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用語解説

森田豊先生

森田豊先生による「ドクター調査班」医療用語解説

医療ドラマは聞き慣れない用語が並び、難しい印象がありますよね。
そこで!ドラマの医療監修を担当して頂いている森田豊先生が各話に出てくる医療用語をピックアップして、放送前に分かりやすく解説します!

医療解説 第一話 医師・医療ジャーナリスト 森田豊(医療監修)

[ ふくくうきょうしゅじゅつ ]

腹腔鏡手術

お臍や腹部に3~15mmの小さな穴をいくつか開け、炭酸ガスを入れたりお腹を吊り上げたりしてスペースを作り、そこから筒状のスコープや様々な器具をいれて手術を行う。複数の術者らが、手術中にモニター画面に映し出される画像を見ながら、慎重に操作を行っていく。従来の開腹による手術に比べて、傷が目立たず、手術後の痛みも軽く、入院期間も短くなる。ただし、高度な技術が要求されること、特殊な器具が必要なこと、全身麻酔が必要なことなども特徴である。内臓脂肪が多かったり、癒着が強い場合は、最初から腹腔鏡手術の対象とならないこともあり、また手術の途中から開腹手術に移行する場合もある。腹部の臓器に関しては腹腔鏡手術を行うが、肺の手術をするときには胸腔鏡手術、ひざの関節などの手術をするときは関節鏡手術を行うことも多くなっている。

[ いかいよう ]

胃潰瘍

胃の中には、食べ物を粥状に消化するための分泌液である胃酸があるが、何らかの原因によって働きが高まってしまい、胃壁の表面にある胃粘膜を消化してしまい、胃壁がただれて傷ついて、ひどい時には筋肉までえぐりとられてしまう状態をいう。胃粘膜の変化が浅い場合には、びらんと呼び、深い場合には、潰瘍と呼ばれる。原因としては、ストレスや暴飲暴食、アルコールの過剰摂取、喫煙、鎮痛剤の長期服用、ピロリ菌の感染などが考えられている。症状としては、みぞおちの痛み、胸やけ、出血(黒い吐血や下血)などが生じる。上部消化管検査(胃カメラなど)で、胃潰瘍が見つかったら、念のため、がん細胞がないかどうかを、組織をとって調べる。がん細胞がなければ、ほとんどは、胃酸を抑える薬と食事療法を含む生活指導で治療できるが、胃に穴があくような重症例や出血が多い例では手術が必要である

[ じんふぜん ]

腎不全

腎臓は腹部にある臓器で、通常は左右に一つずつ存在する。主な働きは、血液をろ過して、尿をつくることで、老廃物やミネラルを尿として体の外に排出させ、体の中の水分やミネラルの濃度を調整すること。腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態を、腎不全と呼び、10%未満まで進行すると末期腎不全とよばれる。腎不全の原因は、糖尿病、高血圧、免疫の異常、感染症、薬に対するアレルギーなどである。悪化した例では、むくみ、吐き気、かゆみなどが生じる。軽症例や腎不全になって間もない状態では、原因の除去、食事などの生活習慣の改善など、適切な治療で治癒が期待できるが、重症化した例では、人工透析治療が必要となる。根治的な治療法は腎移植があるが、腎臓を提供するドナー不足のために、いまだ、ごくわずかの人しか治療を受けていない。体に備わった健常な二つの腎臓のうち、仮に一つを失っても、残った腎臓の働きが補うので支障はない。

[ じんぜんてきしゅつじゅつ じんぶぶんせつじょじゅつ ]

腎全摘出術 腎部分切除術

腎臓に腫瘍があり、腎臓がんの疑いが髙い場合には、片方の腎臓をすべて摘出する腎全摘出術が従来から行われてきた。片側の腎臓を摘出しても、反対側の残っている腎臓が正常に働いていれば、術後の生活に支障はない。しかし、残す方の腎臓の働きが低下していたり、すでに腎臓が一つしかない場合に、腎全摘出術を行うと、手術後に人工透析を行わなければならない状況が生じうる。その場合には、腫瘍とその周囲だけを切除して、手術を行った側の腎臓の働きを温存させる腎部分切除術が行われる。最近では、左右の腎臓の働きが正常であっても、腫瘍のサイズが4cm以下と小さく、腎臓の中にとどまっている場合には、腎全摘出術でなく、腎部分切除術を行うことも多い(再発率や生存率に差がないことから)。いずれも開腹術で行う場合と、腹腔鏡手術で行う場合がある。

各回の医療解説

医師・医療ジャーナリスト 森田豊 (医療監修)

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