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2026年3月12日 放送
放送20年の総決算 スペシャル月間 第2弾
"ニッポンの食"グローバル化の未来
- 獺祭 会長 桜井 博志(さくらい ひろし)
- 獺祭 社長 桜井 一宏(さくらい かずひろ)
山口県岩国市の山奥にある小さな酒蔵から生まれた日本酒「獺祭」。いまやニューヨークやパリをはじめ、世界の一流レストランで提供され、ハリウッドのアカデミー賞公式酒にも採用されるなど、日本酒の枠を超えたグローバルブランドへと成長している。この獺祭を率いてきたのが、三代目当主・桜井博志会長。そして現在、その志と経営を引き継ぐのが、四代目として舵を取る桜井一宏社長だ。倒産寸前だった地方の酒蔵は、いかにして世界から注目される存在へと変貌したのか。そして今、日本酒は“日本の伝統文化”から“世界の食文化”になり得るのか。酒造りと経営の常識を次々と打ち破ってきた二代にわたる挑戦を通して、“ニッポンの食”の可能性と、グローバル化の行く末に迫る。
放送内容詳細
あの“獺祭”がさらに進化!
獺祭(旧・旭酒造)の創業は1948年。かつては品質より価格を重視した商品が中心で、出荷量は地元・岩国市内でも4番手という小規模な酒蔵だった。1984年、父の急逝によって博志が跡を継いだ時には、売り上げは10年で3分の1にまで減少。日本酒業界全体も右肩下がりで、旭酒造は倒産寸前の状況だった。紙パック酒の製造や値引き販売など、あの手この手で立て直しを図るが、一時的にはうまくいっても長くは続かない状況。そこで博志は品質重視の酒造りへと舵を切り、純米大吟醸に一本化。6年の歳月をかけて完成したのが「獺祭」だ。杜氏の勘と経験に頼る酒造りを見直し、社員による製造体制へ。温度や発酵を数値化し、データで管理。さらに冬場だけの仕込みをやめ、一年中酒造りを行う“四季醸造”体制を整え、純米大吟醸の量産を実現した。そして今、酒造りを行なう若い社員たちが経験を積んだことで、“データ”と“職人の勘”が融合。さらに原料の酒米「山田錦」のコンテストを主催し、より質の高い米の仕入れにも取り組み、その味を進化させ続けている。
“獺祭”世界への挑戦
2016年、博志は経営の一線を退き、会長に就任。事業を引き継ぎ社長に就任したのが長男の一宏だ。一宏が担うテーマは、海外市場の本格開拓。一宏は入社以来、単身、ニューヨークで地道な営業を続け、海外市場を切り拓いて聞いた。そして2023年、ニューヨーク州ハイドパークに海外初の酒蔵を設立。完成品を輸出するのではなく、現地で酒を造るという挑戦に踏み出す。この蔵で生まれたのが、アメリカ市場向けブランド「DASSAI BLUE」。さらに社名を「旭酒造」から「獺祭」へ変更。ブランドと経営を完全に一致させ、世界で戦っている。2025年には国際宇宙ステーションに原料を打ち上げ、世界初の宇宙醸造にも挑戦。果たして日本酒は世界の“SAKE”になりえるのか。父が切り開いた“常識破り”の酒造りを受け継いだ息子の未来を懸けた挑戦は、今も続いている。
日本食グローバル化の未来は?
ニューヨークでもう一つ、日本食のグローバル化に挑戦する企業が博多発祥のラーメン専門店「一風堂」を運営する力の源ホールディングスだ。2008年、ニューヨークに海外1号店を出店して以来、海外進出を推し進め、現在、海外15カ国・地域に140店舗を出店している。2025年には、ヴィーガン専門店やハラル専門店などを出店。さらにニューヨークにラーメンだけでなく、日本酒や和食を充実させたダイニングレストランをオープンさせるなど、世界中に日本の食文化を広める取り組みを続けている。
ゲストプロフィール
桜井 博志
- 1950年山口県生まれ
- 1973年松山商科大学 卒業
- 1976年旭酒造(現獺祭)入社
- 1984年代表取締役社長 就任
- 2016年代表取締役会長 就任
企業プロフィール
- 本社:山口県岩国市周東町獺越2167-4
- 設立:1948年
- 売上高:213億円(2025年9月期)
- 社員数:320名(2025年12月現在)
桜井 一宏
- 1976年山口県生まれ
- 2003年早稲田大学社会科学部 卒業
- 2006年旭酒造(現獺祭)入社
- 2010年取締役副社長 就任
- 2016年代表取締役社長 就任
由来は、獺(かわうそ)が捕らえた魚を岸に並べ、まるで祭りをするように見えることから、「参考資料」を並べることを指す。明治時代、日本文学を代表すると称された正岡子規が自らを「獺祭書主人」と号した。早世したが、酒は生きて「外に外に」という精神で発展を続けている。地元から、外の市場に可能性を見てきたのだ。まずは東京で、無名の酒を、飲食店や居酒屋を回り営業した。著名なフランス人シェフと組んだり、2023年にはNYに酒蔵を開設した。獺祭のチャレンジは、苦難の連続だが、止むことがない。

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