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2021年12月23日 放送
カセットこんろの王者が挑む
新時代エネルギー革命!

- 岩谷産業 会長兼CEO 牧野 明次(まきの あきじ)
冬の鍋料理に活躍するのがカセットこんろ。カセットガスを差し込むだけで着火できる手軽さから、食卓に普及している。煙の出ない焼肉専用やたこ焼き専用など、今では商品の種類も豊富。コロナ禍でブームになっているキャンプでも、風に強いタイプや、コンパクトに折り畳めるタイプが人気となっている。そのカセットこんろ関連市場で圧倒的なシェアを誇るのが、大阪に本社を構える岩谷産業だ。実は、カセットこんろ関連は売り上げ全体のごく一部にすぎない。都市ガスが整備されていない地域へのプロパンガスの供給や、企業向けの産業用ガスなど、巨大なエネルギー事業を行っている。カセットこんろからロケット燃料まで、次々とエネルギー革命を起こしてきたイワタニ。新時代に向けたプロジェクトの全貌に迫る。
社長の金言
- 引き継がれた熱意が夢を実現させるTweet
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
「台所革命」を起こした創業者
岩谷産業の創業者は岩谷直治。戦後、日本で初めて家庭用プロパンガスを発売したことで知られる。それまで炊事のために毎日薪で火起こしをしなければならなかった主婦たちの苦労を取り除き、「台所革命」と呼ばれた。1964年の東京オリンピック開会式では、岩谷産業のプロパンガスが使用される。さらに、1969年には、“ホースノンこんろ”として初のカセットこんろ「カセットフー」を発売。ガス栓からホースを引っ張る必要がないことから、食卓の光景を変えた。次々と革命を起こしてきた岩谷産業の歴史とは?
新エネルギーで「脱炭素社会」を目指す
岩谷産業が次に目指すのは水素社会。創業者の岩谷は「水素こそ人類の究極のクリーンエネルギー」と考え、まだエネルギーとしての市場性が見えなかった時代から、愚直に研究開発を続けてきた。その夢が結実したのが、1986年。種子島宇宙センターから打ち上げられたロケットの燃料に、岩谷産業の液化水素が使われたのだ。いま、創業者のバトンを受け継ぎ、「水素社会」の実現に向けて情熱を燃やすのが、会長の牧野明次。牧野は水素を普及させるために、次々と手を打ってきた。奇しくも現在の社会課題は「脱炭素」。脱炭素社会の未来を占う、牧野の壮大なプロジェクトに迫る。
ゲストプロフィール
牧野 明次
- 1941年東大阪市生まれ
- 1965年大阪経済大学卒業後、岩谷産業へ入社
- 2000年社長就任
- 2012年現職
企業プロフィール
- 会社名:岩谷産業
- 本 社:大阪市中央区本町3-6-4
- 創 業:1930年
- 売上高:6,355億円(連結ベース)
- 従業員数:110,130名(連結ベース)

岩谷は、可愛い顔をして、地面に巨体を隠している、怪獣に似ている。有名なのはカセットコンロだけだが、売上の3%にも満たない。LPG分野で日本の市場占有率1位の総合エネルギー企業だ。そんな会社がカセットコンロを作っているのが可愛い。牧野さんは、102歳まで生きた創業者に信頼されていた。創業者は15歳で運送会社に勤め、酸素ボンベの扱いを覚え、27歳で自分の店を持つ。二人の共通の夢は水素だった。その夢は、実現に向けて、日々進化している。