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2018年10月18日 放送
史上最悪から史上空前の鉄道会社へ!
〜民営化30年...攻め続けるJR東日本〜

- JR東日本 会長 冨田 哲郎(とみた てつろう)
1日1万2000本の列車で年間64億人を運ぶ鉄道会社JR東日本。
"鉄道の復権"を掲げ、次々に便利な鉄路を引き乗客を増やす一方、駅の"商業"にも本気で取り組み、毎年5000億円を売り上げる。
民営化から30年...空前の変化を遂げる世界最大の鉄道会社の全貌に迫る!
社長の金言
- 国鉄改革は “社員の心”の改革だったTweet
-
RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
駅が激変!街が激変!そこまでやるかJR東日本
年間64億人を運び、年商3兆円に迫る世界最大の鉄道会社JR東日本。国鉄時代の失敗を繰り返さないため、民営化後、徹底的な攻めの姿勢で結果を出してきた。最大の戦略は“鉄道の復権”。つまり、より鉄道を便利にし、人口減少社会でも「移動人口」を増やすことで、鉄道の収益を伸ばしてきた。例えば、上野東京ラインや湘南新宿ラインの開通で便利になった“武蔵小杉”には、高層ビル群を出現させ、3年前に開業した北陸新幹線では、金沢駅に毎日2万人の新たな人の動きを作ってみせた。その攻めの姿勢は“駅の商業”でも…
東京駅では、デパ地下に負けない膨大な面積を誇る商業施設グランスタを展開。それが人気となるや、東京駅の地下に新たな商業施設に変えるため、いまも掘削工事を続けている。こうして新たに生み出した商業サービス部門の年商は、既に5000億円に達した。徹底的に攻め続けるJR東日本の執念を取材した。
乗客無視の最悪鉄道から最上の顧客主義へ!
JR東日本が管轄する東京駅には、知られていない“すごい”が数多く存在している。全国の駅弁を東京駅に集めて販売する「駅弁屋・祭り」には、毎朝のように行列が…さらに、新幹線ホームでは、わずか7分で芸術的な清掃をするチームが今日も動き回っている。これまでにない徹底した顧客目線のサービスを生み出してきたJR東日本だが、民営化前の国鉄時代は、労働争議とストを繰り返し、積み上がった債務は30兆円。その影響で地方のローカル線は、次々と廃止に追い込まれていったのだ。当時の姿は、まさに”最悪の鉄道”だったという。そんな状態に、危機感を抱いてきた若き国鉄マンの1人が…いまJR東日本の会長を務める冨田だ。民営化という荒波の中、冨田は、いかにしてJR東日本を顧客目線の鉄道会社に生まれ変わらせたのか?駅ナカビジネスからSuicaまで、JR東日本の知られざる戦いに迫る。
駅長はモール経営者?!駅革命で魅力ある街を作れ
中央線の武蔵境~国立間の高架下に、今続々と魅力的な人気店が登場している。その人気スポットを運営しているのがJR東日本の子会社・中央ラインモール。実はこの会社、駅の運営も同時に手がける今までにない会社だ。駅を独立採算で自立させ、地域密着の新たな駅のカタチを生み出そうとしている。JR東日本が仕掛ける、その大胆な試みの成否とは…
ゲストプロフィール
冨田 哲郎
- 1951年東京都生まれ
- 1974年東京大学卒業、国鉄に入社
- 1987年国鉄分割民営化 JR東日本入社
- 2012年代表取締役社長に就任
- 2018年取締役会長に就任
企業プロフィール
- 本 社:東京都渋谷区代々木2-2-2
- 設 立:1987年4月1日
- 売 上:2兆9501億円(2018年3月期連結)
- 社員数:5万4880人(2018年4月時点単体)
- グループ会社:68社

分割民営化後、各JRは鉄道以外の事業への取り組みを開始した。「駅を単なる乗降の場ではなく、いろいろなサービスの提供施設に」というのは共通していたが、世界最大の鉄道会社であるJR東日本の戦略は先端的で、スイカがそのことを象徴している。非常に身近になり、知らない人はいないが、その開発とネットワーク化は簡単ではなかった。切符を買う必要がないという利便性に加え、他企業とのネットワークが閾値を超えて拡大したとき、社会全体に革命的な変化が起こった。民営化がもたらした、真の、イノベーションだった。