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2019年10月17日 放送
迷ったら茨の道を行け!激安オーダースーツで業界に風穴

- オーダースーツSADA 社長 佐田 展隆(さだ のぶたか)
低迷する紳士服業界に風穴を開けた企業が、オーダースーツSADAだ。"安いのに着心地が良い"と、ビジネスマンたちの支持を得ている。客の好みを聞きながら、全身約20か所を採寸、高級テーラー並みに体にフィットしたスーツを仕立ててくれるのだが、19800円からという破格の値段。自社工場で設計や裁断を自動化、コストを削減しているからできるという。しかし、その歴史はまさに「茨の道」だった。「迷ったら茨の道を行け」どん底からの逆転経営に迫る。
社長の金言
- 過去の積み重ねに 次世代の種はあるTweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
プロのアスリートや営業マンも頼りにするスーツ
SADAのオーダースーツを着用し業績がアップしたという会社も…。ある高級車の販売店では、営業マンたちがそろって着ていた。「安心して車を買える」とお客さんの反応も上々だという。またSADAのオーダースーツが欠かせないというのがプロのアスリートたち。プロ野球の千葉ロッテマリーンズやサッカーJリーグの名古屋グランパスなど15のチームにスーツを提供しているのだ。SADAは、いまや全国に53店舗を展開、売り上げ37億円、急成長を続けている。
迷ったら茨の道を行け
業績好調のオーダースーツSADAだが、その歴史は「茨の道」だった。戦後、オーダースーツの下請け工場として成長してきたが、バブルがやってくるとスーツブームに便乗して急成長、中国に工場を建設するほど拡大。しかし、2000年に大口顧客だった百貨店のそごうが経営破綻すると、赤字に転落する。当時、東レに勤めていた展隆が呼び戻されると、会社はとんでもないことになっていた。借金25億円、親子の確執…終わらない「茨の道」の始まりだった。
ゲストプロフィール
佐田 展隆
- 1974年9月 東京都 生まれ
- 1995年一橋大学経済学部 入学
- 1999年東レに入社
- 2003年株式会社佐田に入社
- 2005年社長就任
- 2008年同社 退社
- 2011年佐田に再入社
- 2012年社長に復帰
企業プロフィール
- 本社所在地:東京都・千代田区
- 売上高:37億8000万円(2019年7月期)
- 従業員数:570人
- 53店舗(2019年9月現在)

「迷ったら茨の道を行け」良い言葉だ。選択肢が複数あるとき、たいていもっともむずかしいやり方が正解で、佐田さんは祖父から教えられ、著書のタイトルとした。だが、オーダースーツSADAを軌道に乗せるまで、佐田さんは、まったく迷っていないのに、ずっと茨の道だった。先代の父親は、膨大な借金を作ったが、今を支える北京工場と、CADなど先進的なシステムをいち早く導入し、結果的に、基盤となった。一寸先は闇でもあり、夜明け前でもある。波乱万丈の人生が、オーダーメイドスーツの、着心地の良さを生みだした。