをどう乗り越えたのか?
高齢世代もネット通販に呼び込め!
ネットでのサイト開設は高齢農家にとってはハードルが高く、新たな販路の開拓を諦めてきた人も多かったという。そうした農家もネット通販に呼び込もうと、秋元が仕掛けた“ご近所出品”とは?
ゲストプロフィール
秋元 里奈
- 1991年神奈川県生まれ
- 2013年慶応大学理工学部卒業後、DeNA入社
- 2016年退社し、ビビットガーデン設立
- 2017年「食べチョク」をスタート
企業プロフィール
- 設 立:2016年11月29日
- 所在地:〒105-0013東京都港区浜松町1-7-3 第一ビル4F

秋元さんは2019年に2億円必要だった。70社に断られ、出資がまとまるまで9ヶ月かかった。農業の領域は厳しいと弁解した相手には「それは会う前にわかってましたよね」と対応した。コロナで苦しんでいる生産者を一人でも多く救う、社員もそのことを共有し、走った。「食べチョク」の認知度は驚くほど伸びた。ところで、秋元さんは美人だ。誰も指摘しないのでわたしが言った。コミュニケーションを磨くときれいになる人がいる、それがこの人だ。