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2021年3月4日 放送
1坪ショップの仕掛け人が挑む!
コロナ禍で儲かる店

- 生産者直売のれん会 社長 黒川 健太(くろかわ けんた)
コロナの影響で飲食業や土産物店が苦境に立たされている。その取引先である中小の食品メーカーもあおりを受けている。コロナ不況の中、食品メーカーを支援し、新たなヒットを生もうと東奔西走するのが、2013年に番組に登場した「生産者直売のれん会」だ。同社の「全国各地の知られざる逸品を発掘し、広く世の中に知ってもらう」というビジネスは、コロナ禍でどう機能するのか?未曽有の危機を乗り越える一手に迫る!
社長の金言
- 小さな失敗を繰り返しどんどん試すTweet
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
コロナ禍の新・駅ナカビジネス
コロナの影響で外出自粛や、旅行・出張が減っているのに伴い、駅ナカ店の経営も苦戦を強いられている。そんな中、昨年12月に池袋駅にオープンしたベーカリー「ミニヨン」は絶好調。売っているのはミニクロワッサン(1個65円~90円)だけだが、1日100万円も売り上げる。仕掛けたのは生産者直売のれん会だ。黒川社長はこのコロナ禍を気候変動と捉え、「【種(商品)】がダメなわけではない。【これまでの土壌(友人や取引先への贈答用の土産)】ではなく、【新しい土壌(家族への気軽な手土産)】にマッチングさせれば、需要はまた芽吹く」と戦略を転換。「おうち土産」を掲げ、帰宅者向けにアピールすることで大ヒットにつながった。
地方の食品メーカーを救う「直売」の可能性
今、生産者直売のれん会では、その社名通り、「中小食品メーカーが生産者直売に乗り出す」為の支援に力を入れる。その成功例が岡山・倉敷市の阪本鶏卵だ。事務所の一角を直売所とし、パンから溢れんばかりの卵を挟んだ卵サンドなどのオリジナル商品を売り出したところ大ヒット。コロナで消滅した売り上げを補い余りある柱へと成長を続けている。
生産者と飲食店のタッグで街を元気に!
生産者直売のれん会の本社がある浅草。日本を代表するこの観光地でさえ人の往来は減り、店を構える土産物店、そして中小食品メーカーは次第に元気がなくなっている。そんな中、同社ではこの危機を乗り越える一手として、浅草の店同士のコラボをプロデュース。地元製菓メーカーの「浅草サンド(レーズンサンド)」のレーズンを浅草の名物店・神谷バー発祥の「電気ブラン」に漬けた「電気ブランレーズンサンド」として売り出すなど、ユニークな仕掛けで巻き返しを図る。
ゲストプロフィール
黒川 健太
- 1975年9月28日生まれ。
- 1999年4月、ベンチャー・リンク入社。
- 2007年同社子会社として発足した生産者直売のれん会の社長に就任。
- 2010年MBO(経営陣が参加する買収)で独立。
企業プロフィール
- 設 立:2007年5月
- 本 社:東京都 台東区
- 売り上げ:約30億円(2019年度)
- 従業員数:70名
- 事業内容:食料品小売業、コンサル業

黒川さんは、コロナ禍で、「種」は適した「土壌」でこそ実ることに改めて気づいた。自分たちは小売でも飲食でもなく生産者支援事業、売り方はいくらでも変えればいい。家で飲むようになった、ならば「家飲み用のつまみ」を小売りしてもいい、飲食店に客が来るのを待つなんて、らしくないじゃないかと。平時には、需給バランスは均衡が保たれている。有事には、空白域が豊富になる。具体的に「家族土産」と「工場直売所」が空白域だった。「小さな失敗を誰よりも早くたくさん繰り返す」気概で、生産者直売のれん会は頑張る。