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2019年2月14日 放送
地方の絶品と生産者の"物語"を伝える!唯一無二!食べ物付き情報誌の全貌

- 日本食べる通信リーグ 代表理事 髙橋 博之(たかはし ひろゆき)
地域特産の知られざる食材と、その生産者を特集した記事がセットで届く、史上初の食べ物付き情報誌「食べる通信」。全国30の地域で発行され、読者は1万人を突破。
これまでにない、全く新たな手法で生産者と消費者をつなぎ、地方を元気にする若き仕掛け人に密着。
社長の金言
- 生産者がいて 食生活があるTweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
読者1万人に拡大!絶品食材が付録「美味しい情報誌」の秘密
日本各地の生産者を特集した情報誌と、彼らが作った食べ物がセットで届く定期購読誌「食べる通信」。5年前に東北で始まったユニークな情報誌は、全国30誌にまで拡大し、今や1万人の読者を抱えている。誌面では、生産者のこだわりから人生まで徹底的に深堀りして、その生産物の裏側の”物語”を伝える。そのことで、消費者はスーパーで買う食材とは全く違う思いで食材を食べるという。さらに、SNSを通じた生産者とのコミュニケーションで、長く生産者とつながるファンにもなっていく。そんな「食べる通信」を各地で発行するのは、すべて違う事業者。ほとんどが編集経験もないド素人。その多くが衰退する地元の生産者を支えようと創刊を決意したという。2013年に初めて「食べる通信」を立ち上げたのが「東北食べる通信」の編集長であり、日本食べる通信リーグの代表理事も務める髙橋だ。髙橋は、1冊作るのに何度も何度も生産者の元に通い詰め、酒も酌み交わし、本音を引き出し、生産現場の現状を記事にしていく。「食べる通信」は単に食材を売るだけでなく、1次産業が抱える問題を消費者に伝えることにこそ大きな意味があるという。
農家や漁師が新鮮食材を直送!生産者とつながれる”スマホの産直市場”
農家や漁師が自ら生産物を出品するスマホの通販アプリ「ポケットマルシェ」。全国の生産者が都会の消費者とつながれるようにと、髙橋が新たに立ち上げたサービスだ。運送業者と提携することで、生産者にとって驚くほど簡単に直販を始めることができ、創業3年で、登録生産者は1000人を超えている。最大の特徴は、やはり生産者と消費者がネット上で交流できる機能。食材を作った本人から、美味しい調理方法を聞くこともでき、利用者も急拡大している。
記者不合格、カバン持ち、知事選落選…辿り着いた「都市と地方をかき交ぜろ!」
岩手県花巻市出身の髙橋は、憧れだった東京の大学に進学。卒業後は新聞記者を志すが、就職浪人含め3年間で100回以上も不合格となり叶わず。いつしか代議士の鞄持ちに。そして政治に関心を持つようになった髙橋は、故郷に戻り地元の議員になることを決意。1年半にわたり毎朝、街頭演説を行い、30歳で岩手県議会議員の補欠選挙に当選する。そして、東日本大震災などを機に、生産現場の様々な問題を目の当たりにするなどし、今度は故郷の復興を掲げ岩手県知事選に出馬。しかし一次産業の経験もない上辺だけの言葉が支持を得られず惨敗する。そして今度は事業家として故郷の一次産業を変えられないかと決意。ついに「食べる通信」のアイデアを実行に移すのだ。髙橋が、発行しながら辿り着いたのは「離れてしまった生産者と消費者を近づけ、もっと都市と地方をかき交ぜる」こと。実際に今、「食べる通信」を通して、東京に生産者のファンクラブが誕生したり、定期的に交流イベントが開かれたり、様々な交じり合いが生まれ始めている。
ゲストプロフィール
髙橋 博之
- 1974年岩手県花巻市生まれ
- 2000年青山学院大学経済学部卒業
- 2006年岩手県議会議員に初当選
- 2013年「東北食べる通信」創刊、編集長に
企業プロフィール
- 本 部:岩手県花巻市藤沢町446-2
- 設 立:2014年4月15日
- 年 商:5090万円(2018年3月期)
- 読者数:約1万人(全国30誌)

「食べる通信リーグ」の特徴は、「独自性」にある。髙橋さんは、参加者を厳選するが、アイデアを押しつけたりしない。ホームページには、「編集長ストーリーズ」というコーナーがあり、生産者の物語を紡ぐ側の「物語」が紹介されている。共通しているのは、「救う」ではなく「ともに生きる」というフェアな関係性だ。今だ、各地で小さな旗がなびいていて、全国的な波は起こっていないが、逆にそれが正統ではないか。今後は、地域性のある個別のネットワークが、何かを生みだす。これまでなかった「未知の」何かかもしれない。