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2018年10月25日 放送
JR東日本 第2弾!
客に愛され、地域に愛されるポッポ屋へ!

- JR東日本 会長 冨田 哲郎(とみた てつろう)
利用者を無視し、地域を切り捨て、巨額債務を抱えていた国鉄の民営化から30年。JR東日本は、常識破りの手法で、客に愛される"究極の鉄道"を目指し挑戦を続けている。知られざるその戦いとは?
社長の金言
- 小さなイノベーションが 大きな力になるTweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
常識崩壊!女性が駅を変え、赤字鉄道が地域を変える
かつて「駅の物販」と言えば、キオスクで売る会社員向け新聞や牛乳が一般的だったが…今、駅構内には、女性が大好きな最新のスイーツからおしゃれな雑貨まで、デパートと見まごうような魅力ある店舗が並んでいる。そんな駅の常識を変えたのは、JR東日本の駅ナカを作り上げてきた「エキュート」の女性チーム。一方、かつて鉄道会社のお荷物として切り捨てられてきた地方の赤字ローカル線でも常識破りの取り組みが。民営化以後JR東日本では、不採算の地方路線を地域住民とタッグを組み、魅力ある観光路線に変え、路線を維持してきたのだ。今や20種類もの地域色豊かな観光列車が、路線の維持だけでなく、地域再生に貢献しているという。その最高峰の豪華列車「四季島」も合わせ、JR東日本の常識破りの挑戦を取材した。
究極の安全投資!悲しみを力に変える1兆円
今、JR東日本が力を入れているのが、安全への投資。2019年までの5年間で、その額は、実に1兆円。さらに、管内80箇所で運転士向けに配備を進めるのが事故シミュレーター。また、運行中でもレールの異常を検出できる特殊センサー車両も導入を進めている。極め付きは、過去に事故を起こした車両を展示した社員向けの展示館。JR東日本は、こうした安全関連施設に惜しげもなく資金を投じてきたという。その裏には、会長の冨田が目の当たりにしてきた数々の事故経験があった。大惨事から学び、究極に安全な鉄道を目指す、JR東日本の挑戦を追った。
安全を、地域を世界に売れ!知られざる海外戦略
国内の鉄道事業者として圧倒的な存在感を示すJR東日本は、海外への“輸出”にも力を入れている。インドネシアに日本の中古車両を大量に走らせ、ベテラン社員が現地スタッフに保守点検技術を伝承する取り組みがあれば、イギリスでは、正確で安全な鉄道運行システムを現地の鉄道に提供。さらに、駅弁文化まで発信して、日本の鉄道の魅力を伝えようとしている。JR東日本が仕掛ける他にはない海外戦略を取材した。
ゲストプロフィール
冨田 哲郎
- 1951年東京都生まれ
- 1974年東京大学卒業、国鉄に入社
- 1987年 国鉄分割民営化 JR東日本入社
- 2012年代表取締役社長に就任
- 2018年取締役会長に就任
企業プロフィール
- 本 社:東京都渋谷区代々木2-2-2
- 設 立:1987年4月1日
- 売 上:2兆9501億円(2018年3月期連結)
- 社員数:5万4880人(2018年4月時点単体)
- グループ会社:68社

東日本大震災、営業中の新幹線は一両も脱線しなかった。驚くべき技術だと思った。だが、そんな技術が一朝一夕に生まれるわけがない。JR東日本は、88年の事故を深刻に受け止め、翌年から5年間で4000億円の安全投資を計画し、高機能な自動列車停止装置の設置工事を、前倒しして実施した。「安全」には、時間もコストもかかる。取材で、尾久車両センターを訪れ、久しぶりに間近で「線路」を見た。まさに「鉄路」だった。旧国鉄は、非効率の代名詞と化したが、培われた「鉄道マン魂」は、受け継がれ、進化し続けている。