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2011年11月24日 放送
年を取っても旅したい!
不可能を可能にする、高齢化時代の旅行のプロ

- SPI(エスピーアイ) 代表取締役 篠塚 恭一(しのづか・きょういち)
「高齢の母親を連れて、家族で温泉旅行に行きたい」「介護施設に入っている母親を墓参りに連れて行きたい」。そんな願いを叶えてくれる介護付き旅行専門の会社が、SPIだ。足腰が弱ったり介護が必要となったりしてしまえば、旅行などできなくなってしまう中で、SPIは介護と旅行のプロを育て、新たな旅行ビジネスを展開している。
だが実際には、介護が必要な高齢者の旅行には、様々なハードルがある。移動から食事、バリアフリーの宿泊場所の手配など...。そんな不可能をも可能にする、SPIの独自のノウハウとは? 一方、観光客の減少に苦しむ伊豆の温泉町が、SPIの力を借りて、高齢者の観光誘致に乗り出した!
超高齢化時代を迎えたニッポンの、新しい旅行の幕開けを追う。
社長の金言
- 要介護者の旅? 楽勝ですよTweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
「母親を墓参りに連れて行きたい…」高齢化時代の旅行のプロ!
特別養護老人ホームに入っている92歳の母親と息子が、1泊2日の墓参り&温泉旅行へ。旅館で母親は、念願の温泉にも入れた。これを実現したのが、介護旅行を専門とする旅行会社、SPIだ。率いるのは、大手旅行会社で添乗員をしていた篠塚だ。 SPIが提供する旅は、すべてオーダーメイド。しかも派遣するのは、「トラベルヘルパー」と名付けた、ホームヘルパー2級の資格を持つ“プロ”。今年、ある家族が、沖縄旅行に行きたいとSPIに依頼してきた。しかもほぼ寝たきりの母親を連れてーー。
介護旅行のプロの技とは? 人づくりに挑む
介護旅行のプロを育成するため、篠塚が自ら作ったのは、トラベルヘルパーの資格検定制度。基礎知識の習得に加えて、実地の研修を課している。こうしたヘルパーが増えれば、もっと高齢者の旅の機会を増やすことができると考えたからだ。 研修の総仕上げは、東京・青梅での1泊2日の車いす旅行。受講生たちが車いすに座って、市内を散策する。そこで次々と起こるハプニングに篠塚は…。
温泉町に高齢者を呼べ!観光の再生の切り札
観光客の減少に苦しむ静岡・東伊豆町。全国に先駆けて、高齢者の観光客を受け入れるための取り組みをスタートさせた。篠塚は、その受け入れ態勢づくりのアドバイザー。 町を挙げての、高齢者に優しい観光地づくりが始まった。
ゲストプロフィール
篠塚 恭一
- 1961年9月千葉県生まれ
- 1983年大手旅行会社の添乗員を経て、旅行専門の人材派遣会社に勤務
- 1998年企画担当した海外人材派遣の現地ガイドとしてカナダに在住
- 1991年(株)SPI設立
- 1995年障害者・要介護高齢者向け旅行業務開始
- 2008年NPO法人日本トラベル・ヘルパー協会設立
企業プロフィール
- 本社:東京都渋谷区
- 資本金:1億円
- 従業員:10人、登録トラベルヘルパー 約600人
- 1991年:設立
- 1995年:バリアフリー旅行人材としてトラベルヘルパー育成
- 1996年:バリアフリー旅行事業を開始
- 2006年:NPO法人 日本トラベルヘルパー協会設立

最初SPIの資料を読んで、そんなに無理して旅をしなくてもと思ったりした。ただし、江戸時代の老人たちも、お伊勢参りなど、盛んに旅をしていたようだ。また私が幼いころは、暖かい共同体である「世間」が、高齢者の外出介助としても機能していた。「旅は最高のリハビリ」だと篠塚さんは言う。真理だと思う。私たちは単に食事と睡眠と排泄だけで生きているわけではない。出会いと感動、それに旅特有のある種の「切なさ」、つまり感傷も必要なのだ。