カンブリア宮殿

村上龍×経済人

毎週木曜日1106分 ~1155

テレビ東京系にて放送中

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2014130日 放送

消滅寸前...日本の伝統のものづくり企業を次々再生! 300年企業が挑む"新・ブランド創出術"

  • 中川政七商店 社長 (なかがわ じゅん)

中川政七商店は、奈良で300年続く麻織物「奈良晒(さらし)」のメーカーだが、今や全国に33店舗を持ち、急成長している企業。実は自社商品を製造・販売するだけでなく、全国の伝統工芸品を自社の店舗で売り、瀕死のものづくり企業を再生させているのだ。
日本人の生活の中で長く愛用されて来た「伝統工芸品」は数多くあるが、今は生き残りが極めて厳しい時代。中川は、「その良さを自分たちで伝えること」にこだわり、さらには経営不振にあえぐ企業に出向き、経営指南までしている。「日本の工芸を元気にする!」がコンセプトの、新たな中小ものづくり企業再生術に迫る!

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社長の金言

  • 全国の産地に輝く一番星をつくる!
  • RYU’S EYE

    RYU’S EYE
  • 座右の銘

    座右の銘

放送内容詳細

伝統の品が赤字に…300年の老舗 奇跡の再生

東京・丸の内に、平日の日中でもにぎわう大人気の店がある。奈良の麻織物の老舗が仕掛ける「中川政七商店」だ。店に並ぶのは自社の麻織物などの製品だけでなく、包丁、土鍋、ノート、陶磁器などなど…。「暮らしの道具」をコンセプトにした、日本の伝統工芸の品々だ。 社長の中川淳は、京都大学を卒業後、2年間の大手電機メーカー勤務を経て、家業の中川政七商店に入社。父の代では茶道具などを扱い年商9億円と経営は安定していたが、入社して初めて老舗の看板の麻部門が赤字に陥っていることを知る。危機感を感じて改革に乗り出した中川だったが、さらに追い討ちをかける出来事が…。デパートに営業に行くと、伝統の麻のポーチが特売品でワゴンセールになっていたのだ。 「良いものであっても、伝わり方、伝え方が悪ければダメだ。自分たちでそれをやろう!」 中川は、商品の良さを客に直接伝えられる、自分たちのブランドと直営店の立ち上げに挑む。そして見事に掴んだ表参道ヒルズへの出店。これにより中川政七商店は、奇跡の再生を成し遂げたのだ。

迷走する中小ものづくり企業…経営指南で次々再生!

ここ数年、中川のもとには廃業の知らせが後を絶たない。古くから日本の生活と共にあった品々を作って来た零細、中小企業が次々と姿を消しているのだ。そこで中川が乗り出したのは、中川政七商店の再生で得たノウハウを使って、他社の再生支援をすること。中川は、たった一人でこれを始めた。 長崎県波佐見町にある有田焼の下請けメーカー「マルヒロ」では、確かな技術と生産力を生かして「売れる商品づくり」を提案。焼き物のブランドに「HASAMI」と命名し、地域も製品も同時に発信する手法を展開した。 また新潟県三条市にある包丁鍛冶「タダフサ」では、900種もあった包丁を絞り込み、客が選びやすいよう「基本の7本」を提案。そのうちの1本は、中川とタダフサとで考案した、包丁メーカーならではの「パン切り包丁」だ。どこにもないタダフサだけの一品に、注文が殺到した。 企業再生を手掛けるコンサルタントは数多くいるが、一体何が違うのか?「何をやりたいのか、将来どうなりたいのか。僕らの手法は『自分たち起点』でものづくりを考える」と、中川は話す。

産地再生のカギは「一番星を作ること」 中川の新たな挑戦が始まった!

中川は最近、新たなコンセプトの店を立ち上げた。それは「土産物で地域を元気にする」店。土産物こそ、その土地に根付く昔ながらの工芸品――そう考えた中川は、経営に苦しむ土産物店と、作ったものが売れなくて困っているその地域の工芸の職人をネットワークする仕掛けとして、ショールームとなるような土産物店を開いたのだ。その名も「日本市」。人が集まる「市」と、日本一の土産物という意味をかけた。まずは奈良に1号店。今後、これを全国各地に広めていくつもりだ。 中川は言う。「その地域に、タダフサのような“一番星”ができれば、2番手、3番手は見よう見まねでついてくる。これが産地を元気にする秘訣です」。自分の店で他社の工芸品を売り、経営に入り込んで再生に手を貸し、さらには産地を元気にする仕掛けまで自分で作る。誰もやってこなかった「ニッポンの工芸を元気に!」を、中川は実践している。

ゲストプロフィール

中川 淳

  • 1974年生まれ
  • 2000年京都大学法学部卒業後、富士通に入社
  • 2002年家業の株式会社中川政七商店に入社
  • 2008年社長就任

企業プロフィール

  • 中川政七商店
  • 本店:奈良市東九条町
  • 創業:1716年(享保元年)
  • 売上高:31億円
  • 従業員:約270人
    「遊 中川」「粋更」など5つのブランドで全国33店舗を展開

村上龍の編集後記

伝統は、ときに重荷や足かせにもなるし、ときに重要な資源にもなり得る。その違いは何に依るのだろうか。中川さんは、ブランディングだと言う。ブランドを成立させるためには、信頼と、差別化を、長い間維持しなければならない。だが、現在も生き延びている伝統工芸は、すでに歴史による淘汰に耐えていることになる。もちろんブランディングは簡単ではない。単に新しい衣をまとうだけでは、すぐに見抜かれ、やがて飽きられる。だが中川さんは、「デザイン」と「ネットワーク」というキーワードを深く理解していて、伝統は貴重な資源だという信念がぶれることがない。新しい衣ではなく、新しい解釈を、伝えようとしている。

村上龍の編集後記画像

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社長の金言

  • 「失敗するな」ではヒット商品は生まれない

    サーモス 社長片岡 有二

  • 店は スタッフに会いに行く劇場

    ビームス 社長設楽 洋

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