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2018年3月8日 放送
消費者が欲しいものは消費者自身で作る!
安心&絶品!唯一無二「生活クラブ」の全貌

- 生活クラブ連合会 顧問 河野 栄次(こうの えいじ)
コープみらいにパルシステム...全国に様々な生協があるが、そんな中に異端とも言える生協がある。毎年1万人の会員を増やし続けている「生活クラブ」だ。50年も前から先進的に「安心・安全」に徹底的にこだわり、組合員が市販の牛乳に不満を持てば自分たちで牛乳工場を建設し、流通する鶏肉に不満があれば自らこだわりの品種の生産まで始める筋金入りの集団。今こそ消費者は自分で行動すべし!生活クラブの消費革命に迫る!
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
他にない“自然派”絶品スーパー!消費者が主役の異端生協
最近、東京や神奈川で増えているのが、小振りなスーパー「デポー」。人気の秘密は、他では売っていない様々な商品。
国産トマトをじっくり煮詰め水を一滴も加えずに作った絶品のケチャップに、天然の羊腸に平田牧場の豚肉をつめた旨味あふれるソーセージ。さらに牡蠣を丸ごとすりつぶした調味料…どれも合成保存料や着色料などを一切使わずに自然のおいしさを生かした商品ばかりだ。このデポーを運営するのは、生協の1団体「生活クラブ」。実は数ある生協の中でも、生活クラブはかなりの異端児。まず他の生協が大手メーカーの商品を膨大に扱う中、生活クラブの商品は9割以上がオリジナルのPB商品。しかもその商品、消費者である組合員自身が関わって作られたものばかりなのだ。
消費者が欲しい「安全でおいしい商品」を、組合員がメーカーと二人三脚で開発する独自のやり方が、食品にシビアになっている消費者に「何を買っても信用できるスーパー」と支持され、毎年1万人のペースで組合員を増やしているのだ。他に真似のできない、唯一無二の“消費者が主役”の生協「生活クラブ」の全貌を解き明かす。
消費を変えて社会を変える!”牛乳1本”からの革命
生活クラブの設立は1965年。社会党系の政治運動に絶望した岩根邦雄夫妻と19歳の河野英次の3人が創立メンバー。当時、消費者を苦しめた牛乳値上げに対抗して3円安い牛乳の共同購入サークルを作ったのが始まり。その後組合員の主婦たちは「本当に安心でおいしい牛乳とは何か?」を突き詰める勉強会を開始。様々な食品問題が起きた時代、いつしか「本当に必要なものは自分たちでつくるしかない」と酪農家と手を組み、牛乳工場を建設してしまう。近年は、生産過程の見えない海外企業からヒナを購入する国内の鶏肉生産に疑問を持ち、国産鶏種の鶏肉を生産者と作り消費する取り組みを始めている。既存の消費流通に挑戦を続けてきた生活クラブの闘いの歴史とは?
生活クラブから“主婦起業家”が続々!その秘密
生活者クラブの組合員の中には、地域に喜ばれる事業を起こす“主婦起業家”が大勢いる。原材料にこだわったおいしいパン屋さんや、地域の高齢者に支持される宅配弁当店…既にその数600。これは35年前に組合員の間で始まった「ワーカーズ・コレクティブ」という運動だ。自分たちが「社会を良くする主役になる」生活クラブの進化系とは?
ゲストプロフィール
河野 栄次
- 1946年東京都生まれ
- 1965年生活クラブ結成、牛乳の共同購入開始
- 1989年生活クラブ東京 理事長兼専務理事
- 1999年生活クラブ連合会 会長就任
- 2006年生活クラブ連合会 顧問
企業プロフィール
- 所在地:東京都新宿区新宿6-24-20
KDX新宿六丁目ビル5階 - 設 立:1990年
- 職 員:100名
- 会 員:38万人(北海道から兵庫まで全33単協)

ほぼ半世紀前、生活クラブは「食の安全」を確保する活動をはじめた。思想を持つ社会運動というより、主婦、母親など、つまり女性たちの「直感」が原動力だったのだと思う。そのあと「直感」は言葉を獲得し、やがて論理となっていく。他人まかせにせず、自分たちで考え、行動することが「喜び」となり、徹底して疑わしいものは使わず、徹底して情報を公開してきた。会員は約38万人に増えたが、組織としての単純な膨張を避け、「緊密なネットーワーク」は健在だ。生活クラブは、今もなお、「自立の意味」を示し続けている。