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だまされるな!アオイホノオ11のひみつ

庵野・山賀・赤井を含むクリエイティブ集団を指揮していた重要人物、岡田斗司夫が、物語の舞台である1980年代の世相や裏話を語ります!

岡田斗司夫プロフィール

7/19 更新第一話「長き戦いのはじまり」のひみつ

焔モユルの本棚

80年代前半のマニアック男子、という設定にぴったりの本棚。
横山光輝の「あばれ天童」を入れるセンス、ナイスです!松本零士の著作は「スタンレーの魔女」「ミライザーバン」を選んだのは偉い!
「スタンレー」は少年サンデー掲載の戦場マンガシリーズで、最後の1ページで読者を驚愕させた名作中の名作。サンデーコミックス版の表紙もカラー原稿が美しい。
「ミライザーバン」は松本作画・デザインが頂点を極めた時代の代表作。
ジョージ秋山の「ザ・ムーン」を入れたのは、これは順当なチョイスだけど、ながやす巧を忘れなかったのはさすが。当時のながやすは「白黒の魔術師」と呼ばれ、粗悪な少年週刊誌の印刷上で「最も美しく見える原稿」を書くので有名だった。マンガ家を目指すモユルが押さえておくべき作家である。

「ナイン」吹き替え

「死ぬ!恥ずかしくて死ぬ!こんなもん、オンエアするな!」と当時のファン達が絶叫しそうなマンガ読みあげシーン。特にラストページのこっぱずかしいポエムのあとに、サンデー表紙の「プロゴルファー猿」がどUPで写るカット割りは、本当に福田監督の人格の悪さを表していてサイコー(いろんな意味で)である。

芸大バス

近鉄・喜志駅より大阪芸大のキャンパスまで走るバス。現在は坂の上のバス停まで昇ってくれるが、80年代は坂下のロータリーまでしか行ってくれなかった。そのため、学生はあの長ーい坂を徒歩で登るしかなかったのだ。

教室の風景

メインキャストだけで無く、エキストラのみなさんも男子はシャツをパンツにインしてるのに注目!そうです、あの時代、男たちはみんな「シャツはズボンに入れる」だったのです。
あえて不満を言うなら、男子のロン毛率が低すぎ。三人に一人が肩以上に伸ばしていたはず。

大学教授

モデルになったのは大阪芸大で当時、教えておられた依田(よだ)教授。
依田さんは黒澤映画の脚本家を務め(※)、ジョージ・ルーカスが尊敬のあまりスターウォーズのヨーダのモデルになった、という噂があったほど国際的に有名な先生。

(※)訂正
「依田さんは黒澤映画の脚本家を務め」
依田義賢教授は、黒澤映画ではなくて溝口健二映画の脚本家。
Twitterで指摘してくれた諸氏に感謝!

「焔くん、才能ありすぎ~」

こういう一連のとんこさんのセリフが、以後どんどんモユルを追い詰めていく。まさに悪女。原作では無自覚に描かれていたとんこの「無自覚な悪女」っぷりをドラマ版では福田監督の性格の悪さゆえに思いきりクローズアップして描いている。

庵野ヒデアキのパラパラマンガ

フィアット500が落下して山口県警のパトカーを押しつぶす。(※)
フィアットは「ルパン三世 カリオストロの城」でルパンと次元が乗り倒した小型車。同アニメ内では埼玉県警のパトカーだったが、庵野秀明は出身地の山口県警としてリメイクした。つまりこのアニメはパロディなのだ。
ちなみに、後に赤井孝美は「ガラスなどの破片が三角形なのは、庵野の発明」と語る。
三角形とは最低の工程数で描ける図形でありながら、作画上で乱舞させると「ちゃんと破片に見える」のがすごいそうだ。

(※)訂正
「フィアット500が落下して山口県警のパトカーを押しつぶす。」
フィアットではなく、スズキ・フロンテ。
当時も間違えて庵野君に注意されたけど、どうしても間違った方を覚えてしまっているよなぁ。
これまたTwitterで指摘されて気がついた。

「ほなら肝心の内容の方は、ちゃちゃっと適当にやろか?」
「なぜ肝心の内容の方は、ちゃちゃっと適当にやるんだ!?」

これは南が正しくて、焔が間違っている。集団作業のアマチュア映画、特に提出課題でいちばん大事なのは「現場のノリと、納品スケジュール」だからだ。
内容なんて、どうせ作ってるうちに楽しくなって懲りまくるに決まってる。
だから最初に決めるのは「ちゃちゃっと適当に」で充分。
逆にモユルのように構図や動き、効果を決めつけようとしても、俳優やカメラがそれに追いつかない。
アマチュアの実写現場でもっとも大事なのは「完成させる」「その中でベターを探す」という現場主義なのだ。

ゴジラの看板

大阪芸大・映像計画学科の前には、いまだにこの看板がある。

「BIG-RUN」

先日のスタッフ打ち上げで、試写を見た赤井孝美と山賀博之がこのシーンで絶句。
「すごい!あのダメなフィルムのまんまだ!」
それほど島本和彦のデビュー映画はダメであり、本ドラマでのダメさ再現率は監督の人の悪さに比例するかのごとく劇的に高いのだ。
しかし、実際のフィルムは音が割れて聞こえにくく、これよりももっとずっと面白くなかったそうだ。

クライマックスのモユルのセリフ

トンコさんに庵野たちのウルトラマンの素晴らしさを説明するモユル。
このシーンが感動的なのは、大受けしている観客の中で唯一、モユルだけが庵野たちの恐るべき才能や技術、アイデアを見抜いたから。
モユルは周囲の観客とは違い、「天才の才能を見抜くだけの才能」は持っていた。しかし不幸にも「天才の作品を作る才能」は持ち合わせていないのだ。
だからこそモユルは周囲に怒る。「なぜ拍手する!なぜ絶望しない!」と。
この悲劇。まさしく第1話のクライマックスは「アマデウス」でのサリエリのジレンマだ。
天才モーツァルトの登場で、才能ある凡人サリエリは激しく悩み嫉妬する。彼だけがモーツァルトの天才性を理解し、評価していた。しかし彼には「そこまでの才能」しか与えられず、嫉妬に狂って最後はモーツァルトを毒殺してしまう。
原作にはないこのモユルの長いひとり語りは、福田監督による「アマデウス」の翻案、と読むこともできる。

※あくまで岡田斗司夫さんの個人的な感想であり、事実とは異なる可能性もあります。

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